乙女の港/川端康成
豪華2冊セットで、1冊は昭和13年に発行された単行本を、中原純一装丁まで再現した復刻版。もう1冊は、文章を全て現代語訳して、更に「少女の友」に連載されていた当時に掲載されていた中原純一のイラストを挿絵を全て収録した新版となります。お値段4,500円はチと高いですが、内容と川端康成フリークなら納得できる価格かと…。
ちなみに内容は、横浜の女子ミッション系スクールで繰り広げられる乙女同士の愛…。ちなみにこういう関係を「エス」って言うんですって。エスっていふのはね、シスタア、姉妹の略よ。頭文字を使っているの。上級生と下級生が仲良しになると、さう云うって、騒がれるのよ。
現代語訳の方も読みやすいですが、ここは絶対に当時の復刻版から読むべきです。醸し出される上品さがもう全然違います。なんつーか、川端康成ってのは、稀代の変態だなとつくずく実感できます。いい意味でも悪い意味でも…つか、悪い意味の方が少し多目で(笑)。
こんな高い本買ってらんねーよ、という人は、地元の図書館で川端康成全集の20巻を探しましょう。今ではこのお話、全集とこの復刻版でしか読めないと思います。
OLYMPUS XZ-1
完本 乙女の港(少女の友コレクション)/川端康成・中原淳一