ロットリング・初代ラピッドグラフ
以前はなかったのだが、最近オカモト文具店のネット販売で、初代ラピッドグラフが販売されていたので、思わず注文してみた。私的に思い入れがあるのは、初代バリアントなんだけど、どうやら昔の0.1mmは販売されていなかったようだしね。それに、初代ラピッドグラフの「インク吸入式」というのにも惹かれたし。
価格は3,150円なんだけど、代引き発送で更にその上手数料が取られるから、支払った金額は4,115円になってしまった。どうにかならんのかね、このバカ高い送料は。
それはともかく、早速使ってみました。インクはロットリング専用品がないので、手元にあったドクターヤンセンのグーテンベルク(知らない人はさっぱり解らないと思うけど、要は万年筆用の黒インクです)を入れてみた。結果は、やや万年筆用のインクだと濃度が薄過ぎるみたいで、針のようなペン先にきちんとインクが行き渡らない。それでも使えないことはないので、昔を懐かしみながら色々とイタズラ書きをしてみた。上記の写真は、ロディアの1マスに小さく書いた文字。実はこれでも撮影用にちょっと遠慮した位で、ホントはもっと小さく書くことも出来る。GR-Digitalに手持ちのルーペをかぶせて撮影。何だか注射針のようなペン先でしょ。
以前どこかでも書いたと思うけど、絵を描くのが好きだった高校生の頃は、ロットリング初代バリアント0.1mmを手に入れて、とにかく紙面を細かい線や点描で埋め尽くすのが大好きだった。その作風のせいで、図書室の広報誌や学校の印刷物用に依頼されたカットは、つい、ビッシリとロットリングの細い線で埋め尽くしてしまい、その結果仕上がりはいつも印刷がつぶれて真っ黒になってしまうのが不満だった。一応オフセット印刷だったんだけど、当時は街の印刷屋さんが持っている印刷機のレベルも低いし、そもそも印刷機に合わせて仕上がりを予想しながら描く…なんて器用なことを考える年齢じゃなかったしね。
それと、同じく図書室で使う「開館中/閉館中」を表す両面リバーシブルのドア看板製作も依頼されて、こちらもイラストボードにびっちりと罫を書き込みました。こちらは印刷物じゃなくて実物使用なので、特に問題はありませんでした(笑)。
ポスターカラーで色を塗って、その上からロットリングでびっちりとディテールを書き込み、更にその上を透明粘着シートできちんとコーティングして納品。おかげでそこそこ耐久性があったみたいで、私が卒業して10年くらい経ってから、用があって当時通っていた高校の図書室前に行ったら、いまだにその看板がきちんと毎日使われているのを見たのは嬉しかった。ひょっとしてまだ使ってたりしないかな?
長くなったけど、私にとっての“オールドロットリング”とは、そういった思い出がいっぱい詰まった筆記用具なのです。
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