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▼2008年08月15日

空戦エネルギー

ヲタ

 先のエントリーで「まずは上昇して高度を稼ぐ方式のミサイルもある」と書いた。ミサイルの場合は燃焼後に慣性で飛ぶので、高度の高さはそのまま滞空時間の増大につながるのだが、他にも「空戦エネルギー」が増えるというメリットがある。
 
 空戦エネルギーとは、空中戦を行う際の位置エネルギーと速度を表す概念。簡単には水平速度と高度の総和が大きければ大きいほど空戦エネルギーが高く、有利となる。この概念がいつから語られるようになったのかは知らないが、おそらく第二次大戦の頃からではないだろうか。それ以前の空中戦は、高高度と速度よりも、水平旋回性能を伴う格闘線が重視されていた節がある。もちろん、格闘線においても空戦エネルギーの概念は重要な訳なのだが。
 
 所有している空戦エネルギーは、まず降下すると下がる。そして旋回して速度が下がると下がる(航空機は旋回を行うと速度が下がります)。さらにエアブレーキなどを用いて速度を下げると当然下がる。下がりきった空戦エネルギーは、早急に回復させないと、航空機の起動オプションがどんどん減ってしまう。現在のエンジンの推力が自重を上回っているような主力戦闘機ならいざ知らず、普通の機体は速度が下がると上昇が出来ない。あるいは無理して上昇すると途中で失速(機体から揚力がなくなる事。ただ落ちる事とはちょっと意味が違う)する。また、旋回をしてもさらに速度が落ちて失速しやすくなる。つまり、自由な起動がどんどん出来なくなってしまう。
 そんなとき、速度がなくても余分に高度があれば、機体を降下させることで速度は回復できる。つまり位置エネルギーを速度に変換できる。逆に十分な速度があれば、その速度を使って上昇し、位置エネルギーを確保できる。この高度を速度に、速度を高度に変換した状態では、両者の空戦エネルギーは変わっていない事になる。
 
 航空機同士の格闘線では、機体の性能差を無視すれば、この空戦エネルギーが大きい方が勝つといわれている。
 
 どんな航空機でも、加速と上昇は可能な訳で、最大速度と最大上昇高度の性能差を除けば、等しく空戦エネルギーを貯めることが出来る。そして空戦では、如何に短い時間で必要な空戦エネルギーを消費できるか、そして如何に短い時間で失った空戦エネルギーを回復できるかが、勝敗を左右するポイントになる。

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コメント

ぼー度ゲームの Air War を思い出すキーワードの連続。そしてその根幹がエネルギー。バレルロールにインメルマンターン!
タイガーシャークかスカイホーク,ドラケンと、愛機はどこからどー見てもエリパチ読者でした。

Air War、超懐かしいッス。
A-10の機関銃の強力さに笑ってましたけど(笑)。
あと、MIG-25のまがならさにも呆れました。

あのデータカードだけでも貴重な資料でしたよね。

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