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▼2009年06月03日

日本の山は死んでいるのか?

 山形県の地滑りに関連して、日本の林業についての警鐘をテレビでやってます。そのテレビが言うには「日本の山林の殆どは放置同然で管理されていない」とのこと。

 え…本当ですか?

 こういう話って、歴史書を読んでも何も触れられていないんだけど、例えば民俗学の本、あるいは景観学の歴史似関する本、または地域経済の歴史を分析した地方出版の書籍を読む限りでは、戦前の日本の山林は「はげ山」が非常に多く、特に雨が少ない瀬戸内海…あるいは、木材の搬出が楽な都市部に比較的近い地域の山林については、殆どはげ山同様だったのが、戦後の林業政策により、多くの場所で植生を回復しつつある…なんて風な話を何カ所から読んだ気がするんだけど。

 もちろん、戦前に比べて原生林は減っていると思います。でも、今の林業…は衰退しているのは間違いないとしても、今の日本の山林って、放置状態なのかと言われると、少なくとも私が今まで色々な場所で仕入れてきた知識では、そんな事はないと反論します。

 今…というか、今起きている局所的な問題を、日本全体の結果ありきの問題点として報道してしまう、この基本的知性の足りなさは、例えそれが確信犯だとしても、ちょっと容認できないと思う。
 この問題を報道しているスタッフは、日本の山林が衰退しているというデータを、ここ10年程度の局所データではなく(山林にとって10年なんて期間では短すぎる)、もっと長期的な視野で、きちんと分析したデータに基づいて「日本の山林は放置状態」と言っているのか。

 今の山林を、今現在の状況において問題視するという姿勢は間違っていないと思うが、それを「かつてない程に…」なんて、さりげなく過去の捏造につながりかねないスタンスの発言は、本当に慎むべきだろうと思うが、そもそもそんな問題意識すら思いつかないんだろうな。日々の業務を回すことだけに精一杯で。

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コメント

私もその番組を見たけど、「はぁ?」とあきれてしまいました。
花粉症の原因が、杉の植林が原因と報道する一方で、日本中の山が禿山と報道する。

それよりも、今の林業も農業と一緒で後継者不足で、手入れされていない山が問題なのでは?
定期的に細かい枝を切り落とさないと山火事の原因になったりするしね。

騙されないように気をつけましょうね。(笑)

後継者不足の問題は大きいですよね。
でも、禿げ山よりはいいかも…(笑)。

いずれにせよあの番組…日本の農業や林業の現状を憂いたいというだけで、
何を問題としているのかさっぱり分からない番組でした。

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