まっかちん.Web / アラビヤン焼きそばファン倶楽部 / ESSAY / LINK / フラットな地球 / Photography. Blog*/ 記事INDEX

最近のコメント

アーカイブ


« 2013年11月 | メイン | 2014年01月 »

▼2013年12月31日

Suika/サザンオールスターズ

PC310042.JPG もう発売されて20年以上経つのかな。我らがサザンオールスターズの完全限定ベスト盤、Suika。

 当時の私は、なんだかんだで発売日にレコード屋(当時はまだギリギリレコード屋さんだったと思う)に行けば手に入るのかと思っていたのですが、全て全滅。どうやら本当に予約分のみで完売だったみたいです。

 仕方ないので地元のレンタルCD屋さん(まだTSUTAYAではない)に行ってレンタル、当時は3HEDカセットデッキを使い、メタルテープにダビングしましたよ。バイアス調整や感度調整バッチリやって。

 このアルバムの素晴らしいことは、当時まだCD化されていなかった…あるいは当時で既に廃番扱いになっていたシングル曲を含めた、サザンのヒット曲を網羅したベスト盤だったということ。今でこそレア度は下がってますが、当時は本当にこのアルバムじゃないと聴けない!って曲も結構あったんだよね。
 そして、聴いてみるとわかるんだけど、まさにベスト盤の決定打というか、世のベスト盤CDの見本とも言えるような絶妙な選曲。本当にこの収録順で全て聴きたい!と思えるほどの素晴らしい構成でした。私も、本当に何度も、テープがすり切れるような勢いで聴きまくりましたね。取り立ての免許で運転するクルマのカーオーディオで。

 つことで、このSuika、ずっと値段が下がったら買おうと思って履いたのです。しかし、さすがはサザンというか、完全限定版というレア度が効いているのか、今まで売られている中古相場では、当時の定価(10,000円)を下回ることは皆無で、パッケージのスイカ缶+トランクス&パンティの付属品無し状態ですら、相場が15,000円以上と、ちょっと手が出ない状況になっていました。

 これは、サザンオールスターズの全アルバム+全シングル曲がリマスター化された後でも変わりません。というか、現在では、これらのアイテムを利用して、プレイリスト上ではより高音質なSuikaを再現できるにも関わらずです。それだけ、このアルバムにはパッケージとしての魅力が備わっていたんでしょうね。

 で、このSuikaですけど、ようやく…本当に20年越しで無事中古でトランクスとパンティ付属品無しですが、缶付きで入手することができました。お値段も無事定価を下回ってます。

 つことで、今年の大晦日はサザン祭りです。それでは皆さん、良いお年を!

OLYMPYS XZ-1


Murmuration/JO MANGO

PC310035.JPG アルバムのほとんどが真夜中に書かれたという、幻想的な楽曲の数々。イギリスのトラディショナルフォークとしてマニアに人気の、Jo Mangoのアルバムを買ってみました。

 1曲目の「The Black Sun」という出だしの曲から、美しく、そして少しかすれた感じのリアルな声が迫ってきてもうたまりませんです。
 他、全編に亘りシップルなアレンジっぽい中、様々な凝ったエフェクトや処理も楽しい。

 ちなみに輸入盤っぽいCDですが、歴とした国内盤。というか、国内盤はボーナストラックとして3曲の追加曲があるそうなので、直輸入でなく国内盤買いました。ま、値段も高くなかったし。

 真夜中の山奥というか、平原のなかの、むしろ静寂がうるさいような雰囲気の一軒家で、じっくりと聴いてみたいアルバムでした。

OLYMPYS XZ-1


Murmuration/JO MANGO

なのは完売!つことでC85へ出撃

ヲタ

R0320339.JPG 私はこっち系の世界はさっぱり知らないのですが(苦笑)、ほうほう…今日はお台場方面で「こみけ」というモノが開催されているようじゃ。どうれ…物珍しさでちょっくら出かけてくるかいのう。

 なんてのはウソで、午前中農作業に従事した私達は、そのままのハイテンションで一路コミケへ。艦これのエロ同人とか電ちゃんがあんなことやこんなことされてるグッズ買い漁るぞこんちきしょう!

 ま、それはさておき、ここまで有名になっているコミケ。こっち系が嫌いというならともかく、東京近郊に住んでいるなら、一度は体験してみても宜しいのではないでしょうか。あ、入場は無料でありんす。
 ちなみに、コミケと言えば、毎回「徹夜」だの「行列」だのが壮絶なことで有名ですが、午後からフラリと出かける分には、人混みも行列もほとんどありません。会場内も歩くのに邪魔でない程度に盛り上がっています。もちろん、壁サークルや企業組といわれるところの限定グッズはとっくに完売していますけどね。

 私らが会場入りしたのは、14:30位だったかな。南側から順に見ていって、北側に移動する15:30位になると、半分くらいのサークルは既に店じまいしていて、もう少し早く来れば良かったかもという感じ。

