風花/川上弘美
本当は「真鶴」という小説を読もうと思っていたのだ。何故なら、正月に暗い真鶴半島の根元を通り過ぎた時にそう思ったから。
でも、本屋さんには「真鶴」が置いてなくて、また他の日に他の本屋さんで買おうと思ったけど、棚にあったこの本を見て、主人公の「のゆり」という響きが何か気に入って買ってしまった。
「でも、悪口をいう女って、ほんとうは、色っぽいんじゃないかな。」
私もそうかもしれないと思った。
多分、男もそうなんじゃないかな、とも思う。
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本当は「真鶴」という小説を読もうと思っていたのだ。何故なら、正月に暗い真鶴半島の根元を通り過ぎた時にそう思ったから。
でも、本屋さんには「真鶴」が置いてなくて、また他の日に他の本屋さんで買おうと思ったけど、棚にあったこの本を見て、主人公の「のゆり」という響きが何か気に入って買ってしまった。
「でも、悪口をいう女って、ほんとうは、色っぽいんじゃないかな。」
私もそうかもしれないと思った。
多分、男もそうなんじゃないかな、とも思う。