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▼2007年01月13日

万年筆ミュージアム

 最近流行の万年筆本…という割に、実は万年筆好きな人が買ってもあまり面白い本じゃないのでは?なんて考えつつ、私は毎晩お風呂に入りながら少しずつ、結構面白く読み進めています。

 そもそも私にとって、この書籍で取り上げられているような“限定万年筆”は、ハナから興味がないので、物欲とかなんだとか、そういった邪念から解き放たれた心境で読めますね。それが、読み物としてなかなか面白く感じる理由かもしれません。

 本の帯には「マーケティング的視点からの『万年筆論』」とありますが、実際にはマーケティング論的な記述はほとんどないです。では、なにが書いてあるのかというと、モチーフになった限定万年筆のテーマや素材の選定、そしてそれらがもたらす価値というものを、万年筆ファンの視点で書いているに過ぎません。視点が一方的である故に、マーケティング的話題があっても、そういった視点が本書からあまり感じられないのではないかと、そんな風に思ったりもします。

 ただ万年筆を、文字を書く道具と受け取るなら、便利な筆記具が揃った現在で、敢えて万年筆を選ぶ理由は希薄になります。
 それでも、その万年筆は、凝った製法や高価な素材で装飾され、限定品の名前と共に、時には「法外」ともいえる価格が設定され、そしてまたそれらが消費されていく不思議。
 この本でそれらについての回答を提示しているわけではありませんが、そういったミステリアスともいえる限定万年筆達の蘊蓄を、少しずつ眺めてみるのも悪くないのではないかと思います。それとまあ、世の中には万年筆のモチーフとなる、色々な素材やテーマがあるもんだなぁ…というのにも感心しますね。

 もっとも、こちらのブログにもある通り、直接物欲を刺激されたりするたぐいの本ではありません。高価な本ですが、その点については安心でしょう(笑)

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コメント

TBありがとうございます。

そうですね。
まったく関心のない方には新鮮な情報なのかもしれません。
万年筆に興味があると、パンフレットやその他ですぐに得られる情報ばかり。一歩踏み込んだ情報がほしいと感じるのは、実際、美術館や博物館に足を運ぶときとおなじ心境だと思うんですけど(^^;

こちらこそ、コメントありがとうございます。

私の場合、基本的に“限定”という製品に対して、あまりいい印象を持っていないんですよね。その割には“限定”商品買ってるじゃんと言われそうですが、嗜好が一致してしまったモノは仕方ないので(笑)。

モノとしての興味はあまりありませんでしたけど、こうやって限定万年筆の由来を俯瞰できると、こちらの世界も興味が湧いてきてしまいます。幸い、まだ物欲の方まで行っていないのが助かってますけど(笑)。

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