連休も無事終わり、皆様日々の労働に励んでいらっしゃる昨今でしょうが、比較的天気に恵まれた今回のゴールデンウィーク、普段乗り慣れていない自転車で出かけた人も多かったらしく、何故か連休中だけで「自転車に乗るとお尻が痛くなるんだけど…」という相談を4人から受けました。
まー、そのときは「慣れだよ慣れ」みたいにテキトーな返答をしていたと思うのですが、自転車趣味を始めるにあたり、まず初めに遭遇するであろう障害のひとつがこの「お尻の痛み」だと思うので、ちょっとだけ解説してみましょう。ちなみに、当然ながらスポーツ自転車限定の話となりますのであしからず。
以上(笑)。
以上なんですが、これじゃあんまりなので、もすこし補足します。
まず、お尻が痛くなるという事は、自転車を趣味とする以上、ある程度はずっと付き合っていかなければならない問題だと認識して下さい。どんなにベテランでも、一日に数百キロとか走るようになれば、当然お尻にも負担がきます(そうでない人はいるみたいですが)。ただ、普段のツーリングで、お尻の痛みを気にならない程度に押さえる事は可能です。
簡単なのは、金にものを言わせて自分に合う理想のサドル探しの旅に出る事なんですが、サドルに関しては、例え仲間の自転車で試乗させてもらっても、実際に自分で購入して、自分の自転車に装着して、ポジション出しをして、長い間乗ってみないと何ともいえません。
例えば10km乗ると急に激痛が走るサドルというのもありますし、不思議なようですが10km乗ると痛みが消えるサドルというのも、例は少ないですが存在します。
サドルに関しては、個人差が非常に大きく、他人の評判は本当に参考程度にしかなりません。また、座面が柔らかいサドルだとお尻が痛くならないという事もありませんし、ガチガチに座面が堅いサドルでも、自分に合えば極楽な乗り心地を提供してくれる場合もあります。
そのため、マニアは金にものを言わせ、サドルをじゃんじゃん買っては、気に入らないサドルをヤフオクで処分するというのを繰り返す傾向がありますが、これもまた問題解決のひとつの方法でしょう。
ただ、その際注意したいのが、上記のイラストにあるような、サドルの使い方の基本をマスターする事。初心者で一番多いパターンが、イラストにもありますが、腰骨を前のめりに倒したままサドルに腰をかけて、結果サドルの前半分に股だけで乗っているというパターン。これではどんなに優秀なサドルを使っても、必ずお尻というか、お股は痛くなります。そりゃそうですよね。棒にまたがっているようなものですから。
正しい乗り方は、イラストの下にあるように、腰骨をしっかり立てて、お尻全体でサドルに接する事です。この乗り方はお尻にやさしいだけでなく、ペダリングの際に足が正しく回るようになり、ペダル自体にも体重の一部が分散するようになります。また、腕から上半身を効率的に使える姿勢になりますので、こちらからもサドルにかかる荷重が少なくなり、また、速く走る際も上半身の力を効果的に使えるようになりますので、有利です。
難点は、この乗車姿勢になれるまでは、ちょっとだけ腰や腕が痛くなるかも…って事くらいかな。しかし、正しい姿勢を意識して、正しいサイズの自転車に乗っていれば、人にもよりますが、1日あれば慣れるレベルだと思います。
もう一つの解決法は…ガタガタ文句言わずに、とにかくしばらくはケツの痛みに我慢して自転車に乗ってみろ!っつー事ですかね。テクニックやコツというのは確かにありますが、それもやはり「自転車に慣れる」事は大前提です。慣れりゃそのうち、痛みも快感に変わってくるかも…。
お尻の痛みに躊躇して、自転車にあまり乗らない人。もったいないので、上記のコツを踏まえつつ、もう少し我慢して自転車に乗り続けてみては如何でしょうか。自転車で長距離ツーリングができるようになると、本当に新たな世界が広がりますよ。