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▼2013年08月28日

好きなもの程こだわらない

 「こだわり」という言葉は、近頃は一般的にとてもよい言葉として使われることが多いです。私の記憶では、いわゆるバブル前後から、広告やコピーの世界で「こだわりの○○」的な使われ方が、飛躍的に増えてきたような気がします。

 自分も、なんだか他人から必要以上にマニアックに見られる事が多いのか(実際はミーハーでマニアでも何でもありません)、本や音楽について「こだわってそうだね」みたいな言われ方をすることが、普通の人よりは多いのかなぁ…と思っています。
 そんなときいつも思うのが、どんなジャンルでもマニアックになればなるほど、そのジャンルが好きになれば成る程、いわゆる「こだわり」ってのは減っていくのでは?…ということ。

 例えば、昔の自分は今以上にクルマが大好きだったのですが、あの頃はとにかく色々なクルマに乗りたくて仕方ありませんでした。もちろん、口では「あの車種はあのグレードじゃなければ」とか「あのメーカーのアレには…」などと適当なことを言っているのですが、と言いつつも、運転できる機会がありそうなクルマは、片っ端から乗ってきたと思います。
 私が一番好きなジャンルであるスポーツカーはもちろん、セダン、ハッチバック、軽自動車、軽トラ、4トン車、ATにMT…運転できる機会があればどんどん自分で運転してきました。これは車が好き故に、クルマに対するこだわりがなかったからだと思っています。普通は、わざわざ軽トラとか、機会があっても自分から運転したいとはあまり思わないものです。

 他、音楽も同じかなと思っています。
 このブログを読んでいる人は、いつもの私が訳わからん現代音楽とアニソンしか聴いていないと思っているかも知れませんが(笑)、それはネタとして書きやすいからそのような音楽についてどんどん書く訳で、実のところ、今日の通勤途中に聴いてきた音楽には、ビートルズがあったり、サザンオールスターズがあったり、ジャズがかかっていたりと、色々聴いているのです。

 私の場合、自分から聴く音楽については殆ど語らないため「サザンオールスターズのアルバムは全部買ったしカラオケでも歌える」というと、すごく驚かれる場合もありますし「ビートルズのレコードはみんな持ってますよ」と話すと、意外そうな顔をされます。
 最近ではブリリアントのモーツァルトBOX買ったときも、モーツァルト聴くんだ…と言われたりしましたが、ブログにも書いたように、モーツァルトのCDもレコードも前からそれなりに持っていたのです。
 他にも仕事で知り合ったJAZZ好きなおじさんに「今日お話しに出たアルバムのうち数枚は持ってますよ」と話したら、これも驚いた顔されたっけ…。その間にポップスやアニソンや現代音楽も同様に聴いているので、我ながら本当に聴くジャンルにこだわりはないなと思っています。

 もちろん、相対的に聞くことが少ないジャンルというのはある訳ですが、それについては結構理由がハッキリしていたりします。例えば子供の頃はエレキギターの音が嫌いだったので、今でもロックはあまり聴かないかな?というのはあります。でも、手持ちのiPhoneを見ると、プレイリストの中に、マイケルジャクソンやクィーンなどもチラホラありますので、今となっては聴き始める時期が遅かった為、量が他のジャンルに追いついていないだけです。

 そして私の場合「聴く」以外については本当に興味が無くて、例えば好きなアーティストのライブにせっせと通おう!とも思いませんし、ファングッズのたぐいも殆ど買いません。また、手持ちのレコードやCDのライナーノーツは未見だったりすることが多いです。
 たまに見ることはあっても、殆どの場合、写真やデザインを見ているだけで、そこに書かれている文章は読んでいません。なので、好きな音楽は沢山あっても、それについて他人と語るだけの知識は何も持っていないのです。
 おそらくこの先も持たないと思います。何故なら音楽は「聴け」ればそれで満足してしまうから。これもある意味こだわりがないと言えるでしょうか。

 ここまで書くと「それを聴くオーディオにはこだわってるじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、ぶっちゃけオーディオ機器にはこだわらないからNaimAudioなんて使ってる訳でね(笑)。多分私が「オーディオ機器」を趣味としていたら、アキュフェーズとかマッキントッシュとか、もっとわかりやすい方に行っていると思います。私的には「音楽>オーディオ」の主従関係はハッキリしているつもりなんだけど、これも世間的には「こだわり」に見えるのかな?

 逆に音楽好きを自称する人で、「私はアニソンが嫌いなので聴かない」とか「クラシックが大好きでそればかり聴いている」というこだわりを持っている人は大勢いますし、私もそのような人を知っています。
 別にそういった聴き方を否定する訳ではないですが、私が考える「音楽が好き」という考え方にはあまり合致しません。それは、そういう特定のジャンルが好きだという話で、世間ではそういう人達も「音楽マニア」と言うのかもしれませんが、私は違うものと認識しています。ま、私がどう思おうとどうという事もないので、気にする必要はありませんが。

 逆に嫌いなモノ程こだわるな…と実感できるジャンルは、私の場合は食べものでしょうか。
 体質的な面もあり、私はネギを使った料理は基本的に口にしないのですが、そのせいか、食べられるレパートリーが他の人よりも少なく、食べものについては基本あまり興味がありませんし、見知らぬモノは殆ど口にしません。

 興味が無く好き嫌いが多いが故に、自分の好きなモノをしつこく探して買いますし、また、そればかり食べ続けたりします。
 なので特定料理や食材については、不要な知識ばかり付いてしまい、一部では「食べものにこだわってる?」みたいな扱いされているのですが、これは食べものというジャンルを愛さないが故に、特定のモノへの知識が深まり、それが逆に世間では「こだわり」と認識されてしまっている例です。
 嫌いなものが多いからこそ、他人から見るとなんだか詳しく見えてしまう、面白いなぁ…と思います。

 逆に、食べものが好きな人は、本当に何でもおいしそうに食べるんですよね。何を食べても「おいしい」という人は、私的にはすごく魅力的に見えますが、残念ながら(?)世間的にはあまり「こだわりの食マニア」的な視点で見られないようです。これもまた面白い現象です。

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