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▼2008年05月01日

ジュネーブモーターショーに出展した日本人デザインのクルマ

 NHKでやってます。
 申し訳ないけど、このコンセプトはロータスエリーゼと変わらない上、今でもエリーゼの方がはるかに先進的だと思う。少なくとも欲しいとは全然思わない。「欲しいと思う人だけが欲しいと思えばいい」と言われればそれまでだけど、それを言っちゃおしまいだし、憧れの対象にすらならないのはマズイのでは?

 いや、この人のね、山形でやっているプロダクトはとてもいいと思うんですよ。伝統と先進の融合…なんていうと陳腐な言葉だけど、それを実際に実行しているのはとても評価できる。

 ただなぁ…あのクルマはなぁ…。

 零戦のエントリーでも軽く触れましたけど、フェラーリのF50をデザインするのと、トヨタカローラをデザインするのってのは全く違う仕事という前提で、あえてどちらが上かと言えば、トヨタカローラの方が遙かに上だと思うよ。ワンオフ品を丁寧に作るのと、量産品をあのクオリティーで量産するのでは、全く仕事量が違うしね。
 なので、最近のメディアで「元フェラーリのデザイナー」といって持ち上げるのはどうなのかな?って気がする。すごい事だと思うけど、ある意味個人レベルの才能があれば誰でもできる事でもある(別に才能を否定している訳ではないよ、ただそういう事だと言いたいだけ)

 まあ…そんな事はどうでもいいんだけど、私が問題視するのは、あのクルマみんな欲しいと思うの?という、もっとプリミティブな衝動についてかな。少なくともエリーゼのプロトを見た時のあの興奮は全く感じなかった。ちなみに軽量といいつつ、初代エリーゼより大分重いよね。フェンダーもないのにさ。

 いや、これについてあまり文句を言うつもりはなかったんだけど、これが斬新で世界に通じるデザイナーの仕事で…という報道姿勢にはちょっと疑問かな。自分でも「世界を変えるんじゃなくて欲しい人が欲しがれば…」と言ってるけど、芸術家ではなくデザイナーを名乗る以上、実際に欲しがるかどうかは別にして、世界を変えるコンセプト、それと羨望のまなざしを受ける要素は盛り込むべきだろう。ちなみにノーペイントのコンセプトだって、実現はしていないけど、10年前くらいにアウディが示したものだし、身近な例で最近目にするものではiPodがあるかな。

 いや、誰が早いとか誰がオリジナルとか、そういうみみっちい事を言うつもりはないのですけど、少なくともテレビではそういった枝葉末節を取り上げて「斬新だ!」と持ち上げているので、あえて突っ込みを入れてみました。
 斬新なプロダクツ…というくらいなんだから、本来はそういう理屈が先行するものではダメなのではないかな…なんてちょっと辛口な事を思ったりします。

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