MACRO ZOOMATAR D 40mm F2.8 / Zoomar Muenchen
久しぶりにレンズを手にしてしまいました。メイド・イン・ウエストジャーマニーのマクロズーマー40mm F2.8。もっとも、キルフィットのマクロキラーといった方がわかりやすいかもしれません。
ズーマーという会社は、名前の通り世界で初めてスチルカメラ用ズームレンズを作ったアメリカの会社。そして今回のこのレンズは、ドイツのミュンヘンにあった、キルフィットというマクロレンズを得意としていたメーカーで設計されたものです。後年、このキルフィット社はアメリカのズーマー社に売却され、そのせいでこのレンズはキルフィット名とズーマー名があります。ただ、ズーマーの名前であるこの40mmマクロは非常に数が少ないようで、ネットを探していても情報はほとんど見つかりませんでした。
この40mmマクロレンズは、大きく2つのバージョンがあります。ひとつは一番数が多いであろう、解放値がF3.5のモデル。もう一つは今回の解放値がF2.8のモデル。また製造初期のF3.5モデルは、最短撮影距離がなんと2インチというとんでもない化け物マクロだったそうです。このマクロの性能は、ネットを色々調べてみるとまたバージョン違いが多くあるようで、一般的に流通しているものの多くは鏡胴の最短距離指標が0.1m、10cmと表記してあるものが多いですね。ちなみに私の手元にあるレンズは距離指標が0.05mまであります。5cmです。ただ、ヘリコイドはそれ以上回りますので、結局全てのレンズでマクロ性能は変わりないのかもしれません。ただ、F3.5の方がF2.8よりも寄れるようです。
また、レンズ全面に3色の丸い印が付いているものが、アポレンズ仕様だという話もありますが、印がなくても後期に製造されたモデルはアポレンズ仕様のようです。ようです…ばかりで申し訳ないですが、このレンズに関して体系的な情報が日本語でほとんど無い上に、海外のサイトでも調べる度に書いてある事が違うみたいなので、本当に…のようです。としかいいようがありません。このレンズに興味を持った方は、是非ご自分で調べてみてください。
写真家の海野先生によると、近頃は非常に安く手にはいるようになった…という話ですが、高くもないですが言う程安いレンズでもありません。また最近は相場も上昇中。元々製造数もそう多いものでもないので、興味のある方は早めに確保しておいた方がいいかもしれませんね。
ちなみに、日本ではアルパマウントばかりが流通していて、おそらく他のマウントは私のようなデジタル一眼レフに装着して使う人の手に渡ってしまっているのだと思います。もっとも、キルフィットのレンズはユニバーサルマウントなので、マウント部分さえ手に入ればネジで容易に交換できるのですが、おそらくそんなパーツはレンズ以上に見つけ出すのが困難でしょう。
注意点として、もっとも流通しているであろうM42マウント仕様の場合、後玉が割と飛び出している構造なので、EOS系のボディを使用しないとミラーにあたるとの事。もちろんフォーサーズでは全く問題ありません…と思います。少なくとも手持ちのE-1とE-410では問題ありませんでした。
また、これはこの個体のみの話かもしれませんが、微妙に無限遠が出ない気味…というか、出ているのですが、ヘリコイドガッツンの位置で無限遠か30mか…という感じです。実用上全く問題ないというか、むしろ行き過ぎなくて助かるのですが、これだけ微妙だと使用するマウントアダプタの精度には注意した方がいいかもしれませんね。
描写は素晴らしい…というか、本気で予想以上のものでした。さすがに解放は甘いけど、絞ると劇的にくっきり濃厚になります。この描写をシャープとは表現したくないな。特徴的なボケ味と相まって、とても個性的で存在感のある写真を撮る事ができます。撮影した写真については別エントリーで。
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