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▼2007年03月26日

水はなんにも知らないよ/左巻健男

 失礼ながら本名なのか?なんて思ってしまう名前だけど、本名みたいです。

 一時期「水からの伝言」という本が話題になった。簡単に言うと水に向かって「ありがとう」と語りかけていると、結晶が綺麗になるという話。
 で、人間の成分は70%が水。なので、人間に対しても常に「ありがとう」とか、誉めた言葉をかけていると、体内にある水の状態も綺麗な結晶となり、人にもいい結果が現れる…というもの。
 そもそも何故綺麗な結晶がいい水なのか、また、何故水が良くなると人間自体が良くなるのか…などと、突っ込み所は満載なのだが、まずはその「綺麗な結晶になる」という話、それ自体がインチキであるという事について、本書の導入部で解説している。

 まあ、この手のインチキ話を宣伝広告に使っているうちは、まだ嘲笑で済まされる話だが、こういう話を科学として教育の現場で使おうとする教師が多数いる問題については、黙っておけない話だともう。つーか、こんな話に引っかかる教師が多いという現実もすごい話だ。
 もっとも、この話を「道徳」として教えるのなら、生徒に対して「道徳」であることを明確にした上で話す分には、特に問題はないと思うけどね。

 こういうのは「科学リテラシーが高い・低い」という言い方をするらしいね。つまり現在の教師は「科学リテラシー」が、著しく低いので、この手の似非科学に引っかかってしまうという事。そしてこの「科学リテラシー」が低い連中が、頭のいいふりをして子供達に「科学リテラシー」が低い話を教え込む。こんな現実を知ると、「技術立国っていうレベルじゃねーぞ!」と思わず怒鳴りたくなってしまう。

 とまあ、この本はこの手の水商売のインチキぶりについて、色々と解説してある。「波動」「トルマリン」「クラスター」などの言葉が出てくる水商売は、全てインチキだと思っていた方がいいみたい…というか、元々こんな話は信じていませんでしたが(笑)

 ひとつ、ちょっとなるほどと思ったのは、市販のミネラルウォータの銘柄で、お茶や料理の味が変わるか?という話。この著者によると、お茶はともかく料理はわからないのでは?という事みたいです。
 私は以前、このエントリーで思いっきり「変わる」なんて書いちゃってますが、果たして真実はどちらなんでしょう(笑)
 

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コメント

内容というか喚起すべき問題としては異論はないんですが、
ここ及びamazonとか見ると、思いっきり下記と内容かぶっている気が……。

ちなみに私は、お茶の味は変わると思います。

http://atom11.phys.ocha.ac.jp/index.html

水商売関連
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html
教育現場関連
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/toss_watch/index.html

飲んでみて味の違いがある水でお茶を入れたら味は変わるでしょう。と言うか色まで違うし。
ただ、その著者がどのような実験や、理論検証を行ったか気になります。
その内容によっては、きれいな結晶と同じレベルのことを言っているだけかもしれません。
そうそう、お水といえばこれが有名かな?
水商売ウォッチング
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html

書き方悪かったですね。後で訂正します。
「かわらない」ではなく、市販の水程度では「わからない」だそうです。

お茶の場合、硬水だと「甘み」が、軟水だと「渋み」が出やすいそうです。

url三つ貼ったら撥ねられた(笑)。
貼った先はhasumiさんと同じ所です。
教育現場への進入に関しても、
「TOSSウォッチング」という別サイト立てて観察してます。

この本の趣旨には同意ですが、ネタかぶりまくりでは?

なるほど、読むのが大変そうですが、確かにネタかぶってますね。

ちなみにこの著者は、仲間と「ニセ科学フォーラム」という活動をしているそうです。
http://www.janjan.jp/culture/0609/0609040648/1.php

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