 ちなみに私がコミケにきたのは今回が3回目。1回目はあの幕張時代に行ったのと、2回目は数年前、で、昨日。全て午後からノンビリペースで見てきてます。

 コミケと言えば、エロ同人やホモ漫画ばかりかと思っている人も多いようですが、そうではなくて、同人誌の即売会…なので、活字系の同人誌や同人グッズ、同人CDなど、案外色々なものが売られています。あ、ちなみに初心者には冬の方をオススメしますよ。

 しかし…その後企業ブースも回ってみたんだけど、みんな単価高すぎ!もちろん人気グッズはほとんど完売になっていますので、別にほしい商品があった訳でもないのですが、ザッと見ると、最低単価が5,000円。最高で5~6万円で、商品は全て現金決算と、そりゃコミケ狙いの強盗だって出るわ、という感じ。みんなお金持ってますよね〜。

 ちなみに、当日のお買い上げは、艦これ音楽アレンジCDのコレ買ってきました。500円也。こんだけ。

RICOH GR

年の瀬大小松菜祭!

PC308972.JPG 年末年始と言えば小松菜。つことで、今年もいのうえさんのご厚意により、小松菜収穫に出かけてきました。場所は東京都は江戸川区の小松川、“こまつな”の原産地です。
 どーでもいいけど、ひらがなで、“こま☆つな”とか書くと、ラノベっぽくて萌えますよね。

 小松菜収穫って、なんだか気持ちイイんだよね。根元をつまんで引き上げると、すぽっ!という感じで根元から引っこ抜けます。

 普通に流通している小松菜は、この根っこ部分が切り取られて売られていますが、実はこの根っこ部分は辛味大根みたいな味がしておいしい。私なんか、引っこ抜いた小松菜の根っこの土を払って、そのまま食べちゃったりしてました(笑)。あ…衛生的に大丈夫なのかどうかは知りませんので、皆さんマネしないように。

 で、収穫した小松菜は新聞紙に包み、いのうえさんちと、いのうえさんのご実家、そしてにしだやさんちと私の家へ出荷。この日は合計7包みほどの収穫となりました。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 25mm F2.8

ガルパンのハイレゾ買ってみたよ!

R0320327.JPG 最近のオーディオはすっかり「ハイレゾ」ブーム。

 しかし、この手の「高音質音源」って、いつまで経っても錆び付いたクラシックやジャズの名盤がリマスタされるばかりで、レコード会社って客舐めてるのか?みたいな状況が長く続いています。

 既に海外ではHDTracksなどで、ロックンロールやポピュラー音楽などが、どんどんハイレゾ化され、販売されているのです。
 そんな中、日本は遅れているどころか、日本人が直接HDTracksから音楽を買う事をブロックまでしており、世界のハイレゾ+DRMフリーの流れから、むしろ退化しているという印象。

 しかし、最近のPCオーディオやヘッドホン/イヤホンリスニングの盛り上がりで、少し状況が変わってきたようです。
 ここ1〜2年、日本の音源販売サイトでは、モーラe-onkyo musicでは、クラシックやジャズ以外にも、私達が良く聴くPOPSなどの販売音源が、続々とハイレゾ+DRMフリー化されてきて、相変わらずのぼったくり価格であること以外は、それなりに状況が改善されてきています。

 つことで、PCオーディオやヘッドホンと言えばアニソン(笑)
 つか、これらのオーディオを支えている人達が、結構な割合でアニソンなどを嗜んでいることは間違いなく、そのせいか、ここ数年のアニソン業界は急速に進歩しています。音楽的進化…はともかく、今のアニソンは音楽好きなら聴かなきゃ損な感じ。

 で、前置きが長くなりましたが、この度ガルパンの48Hkz/24bitハイレゾ音源が発売されたので、思わず買ってみました。お値段は3,200円、CDと同じ価格ですね。WavとFlacフォーマットがありますが、私はFlacの方を買い、すぐにAlacに変換。早速LINNのMAJIK DSで聴いてみたよん!

 とりあえずオーマニの定番として、CDの44.1KHz/16bit音源と比較してみましたけど、思った程差はないかな。管楽器などの余韻部分は、さすがハイレゾ音源の方がなめらかで密度感がありますが、ハイレゾ聴いちゃうとCDなんてダメダメよん!って程でもありません。

 実は、往年のclassicやjazzの名盤が、ハイレゾ化によってグッと音質アップしてるのは、むしろリマスタ処理のお陰だとも言えます。なので、こういった最近の技術で録音された音源が、それぞれほぼ等しい年代の技術でリマスタされ発売されるというのは、ハイレゾ化による恩恵を確認する良いサンプルになるのではないかと思いました。

 あ、ガルパンのサントラそのものに触れておくと、CD2枚組総トラック数50の中に、大編成の行進曲からロシア民謡、盆踊り、いかにもなアニソンと、様々な音楽が収録されています。近年のアニメサントラの中でも、傑作に入るんじゃないかな。アニメ音楽への入門としてもおすすめですよ。

RICOH GR


▼2013年12月28日

Voice of Trees/lubomyr melnyk

PC280020.JPG lubomyr melnykのCDは既に「Corollaries」と「Watchers」っているのですが、どちらもキレイなピアノを主体としたミニマルアンビエント系でした。

