15分あれば喫茶店に入りなさい/斉藤 孝
普段ビジネス書は殆ど読まないし。特にこの「○○なさい」系の本はあまり好きになれないので読まないのですが、この本についてはつい「あ…普段自分がやっていることに近いかな」と思って買ってしまいました。
かくいう私も、最近仕事での外出が増え、待ち合わせ時間がずれたり余ったり、あるいは約束場所に、時間よりも少し早めに着いてしまったときは、遠慮なく喫茶店…というか、今風にはカフェですね…に入ります。本書の通り15分時間があれば入ってますね。そこでコーヒーを飲みながら、MacBookProでメールの確認や、訪問先についての情報収集。その必要がないときはネットサーフィンや、場合によってはこのブログを更新していることもあります。
また、それ以外でも、休日に仕事をしなければならないときは、家で仕事をせず、積極的にカフェへと出かけます。仕事をする場所としては、スターバックスがいいですね。大体2時間前後仕事をしてから、気分転換に一度お店を出て、しばらくしてまた別な店舗に入るという状況です。ちなみにスタバだと、レシートを持参すれば、当日に限り、違う店舗だとしても、2杯目のコーヒーが100円で飲めますのでとても便利です。ある程度仕事がたまっているときには、一日に数回スタバをはしごするという事もあります。
何故スタバで仕事をするの?と思う方がいるかもしれませんが、これは本書でも書かれているとおり、ズバリ「自宅だと仕事がはかどらない」からです。自宅には自宅というだけあって、自分が好きなもの、仕事に関係ないもの、時間を潰すものなどが溢れています。それらの誘惑を断ち切って、仕事を始めるモードに切り替えるためには、やはりある程度時間がかかるものです。それなら…仕事以外の事がほぼできない自室外に移動してしまえばいい…。本書の著者がカフェで仕事をするのと、ほぼ同じ動機で私もカフェで仕事をすることが多いです。
特に新規の企画を考える場所として、休日…特に午前中のカフェは非常に適した場所だと思います。休日の午前中という高揚感と、カフェという開かれた場所での緊張感と自由な雰囲気が混じり合ったあのココロの状態が、新しいことを考え出すのに適しているんでしょうね。そうやって、早起きしてカフェで一仕事をこなした日は、結果として午後も有意義に遊んだりして過ごせることが多いと思います。逆に午前中ダラダラと布団の中で過ごしてしまった休日の午後は、例え遊びだろうと、何となく身の入り方に差が出るような気がしますね。
つことで、カフェで仕事をする快感を経験したい人に本書はおすすめです…と言いたいのですが、一つだけ反対意見を書いてみます。
この「斉藤 孝」という著者は、電車の中もオフィス化して色々やるべきと提言していますが、私としては、そこについては正直微妙です。本書の中で「電車の中でiPodで音楽を聴いている人は仕事ができない人…」なんて言っていますが、私からすると、特急列車みたいな環境ならともかく、普段の電車の中で仕事の資料をチェックしていたり、電車の中で英会話テープを必死で聴いている人の方が、仕事時間とその他の切り分けができない、だらしない人間という印象を持ちます。
以前、軍事関係の本で読んだことがあるのですが、「優秀な兵士は、少しでも時間があれば穴を掘って眠ろうとする」とありました。私の場合も、かなり意識して、電車の中では仕事をしませんし、仕事のことも考えませんし、iPodで音楽を聴くか、あるいは可能な限り眠ろうと努めています。電車内の読書については、確かに意外と集中できる…という効能について理解はしますが、それでも仕事をしている日は、可能な限り睡眠時間に充てます。それこそ、乗車時間が15分どころか5分でもです。
この手のビジネス書で良くある基本姿勢として、空いた時間を有効に…などと書いてあることが多いですが、本当に空いた時間は、例え昼間であっても、可能な限り休息時間に充てた方が、仕事の集中力に良い傾向があると私は思っています。いい加減「24時間戦えますか?」みたいなコンセプトの失敗は認めるべきでしょう…という点が、本書を読んでいて唯一気になった点でしょうか。