オーディオテクニカ AT-PHA30i
近頃のオーディオテクニカって、急にセンスが良くなってきたのではないか。
ちょっと前までここの製品というと、なんだか解像度はそこそこだけど、キンキンドンドンして、イマイチ音楽を楽しめるって製品が無かったのだが、ここ1~2年位は、音楽に“コシ”を感じて楽しめる製品が増えてきたように思う。
特に半年位前にリリースされたポータブル用ヘッドホンATH-ES10はかなりいい製品でセンスある音を出す。手持ちのATH-ESW10JPNと被るので、さすがに購入はしていないが、あぶく銭でも手には入ったら買ってしまいそう。で、ヘッドホンはさておき、今回買ったのがこの「AT-PHA30i」というヘッドホンアンプ。中古で購入した。
実は昨日、ちょうど秋葉原のヨドバシカメラで、この製品を試聴していた。購入を検討していた訳ではなく、何となくの好奇心から…。しかし、聴いてみると意外としっかりとした再生音で、更に聴いていてなかなか楽しい。iPhoneへ接続すると物理的なリモコンにもなるしいいなぁ…と思った。ただ、9,800円という価格がちょっと割高な気がして、半額位にならないもんかな?とも感じていた。
で、本日中野で開催されていた「ヘッドホン祭2010」の帰りに、フジヤエービックに寄ってみると、キズあり中古品が4,000円で出ていて、即決(笑)。丁度いいタイミングだな、おい。
音については、この価格ではあるので過剰な期待は禁物だが、割と弾む感じの低音が気持ちいい。解像度が上がるというより、音の分離、テンポが強調されるという感じか。なかなか悪くない。あと、当然ながら物理的リモコンとして使えるのは便利。iPhoneって、内蔵iPodで音楽聴いてると、曲の早送りや一時停止が意外と面倒。私なんて一時停止したいときは、ヘッドホンを端子から引っこ抜いて止めてるし(引っこ抜くと自動で一時停止状態になる)。
とにかくこのAT-PHA30i、音質向上の効果もあるが、どちらかというとiPodの音を楽しく演出してくれる…みたいな効能が私としては気に入った。こういうのは、開発者にちょっとしたセンスがないと、なかなか製品としてまとまらないんだよね。iQubeと違って気軽に使えるのもいい。
iPhoneでの使用の際は、写真のように警告が出るが、無視していればダイアログは消えるし、また「いいえ」を選択してもいい。いずれにせよ、使用には全く問題はない。
昨今のPCオーディオとiPodブーム、それに伴うヘッドホン市場の盛り上がりは、以前は脇役であったヘッドホン・イヤホン・ヘッドホンアンプ等に脚光を浴びさせるきっかけにもなっている。そんな中、国産メーカーの製品が良くなっていくのは、日本人として素直に嬉しい。これからのオーディオテクニカには期待してます、ハイ。