 しかし、今回購入した「Voice of Trees」は、初期のライヒを彷彿とさせるような、複数の楽器による混成の、アップテンポなミニマル曲です。ライヒやケージが好きな人は、こちらも楽しめるのではないかと。

 ま、これ以上は特に語る事もないのですが(笑)、よいアルバムだなぁ…と思ったので皆さんに紹介したくなる、そんなエントリでした。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年12月23日

Bromptonで北関東

PC228946.JPG 冬のクリスマスシーズンの週末。皆様如何お過ごしですかね。
 リア充なクリスマスイベントとは無縁な私は、またまた北関東ブロンプトン紀行へ。東武伊勢崎線で宇都宮まで輪行してそのまま南下して帰ってくれば、このシーズンずっと北からの追い風で走れるかな?という算段です。

 伊勢崎線草加駅から朝の9:00過ぎの電車に乗り、まずは南栗橋まで。そこから日光線の各駅停車に乗り換えて栃木まで。栃木からは宇都宮線の各駅停車に乗り換えます。

 宇都宮線車内では「おまえ私にパンツ見せたいの」ってな感じの一生懸命に化粧したとみられるミニスカ女子高生?が、私のシート正面に座り、やたらと脚を組み替えたりこっち見たりして、訳ワカラン挑発に晒されてましたが(ちなみに白でした)、そんな恐怖の中、東武宇都宮駅に到着したのは11:20分頃。東武線って日光方面は結構便利な長距離列車が走っているのですが、宇都宮線は本当にローカルなんだよね。単線だし。

 てな感じで宇都宮市内を適当にブロンプトンで徘徊。おしゃれなユニオン通りとか、メインの繁華街のオリオン通りとか走りながら、市内を適当に散策。なかなかいいもんです。

 どーでもいいけど、途中交差点で信号待ちをしていると、隣に人の気配がしてふとふり返ったら、かわいくもなくブサイクでもない…って、ツッコミ所に困る感じの女子高生なのか中学生なのかの女の子が、普通にネコミミつけて信号待ちしてまして…北関東というか宇都宮はすごいなぁ…とw。そういえばさっきの電車にいたパンチラ女子も宇都宮駅までずっと脚組み替えながらパンツ見せてたし(途中から友達とみられる女の子も乗ってきたけどそっちは大人っぽくて地味なカッコだった)、宇都宮にいる女子は奇行でもしなきゃならんという決まりでもあるのかw。

 そんな不思議な街宇都宮を後にして、追い風に乗りながら宇都宮市を南東へ…と思っていたのですが、なんと!当日の風は結構強い南東からの風。この時期に北風じゃないとか勘弁してほしい!
 しかし、鹿沼市郊外の里山を適当に裏道に入ったりしながらのんのんと走るのは実に楽しい。こういう風景の中を走っていると、本当に自転車が好きでよかったと思います。

 その後は風にあらがいながらも南下。しかし、壬生町に入った辺りで後輪がパンクしてしまいます。ただ、結構なスローパンクチャーだったみたいなので、手持ちのポンプで空気を入れながら走ります。結果としてこの後途中2回空気を入れるだけでしのげましたので、よかった。この寒空の中、ブロンプトンの後輪脱着してパンク修理とかあまりしたくないもんね。

 なんだかんだで追い風の加護は受けられず、結局「道の駅しもつけ」までたどり着いた辺りで、日もすっかり落ちかけました。まだスタミナはありましたけど、北関東の真っ暗の中自転車で走るってのもねぇ…。そこから東武宇都宮線壬生駅まで戻って、輪行で帰ってきました。走行距離は56km程。案外伸びなかったです。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5

▼2013年12月16日

ATAK 020 THE END

PC168889.JPG ただでさえ天使のミクさんがパリでヴィトンでシャトレ座で…と話題になった、渋谷慶一郎氏が初音ミクを起用して話題のTHE ENDというオペラCDです。

 どんなのかな?と、タワーレコード新宿店10Fで試聴してみたのですが、1曲目の「overture」が、ミクさん音声がある訳ではないのですが、めっちゃカッコよくて、その場で購入。
 あ、元の作品であるこのオペラ自体には特に興味ないので、どんな内容なのかは全く知らないのですが、曲名で「死」とか「終わり」とかあるので、なんだとか、厨的設定の物語っぽい感じがします。

 音楽の内容については、ミクさん好きが想像するような、軽快で明るいピコピコサウンドとは対極にある、重厚で壮大な…というか、分かりやすく言えばよくある現代音楽っぽい感じ。私は結構気に入りましたけど、なかなか人を選ぶというか、ミクさん好きと言うだけで手を出すと、少し失敗するかも。

