死刑囚の肉声
連休中に、今から50年前に録音された死刑執行の様子がラジオで放送されるみたいだね。
「死刑執行の音をラジオで放送 文化放送が5月に特別番組」:サンスポコム
このテープが存在するというのは、何年前かに読んだ本で知っていた。ただ、その本の著者も結局聞く事ができなかった…みたいな話だったと思う。
これを情報公開の流れと見るか、プライバシーの侵害と見るかは一概に言えない事ではあるが、世間の注目を浴びる放送である事は間違いないだろう。
ちなみに、かつての死刑執行は、二日前言い渡しが慣例になっていた。なので、死刑囚の人達は木曜日を超えるとホッとしたそうである。何故なら休日に死刑執行はないので。
でも、今の死刑執行の言い渡しは当日の朝である。これにも理由があって、確か暴れて不正を行おうとした死刑囚がいたからだと聞く。死刑囚が自殺したり事件を起こしたりすると、その担当者の責任が厳しく問われる事になる。それが原因で職を失ったり降格されたりする人事もあるらしい。なので混乱を防止するために当日の朝への執行言い渡しとなったという事だ。
かつて、多くの死刑囚は、死刑執行までに穏やかな性格に変化して、他人に迷惑をかけないよう静かに逝きたい…と願ったそうである。それが時代が下るとそうでもない人が多くなり、二日前の言い渡し、最後の晩餐などの慣例も行われなくなってきたそうだ。
やはり、多くの場所で、相対的に人の命が軽くなっていく世の中なのかなと思う。
死刑囚の最後の瞬間(角川文庫)/大塚公子