新車導入しました。イタリアの通好みブランド、CASATIのVINCIです。
ロードレーサーは、20台前半に隣町のショップで採寸して組んでもらったオーダーレーサーがあるのですが、105デュアルコントロールレバーの破損、パンクによる衝撃でホイールがゆがむなど、割と満身創痍状態。修復の見積もりを軽く自分で概算すると10万円くらいになりそうなので、なかなか修復の決断ができませんでした。で、どうせなら新車買ってしまおうかと思って、2008年モデルのバーゲン品を狙いました。このモデル…あんまり人気がないのか、というかCASATIなんてメーカー、イタリアンコルサのマニアじゃないと知らないよね。
ちなみにお値段は安目の完成車ですが、某大手イタリアンコルサ達と違って正真正銘メイド・イン・イタリアだとの事。もちろんカーボンフォークなどは台湾への外注でしょうが、フレームはイタリアの工房で組み立てているそうだよ。また、アッセンブルされているパーツもほとんどイタリア製。コンポはカンパニョロのミラージュとなります。
ショップに在庫していたサイズは47。ショップの人に聞いたら「47だから大体身長160cm~165cmの人に適合しますね…」なんて適当な事を言われたけど、フレームがホリゾンタルじゃなくてスローピングなんだからそんな事はありえんだろう。またがってみたけど明らかにフレームは大きい。で、一度ショップを後にして本国のサイトでフレームのスケルトンを確認してみたら、換算トップチューブ長は55cm。つまり175cm~180cm位の人に適合するサイズ。つか、店員の話を鵜呑みにして買ってしまったおチビちゃんがいない事を祈ります。
でも、私的にはこのサイズ気に入った。というのも、かつて組んでもらったロードレーサーのトップチューブが53cmで若干窮屈な気がしていたのに対し、普段乗っているフクイクはホリゾンタル換算のトップチューブ長が55cm。つまりフクイクのスケルトンに近い。何となくトップチューブの傾きも似ている気がします。
もちろん、コレはあくまでも好みなので、私の身長170cmに対してトップチューブ長は53cmがベストサイズだという事を忘れずに。
ということで、再びショップに戻って「アレ買いますよ」とご購入。念のため「サイズ47だけど私の身長で大丈夫ですかね?」と聞いてみたら、メジャーでトップチューブを測って「ここの長さが50cm以上ありますからサイズ47でも大丈夫じゃないでしょうか?」だってさ。ちなみに制服には「自転車のサイズはこだわります」なんていうバッチがついていたのですが…。ま、どうでもいいけど。
調整後の納車なので、注文後一週間。その間にMGFがぶっ壊れたりとヒヤヒヤな日々を過ごしていたのですが、昨日ようやく納車となりました。
で、納車後家まで乗車して帰ってきて、真っ先に行ったのがフロントディレーラーの取り外しと再装着(笑)。本当に納車前調整したのかなぁ。カンパのコンポいじるのは初だったんだけど、とりあえず及第のレベルには落ち着かせる事ができました。本当はリアディレーラーも調整したいのですが、こちらは今のところなんとか実用には耐えているので、もう少し我慢します。どうせしばらくすればワイヤーが伸びるから再調整必要になるし、初めのうちにあちこちいじると訳わかんなくなるしね。ただ、ブレーキについてはきちんと調整されていたので、まぁ良しとしましょう。
で、自分による再調整の後ポジション出し。まず、非常に適当に調整されていたサドルの高さ(適当にまたがっている私を見て「こんなもんですよね」といって高さを決めてくれた)を見直し。股下長を採寸して、それを公式に当てはめて、BBセンターからサドル上面までを67cmの高さに調整します。そして試走。久しぶりのロードレーサーに慣れていないのか、クランク下死点で力が入れられない気がして、1cm下げ66cmへ。その後サドルを若干前傾へ変更。これでサドル先端からBBまでの高さは更に1cm程度下がる事となりますが、逆にお尻側は1cm程度上がることに。実際サドルに腰をかけると、体の重さで若干サドルが後傾へしなるので丁度いいのではないかと。と、やや…ほんの少し前傾にするのが私流。もっとも基本は水平ですよ。
ハンドルは、7mm程度のコラムスペーサーが3枚付属していて、そのうち2枚がステム下に入っていたので、まず1枚上に移し、その後全て上に移してしまいました。最大前傾状態ですね。この状態でサドルからハンドルまでの高さはー5cm位かな。大雑把にしか計っていないので判らないけどさ(写真は調整前の状態)。
面白いのは、それらのセッティングが終わって、今まで乗っていたフクイクに並べてみると、サドルの高さとハンドルの高さがほぼ一致した事。もちろんドロップハンドルとストレートハンドルの差があるので、トップを掴む以外では、実際にハンドルを握る場所は数センチVINCIの方が前になるのですが、それにしても面白いものです。
で、セッティングを無事に済ませ、本日は軽く様子見で都内方面を流してみます。朝の都内を軽く流した後、皇居で開催されているパレスサイクルに参加して、適当に数周皇居前を走った後、都内のYでサイクルメーターを買って装着して、その後は荒川サイクリングロードから彩湖へ行き、彩湖を数周回って家に帰ってきた。メーター装着後の走行距離は約60kmだったので、本日の走行距離はおおよそ90km程度ではないかと。
これだけの距離を走って実感したのは、まず尻が痛い…(笑)だけでなく、ロードに乗るポジションがまだまだ出来ていないというか、すっかり忘れたというか、そんな気がしました。特にMTBやブロンプトンと違い、腕にかかる体重の割合が大きいロードレーサーは、やはり普段鍛えられていなかった上半身の筋肉も結構使う。自慢じゃないが私はこの世に生まれて懸垂が一度たりとも出来た事がない人間です。上半身の力不足をつくづく実感。それと…お尻については、新しいサドルに慣れるまでは仕方ないでしょう。ある程度乗ってみて改善しないようなら考えます。ちなみに私の場合、何故かレーパン履くと余計お尻が痛くなる事が多いような気がする。