 オペラに初音ミクって合うんですかね。そういえば富田勲御大も、新作のオペラで初音ミク起用して話題になったし。

 私は、音楽演奏したり作ったりするセンスも知識も皆無なのでよく判らないのですが、オペラの作曲家が人工音声を使う意味は、もちろん話題づくりも無い訳じゃないと思うのですが、それよりも、不安定である「人の声」という楽器を、完全にコントロールできる事に魅力を感じてるんじゃないかな、と思ったりします。ナマの歌い手と違い、その日の気分や体調の影響を全く受けないですからね。
 どちらが上か下か…という話ではなく、そういう意味で「人工音声とオペラ」って、以外と相性イイのではないかと。

 このCD、私はトラック数が全部で12曲の通常版を購入したのですが、その他に完全限定版なる商品も存在します。
 こちらにはオペラで使われた曲が全て完全収録!CD2枚でトラック総数は計16曲あるのですが、何せ価格が、通常版2,500円に対して、完全限定版8,980円(タワレコ新宿店調べ)
 限定版には「完全生産限定:LPサイズBOX、EPサイズ・フォトブック(100P超)、カセットサイズ・ブック(台本完全収録)2CD+1DVD、ライナーノーツ:茂木健一郎、蜷川実花、高橋健太郎、鈴木哲也(ハニカム編集長)、ジャン=リュック・ショプラン(パリ・シャトレ座支配人)他(以上Amazonの商品情報より)とありますけど、私は音源以外は全て興味ないので買いません。

 仮に完全限定版音源だけ2枚組で4,000円とかだったらそっち買ってましたが、いくら限定版とはいえ、さすがに通常版の三倍以上とは…ボッタもいい加減にしてほしいモノです。

 つことで限定版通常版の話はともかく、収録されている曲はダークでカッコよいので、少しアダルティーなミクさんを聴いてみたい方なら、きっと楽しめると思いますよ。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5


オーディオ忘年会2013@亀戸

R0320246.JPG もうすっかり年末ですね。

 つことで、今年も開催されました、オーディオなのか自転車なのか艦コレなのか(これは二人だけかw)よく判らない忘年会。
 普段引きこもりな私としては、普段よくお会いする方から、毎年この会でしか会わない方など、いろいろな方と一緒にお会い出来るのが楽しいです。

 今年のお題は…なんだったかな?
 それぞれの現状報告と、某S氏がまたやたらとレアなカートリッジを持ってきたのとか、某W氏が遂にLP-12+AROなんて日本で何台あるんだ?的プレーヤーを手にしたこととか、某NB氏がブルベで九州を1,000キロ走ってきたこととか…。あ、今回は北海道のANI氏も電話参加してくれました。

 他、LINNのExaktの話とかね…。LINNがあのままいくと、将来はフォノイコ…いやいや…LP-12本体にデジタルアウト付くのでは?…的雑談も、このメンバーで話すとなかなか現実味を帯びてきます。どうなるかは知りませんけど、ちょっと夢のある話かも。

 つことで、この忘年会も今回でおそらく13〜4回目になるんでしょうか。当初は若造だった参加者も、すっかり出世して貫禄が、とならないところが面白いところ(笑)

 いつまで続く会なのか分かりませんけど、ずっと続いてくれるといいなと思った、亀戸の夜なのでした。

RICOH GR

▼2013年12月15日

灘渡る古層の響き/稲垣尚友

PC158830.JPG 柳田圀男が提唱した民俗学の中で、特定委地域を絞り込んで研究対象とする分野を地域民俗学といいます。こちらの本もその分野に含まれるのではないかなと。

 この本の舞台は、鹿児島県トカラ列島平島、島ではあるのですが、周囲を断崖に囲まれており,集落はおおよそ標高200m前後の辺りに位置しています。最近では金環日食で話題になりましたが、基本的には訪れる観光客も滅多になく、モノ好きな釣り客がたまに訪れるような人口80人程度の小さな島です。

 この本は、その島で行われていた町営放送の記録を辿りながら,昭和47〜48年前後に島で起きた事件を追い、島の生活を疑似体験しつつ、少人数で育まれている村の生活を明らかにする…といった趣旨なのかどうかは知りませんけど、ま、そんな本です。

 だって、本の第一章から「人のヤギの耳を切らないで下さい」です。
 島で飼育されている山羊について、誰かが勝手に耳切(耳を切る形により所有者を識別している)したことについて、こまった島にいる役場の駐在員さんが、放送で止めるように呼びかける…という話。
 ぶっちゃけ、その当事者以外にとってはどうでもいい話ではあるのですが、こういう細かい事件一つにしても、この村の特異性というか、さまざまな生活についてのリアルな実情が浮かび上がってくるのがとても面白い訳です。
 また、行政から派遣された役所の駐在員と、村の顔役である総代との権力の二重構造なども、村の生活には薄いながら影を落としていて、「あ、共同体生活ってこんなものだよな」などと、なかなか興味深く、また納得出来たりします。

 他、本書では結構な数の島の写真も掲載されており、これがまた素晴らしい。島の生活っていいな…とは安易にいえませんけど、やはり、失われた日本の農村、山村の写真は、どこはかとなくノスタルジーを感じます。
 また、更なるオマケとして、この本では紹介されている町営放送が収録されたCDまで付属!なかなかお得な感じです。

