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▼2012年11月30日

LINEのアップデートと通信業者としての自覚

LINE なにかとやらかしまくってるLINEですが、今回のアップデートで、実際の電話番号だけでなく、Facebookでの登録も可能になったみたいです。

 この仕様変更について、こちらのインタビューによると、

ある一定のユーザー数を確保したからこそできると舛田氏はいう。国内で3,500万人、世界では7,500万人のユーザーが居るため、この規模になると新しい入り口を用意しても、サービスが揺らぐことはないそうだ。逆に最初からFacebook認証を使ってしまうと、LINEでなくても良いため、サービスを使う動機にはならない。

 まさに王者の風格って感じでしょうかね。

 ま、使ってみると確かに便利だし、ケータイの通話料金を気にせずダラダラとおしゃべりし続けるってのも面白い体験ではありますが、改めて思うのは、NHN Japan本体は、やってることが実質「通信事業」だと理解してるのかな?って事。

 先日も、Android版LINEアプリで、電話帳の強制同期などの不具合やらかしてますが、この事件に対する世間の反応も、ユーザーの怒りも、なさ過ぎなのが、私はとても不思議です。

 例えば、同じような不具合…NTT Docomoが、端末ソフトウェアの不具合で、端末内の電話帳を共有してしまった…みたいな事件が起きたら、世間の対応も全く違うと思うんですよね。
 賠償騒ぎも当然ながら、絶対に裁判起こされますし、連日メディアはその不手際を報道しまくるでしょうし、総務省だってそんなミス、絶対に黙ってない。間違いなく行政指導…で済めばいでしょうが、そういった厳しい処分が下るはずです。でも、LINEだとみんな許しちゃう。不思議ですよね。

 これは先週末に友達から聞いた話の受け売りなんですが、今のLINEがやってることは、間違いなく「通信事業」な訳で、でも、インフラ部分は既存携帯電話回線やインターネット回線に依存しているせいなのか、その自覚が、メーカーもユーザーもあまりないように見えるな…と。

 通信に対して事故が絶対あってはならないよう、既存電話事業者は、電話回線や交換所などでは、それ相応の資金とメンテナンスコストを投入し、そして情報漏洩のガイドラインを定め、厳しく運用していているおかげで、私達は通話内容の秘匿性や漏洩などを心配せず、電話でのコミュニケーションができる訳です。そして、私達はそれら安全のコストを「電話基本料金」や「通話料」という形で負担している訳ですよね。

 でも、LINECOMMを初めとする、これら無料通話サービスというのは、言ってしまえば、既存のインフラの上に乗った、単なるフリーライダーでしかない訳です。

 いや…フリーライドが良いか悪いかの議論はさておき、既存インフラを無料で利用するといったバックボーンに支えらているせいなのか、これらアプリ通信を行う企業達には、自らが「通信事業」を行っている自覚が足りないというのが問題なんだと思います。
 端末内の電話番号が勝手に共有されるとか…本来の通信事業者なら絶対にあってはならない重大事故な筈なのですが、それなのに、なんだかみんな2〜3日で忘れているようです。そしてこの先、私達のプライバシーは、こういった、無責任かつ無自覚な経営を行っている会社のせいで、果てしなく漏洩し続けるんでしょう。

 もちろん、スマートフォン形式になり、様々なアプリをインストールする中で、アプリ制作業者の不手際で、何らかの情報漏洩事故が起きることは、この先避けることはできません。しかし、自ら「コミュニケーションツール」としてサービスを展開するなら、最低限、通信業者並みのセキュリティー意識というか、社会に対する“責任”を考えた方がいいのではないかと。

 今のLINEやCOMMの流れを見ていると、NTTを始めAUやsoftbankが何故利用者から通話料金徴収しているのか、彼等には根本の意味を理解できていないような気がしてなりません。そして、これらの業者は、また新たに「フリーライド」できる場所を見つけたとたん、そっちの方向で稼げるお金だけを考え、飛び乗ってゆくんでしょうね。

 これらのアプリ、確かに便利だとは思いますが、利用者側も情報漏洩について「不具合」などという、なんだか責任の所在があいまいに聞こえる甘い言葉に騙されず、これらの事象は業者による重大な「失態」と認識すべきだと私は考えますが…さて。

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