刺激に飢えて遂にクラシックまでいった人達
よく「高級オーディオマニアはジャズの名盤やクラシックしか聴かない」などと揶揄されることが多いですが、確かに間違ってはいません。大筋の傾向として私もその通りだと思います。
では何故そうなるのかというと、曲の質などは除外しますが、流行のポップスよりも、クラシックを気持ちよく聴くためには、大がかりな再生装置が必要になることが多いからです。
この辺は、タマゴが先かニワトリが先かの問題に似ていますが、低音・高音をしっかりと再生できる機器だと、ポップスのように中域に音が集中している音楽だと、刺激が足りなくなってきます。その為、高級オーディオマニアは、ジャズやクラシックにハマってゆくことが多いんだなと思っています。
私が考えるに…。
1:子供の頃はラジカセ(今はiPodとかか)で流行のポップスを聴く
2:アルバイトとかして少し性能のいいオーディオ機器に手を出すと、音が伸び伸びと鳴るのが楽しくて、アンビエント系音楽などに手を出す。
3:更なる刺激を求め、機器をバージョンアップする。
4:機器が鳴ってくると、今度は生演奏の音楽が気持ちよくなり、JAZZ等にも手を出す。
5:更にサックスやピアノの高音質表現を求め、機器をバージョンアップする。
6:クラシック音楽って聴くと気持ちいいじゃん!
7:オーケストラの広大なダイナミックレンジを再現するために、機器に大金を払うようになる。
8:以下エンドレス…
と、以上のような流れではないかと。
なにが言いたいのかというと、世間でのクラヲタや、ジャズヲタは、例えばレコード屋で配られているジャズレコードのフライヤーのように「家に帰ってゆったりとしたサックスの音に癒される」とか「スインギーな調べと共に1日の疲れをリフレッシュ」なんて事はきっと考えていません。
元々ポップスやロック、ヘビメタ(全員が通過する訳でもないだろうけど)を聴いて、それが楽しくて更なる刺激に飢え、ジャズ演奏での生楽器の鋭い切れ込みや、クラシックのオーケストラ演奏のような雄大な音像空間に活路を求めているのです。
なので若い方達は、小銭を持ってそうなおじさん達が、ジャズやクラシックのCDを買い漁る姿を見て「歳を取ったらああいう刺激の少ない音楽がいいのかな…」などと考えるのではなく、彼等はロックンロールの刺激ではもう満たされなくなった音楽ジャンキーなんだ、と思うようにしましょう。
そう考えれば、少しはクラヲタのおじさん達にも親しみがわいてくるのではないかと思いますが、如何でしょう?