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▼2008年10月07日

山の雨具について

 「町内の山」というサイトを見つけて、ここの山道具に関する考察がとても濃くて面白かった。特にレインウェアやゴアについての話は、私も色々あるので語らせてもらおう。

 山に入って雨に降られたらどうするか?まさか「傘をさす」と答える人は少ないだろうが(もっとも傘はかなり役に立つので、登山時の雨具として積極的に携行すべきかも)、普通はいわゆるカッパなどの「雨具」を着用する事になる。

 この雨具というのがなかなかくせ者で、私が山に登り始めた20代の頃など、雨具に金を使うのが惜しい…というか、正直雨具にまで金が回らなかったので、セブンイレブンなどで売っている携帯雨具をもって歩いていた。これがまたひどいモノで…実際やってみるとわかるが、確かに雨は防げるのだが、縫製の隙間やボタン、首回りから雨がだだ漏れな上に、通気性も皆無なので10分も歩くと雨具の中は自分の汗でびっしょりになる。夏などはただでさえ暑いのでじっとしているだけでも汗だくになるのだが、秋や冬など暑さを感じない時期でも汗でびっしょりになるため、人間の体というのは実にたくさんの水蒸気を発散させているモノだと感心した位である。

 で、これではダメだと思って手に入れたのが、安いゴアの本当に雨合羽みたいなモノ。いわゆるジャケットタイプで上下セパレートの「雨具」は、20代の給料ではとても買えず、一応名前だけは「ゴアテックス」と書いてある雨合羽風レインコートを買ってみた。で、この雨合羽を実践投入してみると、確かにこれは世界が違った。確かに汗をかけば中はぬれるけど、いわゆる「蒸れる」という感覚はあまりなくなった。それでも登山道を激しく上ると蒸れたりはしたが、適当に平坦な場所を歩いていると、知らない間に蒸れが収まる感じだった。正直これでいいやと思って、何度か使っていたのだが、元々裂けやすいゴアテックス。知らない間に破けてしまい破棄処分になってしまった。

 で、次に使い始めたのが、ゴアどころか、登山用品ですらない紫のパーカージャケット。もちろん防水性とかそういうのは全くないのだが、実はこのパーカーに撥水スプレーをかけて使っていたのが結構いい塩梅。雨具じゃないので普通に使えるし、着心地は当然いいし、そもそも「雨の南アルプスの稜線上を…」などという登山をするのでなければ、むしろこういうものでも十分に役に立つ。大体中身が蒸れないし、汗もきちんと吸ってくれるし、一般的な登山で「雨が降ったから早々に引き上げよう」という用途なら、中まで雨が染みる前に屋根のある場所までたどりつけた。
 あまり無責任な事は言いたくないが、そんなにハードな登山をしないのなら、ゴアの雨具を買う予算でちょっといいジャケットを買った方が使い回しも利いていいと思う。

 ちなみに下半身に関しては、私の場合ほとんど雨具を着用した事がない。実際上半身の雨具があって、レインスパッツを装着し、パンツに速乾性のナイロン生地(いわゆるださジャージなど)を着用している限り、下半身がぬれて困ったという状況には遭遇していない。むしろレインパンツを履いたために汗だくになって不快な気分になった事ならあるが、これは透湿素材をつかったレインパンツなら状況が違っていたかも。もちろん、これは自分が登る山と状況を考えた上での選択なので、たとえば下から雨が吹き上げる富士山登山や、アルプス稜線縦走などを行う際などは、各自考えてほしい。私も考えるが。

 で、最近になって、苗場山麓の赤湯温泉に行った帰り道に結構な雨にたたられ、それでも山に入っているときは普通のジャケットで問題なかったのだが、同行した人達がほとんどがゴアの雨具を着用していたのを見て、私も久しぶりにゴアのジャケットが欲しくなった。折しも最近私がご贔屓にしているマーガレットハウエルからゴアテックスのジャケットが発売されていたので、思わず購入。

 この製品については、後ほど別エントリーで語るかな。とりあえず続く…。

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