ぶ男の遺言/徳大寺有恒
徳大寺先生の文章は好きで、今でも「間違い探しの車選び」などは、古本屋さんで安く見つけるとつい買ってしまうし、また自動車以外のエッセイもなかなか面白いと思う。というか「間違い探しの車選び」などは、全巻文庫化してほしいなと思う。当時売られていた自動車についてのコメントは、今読み返してみても自動車が好きな人、あるいは自動車を研究している人にとってはいい資料だと思うのだが…。
それはそうと、今回読んだ「ぶ男の遺言」だが、なかなか面白い。ただ、私も「ぶ男」の部類に入ってはいても、ここまで顔に対してコンプレックスは持っていないかな。そもそも氏が「人生で一番好きなのは女」と言い切っている程、私は女好きじゃないので、どちらかというと、自分の才能とか性格とか、そっちの方のコンプレックスがむしろ強い。なので、直接的に私自身がこの本のネタに共感できる部分はあまりないのだが、それでも考え方としてなかなか面白いし為になるね。別に私も実践しようとは思いませんけど(笑)。
氏は残された人生で小説を書いてみたいとおっしゃっている。普段は小説なんて読まない私だけど、これは是非読んでみたい。
ぶ男の遺言/徳大寺有恒