バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎
ちょっと前の話なんだけど、文庫化されたようなので買ってみました。
なんでも、二股ならず五股をかけていた主人公が、ひたすら女と別れるだけの簡単なお仕事…(笑)をテーマにした小説だということ。
年がら年中、人から捨てられるばかりで、こちらから別れ話なんて高尚なことは一生経験が無いであろう私ではありますが、ひょっとしたら何かの時の参考になるかと思って読んでみます。
このお話は、繭美という女性がキーになっています。これがまたすごい大女でブスで粗雑でガサツ、オマケに性格が悪いという最低最悪な女なのですが、読み進めるにつれて何か憎めない感じになってきます。
逆に主人公の星野と付きあっていたという女達の方が、なんとなく不気味な気がしました。私には経験が無いので知りませんけど、男女の付き合いってあんな簡単なコトからホイホイ始まるものなんでしょうか?
つことで、五人との女の別れがオムニバスアルバムのように展開していき、とても気軽にサクッと読めてしまった小説でした。文体も軽快で、また、悲しいシーンにもちょっとしたユーモアの雰囲気があって、とても面白かったです。
ラストのオチについて、アマゾンのレビューを読むと納得いかない人が結構いるようですが、ああいうサッパリとした終わり方も良かったですね。
また、彼の他の小説も読んでみたくなりましたよ。
RICOH GR
バイバイ、ブラックバード(双葉文庫)/伊坂幸太郎