 実はまだ、半分程度しか読んではいないのですが、久しぶりに素晴らしい本だなぁ…と思って紹介しました。読み終えたらまたどこかでネタにします。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5


Queen Orb USB 買ったよ

PC148824.JPG この手のUSB音楽セットというのは、以前ビートルズのりんごUSBを買いましたが、今回はそれに続いてQueenです。

 こちら、私がLINNのDSを買うまでは、商品の存在を知りませんでした。「ビートルズがUSBメモリでハイレゾになって売られているんだから、他のアーティストも売ってないのかな?」みたいな気持ちで検索したら、この商品の存在を知ったという感じ。
 ただ、発売は今から2年前の2011年12月と、二年前の上に限定商品だったおかげで、もちろん市場では売り切れ。たまに中古で出るみたいですが、なんせ物理的にデータが劣化しないUSBメモリ、最近では定価の29,800円よりもお高い値段で取引されているようです。

 ま、手ごろな価格で発売されたらその時買おうかな…と思っていたのですが、先日、我らがユニオンで24,800円で売られているのを偶然発見!早速ゲット致しました。

 どーでもいいけど、購入後ついつい相場チェックのつもりでネット検索したら、Amazonのマーケットプレイスで、ユニオン様が同じ商品を35,000円で発売してまして「○○店店頭でも発売してます売り切れ注意(私が買ったのはその店頭だw)」とあり、半日位したら在庫切れしたので、案外コレだったのかな?ま、深い詮索は止めておきましょう。

 早速家に帰ってMacにデータを取り込み!と思ったのですが、あれ…一部のファイルというか、結構な数のファイルが「エラーのためコピー出来ません」という警告が出ます。
 念のため店頭では「USBメモリが破損していた場合は返品出来る」事を確認していたので、こりゃ返品かなぁ…と思いつつ、該当ファイルを見ると、何となくピンときました。これ、Macだと読み込めないFlieっぽいなと。
 早速VM FusionでWindows7を起動して、そちらを経由してMacへデータを送ると、無事全てのファイルが取り込み可能となりました。これ…商品案内には「対応OS:Windows / Mac OS」とか思いっきり書いてありますけど、大丈夫なんですかね。みんな困ってないのかな?と思ったら、Amazonでまさに「ファイルが読み込めません」というレビューが上がってます。もしマカーの方でこの商品買ってしまった人は、友達のトザーに頼んでファイルコピーしてもらいましょうね。

 コピー後はファイル変換です。というのもこのOrb、ファイル形式が24bit/48KHzのwav形式なんですよね。さすがにwavではタグ付けが出来ませんので、全てALAC形式に変換。一度間違えて24bit/44.1KHzに変換してしまったので、再度やり直しなんていうオチがつきましたが、無事Queenのハイレゾ音源を楽しむことができました。

 音質的にはどうなんでしょうね。地球最高音質などといわれていたビートルズUSBと違い、QueenのアルバムはSACDでも発売されていますし、e-Onkyoでは24bit/96KHz形式でダウンロード販売も行われていたようです。ただ、今時SACDは現実的ではありませんし、e-Onkyoは得体の知れないDRM付きのゴミデータな訳で、当然買うはずがありません。なので、実用的ハイレゾデータとしては、このOrbがQueenのハイレゾスタンダードと言えるかもしれません。
 ただ、ハイレゾではありますが、音質的評価は必ずしも上々との評価でもないようで…ま、この辺は様々なリマスタリングディスクが発売され続けているQueenならではといえるかも。実際CDの16bit/44.1KHzと、Orbの24bit/48KHzで、普通のオーディオ機器で再生したとき、どれだけ音質面での差が付くのか…ってのもありますし。

 にしても、私が既に所有している、新たにリマスタリングしたとかなんだとかではないCDよりは全然音質はいい訳で、なかなか満足です。価格にしても、アルバム1枚単価で約1,653円。これで全てハイレゾなんですから結構おトクではないかと。

 ただ、このOrb、モノとしての高級感は、以前のビートルズUSBと違ってかなり劣りますね。商品写真で見ると、Orbの表面は金ぴかでそれなりに装飾が施されており高級感あるように見えますが、実物は100均で売られている小物入れ風なダサさで、上に装着するUSBメモリ部分も、本体のオーブ(?)がちゃんと密着せず、結構ザツな作りです。外に出して飾っておきたくなるような佇まいは全くないですね。ま…いいんですけど。
 
 中古相場では、最近だと定価よりも数千円〜1万円程度上乗せされた価格で発売されていることが多いようです。オークションなどの取引履歴を見ても、大体定価前後程度が多いみたい。この記事を読んだ上で購入するのであれば、例え定価買いだとしても、音はいいのでそれなりに満足感は得られると思いますが、マカーな人はご注意なのと、モノとしての高級感は期待しないで下さいね。
 あと余談ですが、収録されている「A Night At The Opera」内の「Seaside Rendezvous」、どうやらファイル名というかトラック指定間違ってるようですね。確かビートルズUSBでもタグデータの間違いありましたけど、さすが輸入製品、結構おおらかな感じw。

