戦争のリアル/押井守・岡部いさく
タイトルの「リアル」とは失笑を誘っているつもりなんだろうか…。とにかく、全編にわたり押井守が「RPG-7」と「ハリアー」が好きだという事を延々と語る本。もうわかったからいい加減黙れよ。
軍ヲタという連中が、如何に生産性も思想も何もないのか…ある意味それらの証明の見本。とにかく押井の語っている軍事知識というのは、知識ではなくただの情報にすぎず、なので兵器が好きだとか嫌いだとかは語れても、「戦争」は全く語れないというか理解できていない。それでも「戦争」を語っているつもりなのだろうが、少しは歴史を勉強した方がいいのでは?いや、歴史といっても戦史だけじゃなくてね。
そして、私は昔から押井守の映像を評価していないのだが、多分この本を面白いと思う人達によってこの監督は支えられているんだろうな…というのもよおく理解できた。だって、こういうの好きな人ってそこいら中にいそうだしね。
ちなみに「情報」という面では、岡部いさくと同様、私は個人携行兵器には詳しくないので、なるほどなと思うところも結構ありました。ただ、いずれにせよ、こんな語り口でいくら「ディテール」を語っても、それらを包括する戦争という思考にたどり着く事は永遠にないと思います。
あ、本書では押井守に押されてほとんど語っていませんが、岡部いさくについては、私は結構好き。
戦争のリアル Disputationes PAX JAPONICA/押井守・岡部いさく