Web国産力/佐々木俊尚
多分、日本のウェブ業界に一番欠けているのは、この本の著者も含めてだけど「未来を夢見る力」なんだと思う。
本書では、アメリカやその他の国にすっかりイニシアチブを握られてしまった、ウェブ関連の新技術について、展望と願望を交えながら概略を紹介している…が、全編に渡り「ユーザーのニーズを最適化し、ユーザーごとに商品をレコメンド…」みたいな代理店的匂いが付きまとい、未来ってのはそんなに楽しそうな世の中でもないな…なんて気にさせられてしまう。
グーグルを初めて使ったときの衝撃は私も忘れられないよ。それまではヤフーのカテゴリ検索や、NTTの日本国内サーバガイドを頼りに必要な情報(というか日本語ではまだ『必要な情報』といより『ある情報』というレベルだった)を探し当てていたものだ。あと、東大で実験公開されていた全文検索エンジン…名前忘れたけど、も使ってたな。あれに初めて触れたときも結構衝撃だった。
そんな中、アメリカですごい検索エンジンができた…なんて噂が立ち、使い始めたのはこのサイトを公開する前(ちなみにこのサイトで一番古い情報は1999年9月)。
多分、そのグーグルを作った創設者連中は、そのときは「将来アフリエイトで大儲けしよう」とは思ってなかったと思うよ。
ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す/佐々木 俊尚