 ビートルズのUSBが発売されたときは、その話題性から、様々な大御所アーティストのUSBメモリハイレゾデータの販売が盛り上がるのではないか?と思っていましたが、案外追従する商品が少ない印象です。
 私としては、こんな風に様々なアーティストの音源が、ハイレゾデータでUSBメモリの形にシュリンクされて、もっと発売されると面白いなと思うのですが、色々と事情があるんでしょうね。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2013年12月07日

空母入門/佐藤和正

R0320242.JPG お馴染み光人社のNFシリーズ文庫。Kindle化していたのでつい買ってみました。

 タイトルに「入門」とあるように、空母それぞれについての詳細スペックを記すというより、何故航空母艦が作られ、その後どのように進化していったのかを、それぞれの艦についての歴史を織り交ぜながら俯瞰するといった内容で、なかなか面白かったです。

 私は知りませんでしたが、船から飛行機を発進させ着艦させるというアイディアと実践は、ライト兄弟の初飛行からたった7年後の事だったんですね。その、世界で初めて船から飛行機を発進させ、着艦させることに成功した国はアメリカでした。

 そのアメリカの実験を知り、同じような船が出来ないか…と考えて試行錯誤したのが、当時の日本とイギリス。そして、そのアイディアは世界初の水上機母艦「若宮」となります。その後、日英では、水上機以外にも固定翼機運用を目指して改良が進み、イギリスでは改造空母フューリアスが生まれ、その後、日本は世界初の正規空母、鵬翔を竣工させます。

 そうなのです。空母を発想し制作し発明したのは、私達日本と、イギリス、アメリカです。この三国によって、航空母艦の基礎は作られました。

 また、本当に誤解している人が多いなと思うのですが、日本海軍は大艦巨砲主義を捨てなかった訳ではありません。むしろ当時の列強で一番速く戦艦に見切りを付け、戦艦建造を辞めたのは日本だったりします。
 なので、大和型戦艦を日本海軍の技術力の頂点と考えてしまうのは間違いで、例えば空母瑞鶴に搭載されている主機は、大和型よりも出力が大きく高性能なのです(アルペジオ8巻で重巡タカオが海域強襲制圧艦ズイカクのエンジンパワーに驚くのはそのせいなのです)

 その後の空母史は、恐らく皆さんご存じの通り。日本海軍によって生まれた「空母機動部隊」という編成は、今までの海戦を全く別な戦い方に変えてしまいました。海の主役は戦艦から空母になり、1回海戦を行う度に、おびただしい数の艦載機と燃料、そして人命を失う、ある種消耗戦となります。

 空母戦を陸上戦闘に例えて考えてみると、戦争の近代化というのは基本的に全て同じ事に気がつくはずです。
 戦場という空間に、機械化された火力を際限なくつぎ込む近代地上戦闘。地上での戦いが、鉄道やトラックなどを用い、古代の戦争では考えられない程の人員と兵器を集中運用出来るべく進化したのと同様、海の戦いも空母というプラットフォームを用いて、戦場におびただしい数の人員と兵器・火力を投入する事が可能となりました。
 かつての大艦巨砲主義時代に見られた、強力な主力艦が中心となって敵艦隊を殲滅するというヒロイズム溢れた戦いとちがい、空母同士の戦いは、まさに海上の国家総力戦。海の上の戦いは、より凄惨なモノへとシフトしてゆきます。

 そんな中、本当にどんな本を読んでも感心させられるのですが、アメリカ軍の臨機応変さは本当にすごいと感じます。
 太平洋戦争でアメリカが日本に勝った理由は、暗号解読に成功したからとか、そもそも国力がすごかった…などと、今の日本人は老人も若者も負け惜しみなのか、アメリカが戦争で勝ち続けている根本の原因を考えようとしません。

 アメリカが第二次世界大戦で勝利し、冷戦でも勝利し、世界唯一の超大国になった理由は、アメリカ人が常に戦争という事象に対して、いつも極めて誠実であるからなのです。

 そんな事を考えながら、空母の歴史について楽しく学べました。光人社NF文庫は結構当たり外れが大きいのですが、こちらの本はなかなかよかったですよ。

RICOH GR


MGFのカーオーディオ交換したよ

R0320220.JPG 「ブルトゥース、お前もか!」つことで、買ってしまいましたBluetoothカーオーディオヘッド。

 いままでMGFに装着していたカーオーディオヘッドのJVC KD-C434ですが、さすがに近年の激しいデジタルの日進月歩にはついていけない状況で、専用Dockアダプタがあっても、最近のiPhoneはlightningケーブルになったし、そもそも昔のDcck端子なので、手持ちのiPad3が電圧不足で充電出来ない…。

 そのため、カーオーディオ用にiPodclassicを持ち出すようにしていたのですが、何せ普段使っているiPodではないので、同期している音楽が最新の状態じゃないのが少し不満。また、結局車で出かけるときだって結局iPhoneは持っている訳なので、こちらで音楽聴ければなぁ…と思っていたのです。

