「ダムダムダムダムダァ〜〜〜!!!」というジョジョ風な声と共に、ダムな方達4人(いのうえさん、にしだやさん、もこさん、ワシ)で、長野県の高瀬ダムに行ってきました。
一枚目の写真は、高瀬渓谷四天王の1つ、大町ダムと闘う、シトロエン・エグザンティアです。
長野県大町市を流れる「高瀬川」水系には、大きなダムが3つあります。特に3つ目の「高瀬ダム」については、日本で黒部ダムに次ぎ、第二位の高さを誇る大型ダムで、ロックフィル式ダムとしては日本一の高さを誇ります。
しかし、自家用車で直接ダムまで行くことが出来ない事と、やはりダム高が第二位という位置に甘んじているせいか、黒部ダムに比べて全く知名度がありません。やはり二位じゃいけないんですね、この高瀬ダムの現状を蓮舫に見せてあげたい。
つことで、私達4人衆は、まさにダム銀座といってもいいこの高瀬川を遡上し、流域ダムの全てを露わにすべく、正義のために立ち上がりました!ダムダムダムダムダァ〜〜〜!!!
まず、第一の関門は「大町ダム」。
高さ107mの重力式コンクリート式で、国土交通省直轄ダムです。このダムの特徴は、本エントリ1枚目の写真にもあるとおり、横に長い…というか、下流に向かって左手がヤケに長い…という事でしょうか。おおよそ一般的な重量式コンクリートダムでは、放水口や管理棟がダム中央付近にある事が多いので、ちょっと異質な感じもします。キャラ的には「異形を放つ第1の四天王」ですかね。
こちらのダムは、大町市内の一部からも直接その姿を見ることが出来、市民達に無言のプレッシャーを与え続けています(実際タクシーの運転手さんも「あのダム決壊したら大町はもちろん松本から長野まで水浸しだ」と恐れおののいていました)。というのはウソで、大町市民を水害から守っているんだよ。
第二の四天王、七倉ダムは、時間の都合もあり省略。帰り道でついでに倒せばいいやということで、上へと向かいます。ちなみに、七倉ダムより上流へは、私達自慢のハイドロカーでは上がることが出来ません。ここから先は一般自家用車の立ち入りが規制されていますので、駐車場に車を駐めて、タクシーへと乗り換えます。料金は一律で片道2,100円。このタクシーの運転手さんが、困ったギャグを連発する上に、元微生物関係の研究所職員というカオスな方で、ま、お話しは面白かったんですけどね。
ということで、アッサリと最強の四天王の1人「高瀬ダム」に着いてしまいましたw。こちらが、日本で第二位の高さを誇る、高瀬川水系最強のボスとなります。キャラ的には「よくここまできた、しかしコレで終わりだ」とか言っちゃうタイプでしょうか。
写真では近づきすぎてなんだか迫力に欠けるのですが、これはロックフィル式ダム故の特徴です。ダム本体が比較的下流側に緩やかな傾斜になるため、数字程巨大に見えないのが残念。
しかし、このダムの面白い所は、ダム本体の上につづら折りの車道が整備されており、ダム本体の上を登る…という、日本一の黒四ダムでも楽しめない特異な体験ができることにあります。
こちらの管轄は我らが東京電力様。ダム本体の高さは176m、ウソかホントかわかりませんが、関東大震災級1.5倍の地震が来てもビクともしないそうです。でも、関東大震災M7.9が、8.9になると、計算上地震の規模は32倍になりますので、東日本大震災級だと崩壊してしまう…ってことになりますが、おそらく計算方法が違うんでしょうね(笑)。
さて、ここで四天王のうち2人を制圧しました。ここから先の湯俣温泉→噴湯丘ハイキングはまた別エントリを立てることとして、往路ですっ飛ばしてきた第二の四天王「七倉ダム」を紹介しておきましょうか。
こちらも管轄は東京電力となります。というか、上流の高瀬ダムとセットで揚水発電も行っているかしこいダムです。キャラ的には、最強ボス手前に出てくる「ククク…俺に手間取っているようではこの先には進めん」ってタイプですね。
高瀬ダムがあるのでますます地味な印象ですが、高さも125mと、他の地域なら充分ラスボスでタメ張れるだけの実力があります。ただ、ロックフィル式なので、あまり高さは実感しにくいですね。
復路でちゃちゃっと成敗してきただけなので登りませんでしたが、下流に向かって左側にある放水路横にある階段で、上まで上れるみたいです。というか、通行止めの看板もクサリもなかったので、むしろそのまま登っていいの?と思いましたけど。
ダムの下には、無駄に広い駐車スペースというか広場があり、その辺も逆にプレミアム感が欠けるというか、高瀬ダム水系でもっとも地味な第二の四天王でした。
ちょっとまて!四天王といいながら、ダム3つしかないじゃん!とお思いの方もいらっしゃると思いますが、ダムダムダムダムダァ〜〜〜!!!ちゃんと四人目は存在するぅぅぅぅぅぅ!!!
つことで、高瀬ダムからタクシーを降りて、上流に歩くこと3時間。湯俣温泉晴嵐荘のちょっと上流にこのようなダムがありました。名前は不明。何ちゃら砂防堰…みたいなプレートくらいあるだろうと探してみたのですが、結局名前はわかりませんでした。
こちらダムの近くには「放水するかもしれないからサイレン鳴ったら生きることをあきらめろ!」(実際はサイレン鳴ったら川から離れてね)という立て看板が立っており、地味にイヤな感じのラスボスです。
下流3つのダムとは違い、清流にもかかわらずドス黒い水をたたえており(コレはホント!詳しくは別エントリで)、小型ながらも、最後の四天王的な風格を秘めております。キャラとしては当然ながら「影のラスボス(弱い)」かな。
よく観察すると、写真右側の堤防は、昨日作られたのかと思う位真新しいコンクリートですが、写真左側の放水路と、その管理棟は、結構歴史を感じる作りで、またその上に乗っている管理棟は、柱以外の壁がプラスチック製のトタン板だけで作られた、これ…ひと冬絶対保たないだろ…みたいなアンバランスさを備えており、ぼかぁー好きだな、こういうの。
今回のダム巡り(最後のダムは除く)は、ダム初心者の方にとっても、短時間で見所があるダムを複数訪れることが出来るので、お勧めです。デイリーポータルでも、付近のダムをセットで見学するコースが紹介されているので、こちらを参考にして、更に一気にダム巡りというのも乙かもしれません。
ということで、私達の高瀬川ダム巡りは無事終了。大町市、松本市の平和は保たれました。
そして、長野県民の皆さん、今日という日があることは、私達4人の勇者が影で活躍していたということを、忘れないで下さいね。
OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5