で、CASATI VINCIについての乗車インプレですが、アルミ角材でがちがちに固めたメインフレームに、カーボンフォークとカーボンリアステイで適度なしなやかさを演出しているという感じでしょうか。実際乗ってみると、堅さに関しては私がかつて乗っていたロードレーサーよりもしなやかです。ただ、パワーが逃げるようなしなやかさではなく、良好な運動性に寄与している気がします。実際コーナリング性は非常に優秀です。パレスサイクルの折り返し地点でも、同じペースで走っている別なレーサーよりも、確実に内側を回る事が出来ます。フクイクよりも曲がりやすいですね。あと、軽い上り坂でも力が逃げずにぐんぐん前に出る感覚があります。なかなか面白いフレームです。カタログ重量は9.5kgと、近頃のコルサにしてはずいぶん重い車体ですが、遅い感じはしません。ただ、重さがもたらす安定性は感じます。この辺はタイムを計って走り始めると、やっぱり重さが気になる…なんて結果になるのかもしれませんが、感覚としては非常に乗りやすいコーナリングマシンだという印象です。
もっとも、私は最近のロードレーサーについてそんなに知ってるわけじゃないので、詳しい人に語らせるとまた別な印象になるかもしれませんが。
もう一つのインプレ、カンパニョロのミラージュについて。このミラージュは、コンポのランキングから言うと、シマノで言う「ソラ」に相当しますが、カンパのコンポはシマノ程上下の性能差がありません。また前年度のモデルが翌年下位モデルに下がってくるという基本思想なので、例えばセカンドモデルのコーラスは、前年のレコード…みたいな感じ。
もっとも最近はこの現象が一部逆転したりして、私が今回使っている去年モデルのミラージュは、一部が今年のヴェローチェに上がっているみたい…。とにかく、カタログ順で言えばソラに相当しますが、実際のミラージュはパーツの価格が手頃なのでサンデーレーサーに使われる事も多いそうです。また、店頭で比較しても明らかに「ソラ」のまったりイメージとは違うコンポという印象です。
で、性能はどうなのよ…というと、正直比較しにくいです。誰にでも判りやすい性能差として、変速の確実性というか、カチッと素早くシフトチェンジが出来るのは、明らかにシマノです。105位になるとかなりカッチリバッチリ気持ちよい変速をしてくれます。それに比べるとミラージュはちょっと「ぐにょ」っとした感触。調べると、これはカンパ全体の特色みたいですね。悪く言えばインデックスの位置決めが適当。良くいえばインデックスが適当なので、乗車中に適当にディレーラー位置を微調整できます。実際「お、ちょっとラインずれてるかな?」なんて時も、ちょっとレバーをひねるとディレーラー適当な位置に調整できたりと、なんだかインデックスシステム以前のディレーラーの面影を残している気がします。もちろん、カンパだって通常使用時にはレバーとボタンでバッチリ変速できますよ。ただ、ミラージュのフロントディレーラーを調整していた際、コレがシマノだったら、絶対にインデックスとディレーラーの動き、ストロークをバッチリ調整しないと気が済まないのに対し、カンパだと「ま、変速時にちょっとレバーの引き加減を自分で加減すればいいか」などと、ちょっとアバウトな調整でもいっか…なんて気持ちになります。もっとも、たかがディレーラー1カ所の調整でこんな偉そうにカンパを語っていいのか?なんて気がしますが(笑)、雰囲気的にはそんな感じです。
私が思うにカンパがシマノに勝っている部分、それはエルゴパワーの形状にあります。というか、シマノのあのデュアルコントロールレバー、みんなアレで納得しているのでしょうか。私は昔の105から違和感を感じていたのですが、近頃のDURAレバーはもうダメです。それでも与えられればそれなりに使うのでしょうが、手のサイズが小さい私にとって、レバー上面を握っている状態できちんとブレーキを引く事が出来ません。どうも力が入らないというか、昔の105では、結局強目のブレーキング時には握り直していました。
それに比べるとカンパのエルゴパワーはいい形状しています。レバー全体を握り込みやすく、引き手が使いやすい。また、ブレーキレバーはブレーキのみの機能なので、ブレーキング時にレバーがぶれる事もなく、剛性感というかブレーキを握っているんだという信頼感があります。
逆にシマノのデュアルコントロールレバーは年々変な形になっていく気がしますが、そろそろ手が小さい人、または女性には辛い形状になっているのではないでしょうか。また、握り位置がエルゴパワーよりも実質数センチ前になるのも気になりますが、これは体格とフレームによってメリットでもデメリットでもあるので何とも言えないかな。
変速のしやすさについては、どっちが上というより、コレは慣れでしょうね。強いて言えば下ハンドルを握った際シフトアップしやすいのがカンパ。シフトダウンとアップが同じ線上にあるので、レバー上を握っている限りは中指と薬指で全てが操作できるシマノ。どっちがいいとも言えないし、どっちだって慣れれば使えると思います。
と、今日の所はキリがないのでここまで。次回はまったり走行ではなく、サイクリングロードなどでの乗車インプレなどを書いてみたいと思いますが、とりあえず体を作り込まねば…なんて思ったりしています。
現時点では、きっとフクイクやブロンプトンの方が体を痛めず長距離を走れてしまう気がしますので(笑)。
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