 そしたら、もう1年以上前ですが、にしだやさんが新たに購入したシトロエン・エグザンティアにBluetoothオーディオヘッドを装着していて、それがとても便利だったのです。なので、機会があれば自分もブルトゥース付きのヘッドにするかな…と思っていた昨今、なんだかKD-C434のDockコネクタが調子悪くなり、iPodの充電も出来たり出来なかったりと怪しい雰囲気になってきましたので、いい機会だと思ってえいや!と注文してしまいました。

 注文先はノジマオンライン。なんせ1万円切ってる上に送料無料なのでラッキー!。注文してから翌日発送、翌日到着でやってきました。

 週末に早速交換作業。古いヘッドを取り出し、インパネのサイドパネルを取り出し、KD-C434とDockアダプタのKS-PD100を取り外します。
 結線は前回と違い配線コネクタが適合しなかったため、ギボシ端子を一本一本外して再装着。メイン+電源と、ACCライン、アンテナ線と左右スピーカーライン4本、付属ケーブルのアース端子が何故かYラグになっていたので、切り取ってギボシ端子を装着して結線。作業的に難易度は高くありませんが、狭い車内で変な体制しながらの作業なので、以外と面倒な感じ。
 取り付け時間は大体2〜30分かな。時計あわせなどの初期設定を済ませ、いよいよiPhoneとのペアリング。初回は少し時間がかかりましたが、無事Bluetooth経由で音を出すことが出来ました。

 再生して気が付いたのは、以前のKD-C434よりも明らかに音がいいこと。自分はカーオーディオで音質追求するのは無駄だと思っているので、それなりの音が出ていれば満足するタチなのですが、にしても嬉しい誤算ですね。
 有線と無線、もちろん原理的には有線の方が音質的に有利なはずで、それでこの音の差が出るということは、ヘッドの進化なんですかね。たかが1万円程度なのに、カーオーディオも随分進歩しているようです。
 また、以前のヘッドと違い、iPhone、iPod側からの選曲操作を受け付けてくれるのがとても嬉しい。あ、ヘッド側でも早送りや一時停止など出来ますので、つまりリモコン付きBluetoothアダプタと同じってことですかね。よかよかよか…。

 その他、本体正面右側には、USB端子も装備されており、こちら経由でiPhone、iPod、iPad、試してないけどAndroid端末などの音楽再生と充電が可能です。供給電力もiPad対応になっており、実際、私のiPad3の充電が可能でした。これも嬉しいところです。

 つことで、安くてよい買い物をしました。早速MGFでドライブでかけてくるかな。

RICOH GR


▼2013年12月03日

MTBはなぜ廃れたか

_4038873 ちょっと面白い記事があったので紹介。

 MTBはなぜ廃れたか。」難波賢二のタマルパ山通信 Season2

 何度かこのブログでも書いているが、MTBに乗り、シングルトラックの山道を下り降りる感覚は、私が今まで生きてきた中で、ダントツで面白く、興奮し、高密度な体験だった。

 大怪我して一時MTBトライアルからは遠ざかったが、今でも仲間と環境があれば、是非やってみたいスポーツだと思っている。

 でもMTBは廃れてしまった。その理由を上記のブログでは「MTBは金がかかる」のが主な理由と分析しているようだ。

 確かにMTBは金がかかる。自宅から自走できるロードと違い、MTBはフィールドまで出かける際、基本、車に積載する必要があるし、主に舗装路を走るロードと違って、荒れた山道を走るMTBは、想像以上のペースでぶっ壊れる。

 1日でパンク2〜3回は当たり前、その他スポーク折れたとか、タイヤが千切れたとか、ワイヤー切れたとか、ブレーキシューが飛んでったとか、カンチレバーが根元から折れたとか、気が付いたらリアディレーラーが根元から千切れてなくなってたとか、登りで踏み込んだらBB折ったとか、常識ではちょっと考えられない場所も容赦なくぶっ壊れる。
 私の場合は、乗車中にフレームが折れたとか、ホイールがぶっ飛んだというような、命に関わるトラブルがなかっただけ運がよかったかもしれない。

 他、マシンもそうだが人間もぶっ壊れる。擦り傷切り傷程度は当たり前だし、大怪我に繫がるケースも多い。私の場合も骨折で3ヶ月ほど会社を休んだ事がある。
 幸い私が骨折した場所は専用コース内だったので、その場で応急処置をして、ゴンドラがある場所までコースを登り返して麓の病院に行ったのだが、そこにいた女医さんに笑いながら「こりゃ全身麻酔だね、大病院じゃないと直らないから紹介書かいたげる」みたいにあしらわれたモノだ。そのダウンヒルコース近くのお医者さん、話を聞くと、骨折程度だと、それこそ患者は毎日何人も来るとのことで、その程度の怪我、すっかり慣れっこになっていたよう。
 つことで、確かにMTB趣味は、金がかかるし、肉体への負担(犠牲)も大きい。
 ちなみに私は、その怪我をしたときに会社を3ヶ月程完全休業したせいで、大幅に収入もダウンした。怪我による治療との事で、基本給だけは支給してくれたのがありがたかったが、今時の会社ならその間収入が完全にゼロになってもおかしくない。

 確かに、MTBは一般サラリーマンが趣味でやるにしては、それなりに様々なリスクを伴うスポーツである事は間違いないと思う。

 それでも、例えば雪山登山が毎年あれだけ死者を出しているのに廃れないし、私的には相当危険なスポーツだと認識してる沢登りだって、ブームにこそならなくても、それなりに一定ファンはいる。

 これらの危険なエクストリームスポーツが廃れずに、何故MTBが廃れたのかというと、ズバリ、私が思うに、今の日本ではMTBで楽しめるフィールドが無くなったからではないかと考えている。

 私がMTBどっぷりやっていた頃、一番走り回ったのは高尾山系の山だった。高尾山メインルートこそ踏み込まなかったが、景信山や陣馬山など、あの一帯の登山道はほぼ走ったのではないか、という位、何度も出かけた。
 高尾山系のコースは、都心からも近く、雪も積もらないので通年走れる上に、道も適度に踏み固められて、MTBにとって、理想的なシングルトラック。

 もちろん、歩いて登っている登山者もいたが、人がいればMTBから降りて道を譲っていたし、また登山者を追い越すときは、挨拶をすればたいてい快く道を空けてくれた。その時代のMTBは登山者にとって敵ではなく、むしろ「自転車で登るなんてすごいねぇ〜」とか「たいへんね〜」など、好意的に接してくれたものだ。
 その時代は富士山にも自転車を担いで登ったし、戸隠にある飯縄山にも、ルート上ほとんど乗車できなかったけど担いで登ったりした。そこでも登山者達はMTBに対して実に好意的な視線だったし、若い女の子達から「カッコいい!すごい!」とか、マジで言われたりした。
 あの当時は、それだけ、登山客もMTBに寛容だったし、また、MTBに乗る人もマナーがよかった時代だったのかもしれない。

 日本にMTBブームがやってきたのは、その頃だった気がする。ダウンヒルの世界選手権で柳原選手が優勝したとか、そんな辺りかな。ただ、ブームになったという割にはMTBを山道で見かける事は滅多になかったので、友達と「みんなMTB買ってどこ走ってるんだろうね〜」とかよく話していたものだ。

 そして、私の感覚だと、MTBの第一次ブームが引けてゆく頃になって、急に山道への自転車乗り入れが各地で禁止されるようになったような気がしている。
 今まで走っていた登山道入り口には、各地で「MTBの進入禁止」などと立て札が立てられるようになり、別に登山道でもないアプローチのルート上ですら、団塊世代の登山客が「こんな所を自転車で危ないわね〜」などと悪態をつくようになった。
 理由は分からないが、私の実感としては、MTBに乗った人達が大量に登山道へ押しかけた…といった事はなかったと認識しているので、恐らくイメージ先行なんだろう。ブームになりメジャーになれば、一般の登山客もMTBという単語を耳にする事も増えるだろうし、そんなのが猛スピードで登山道を下ってきては危ない!そんなイメージを持っても仕方がない。
 しかし、私の実感としては、そんな登山客達の誤解を説ける程、MTBで山に出かける人は増えなかったし、また、そのイメージを覆せるほど、日本の山にMTBはいなかった。

 そして、山道に出撃できなくなったMTB達は、クローズドコースを駆け下りるダウンヒル専用マシンになったり、舗装路を走るクロスバイクに進化したりし始めた。私が好きな、前後リジット式(サスなしね)のMTBは発売されなくなり、また、日本で買えるMTBの種類も減った。
 山岳サイクリングに適した、軽量でシンプルなMTBは、軒並みクロスバイク仕様で売られるようになり、逆に少量残った本格的MTBは、ぶっといフレームと大型のタイヤをウリにし始める。もう、かつてのような山岳サイクリング・トレイルサイクリングに適したMTBは、発売されなくなってしまった。

 その頃だったと思う、日本でMTBは死んだ…みたいにいわれるようになったのは。

 つい、思い出話をつらつらと書いてしまったが、あの当時MTBに本気でハマっていた私からすると、今MTBを買っても、日本には走れる場所がないよなぁ〜と感じている。
 それは「シーズンオフのゲレンデをMTB用のコースに開放しました」みたいな事ではなく、山道を地図で確認しながら、まだ見た事のない場所を自転車に乗って切り開く…といった冒険心が満たされるスポーツではなくなってしまったということだ。
 シングルトラックの登山道からMTBを排除した事について、私は特に意見はないが、少なくとも、そういった山の寛容性が消えたと同時に、日本におけるMTB文化も消えていったのかなと。

 最近、様々な場所で、人々の寛容性が薄れている気がする。今ではMTB乗りが雑誌の自転車記事でヘルメットかぶっていない!とかいって大騒ぎするそんな時代だ。
 自転車の中で最もフリーダムな筈のMTBが、このフィールドをフリーダムに楽しめないのであれば、当然ブームは去って行くだろう。

OLYMPUS E-410 + レンズ不明


« 2013年11月 | メイン | 2014年01月 »