聡明な女は料理がうまい/桐島洋子
なにやら挑発的なこのタイトルですが、年末に出たブルータスの本特集2014で紹介されていた本。
オビには「70年代のベストセラー、待望の復刊」とあります。初版(というか新装版)の第一刷が2012年9月。今回買った本は第二刷で2014年2月なので、あの特集に合わせての増刷かな?反響が多かったのでしょうか。
読み始めると、1970年代的文章というか、ある種時代がかった雰囲気にのまれそうになりますが、ちょっと変なのはその気取った表現だけで、文意についてはとても普遍的で今の私達にも通じる事が書いてあります。つか、すごいよね…この人って。
ウーマンリブ的な部分に幾つも触れてはいますが、これもまた時代なんですかね。因みにこの著者は世間で言われている所の「リブ」的人生論には全く興味がないようで…って当たり前ですよね、この人の生き様を見れば、男女の違いとかそんなの超越してる、とてもエネルギッシュでスタイリッシュな生き方をしてます。
で、表題にもある「聡明な女は料理が…」ってのは、わかる気がするんですよね。私は別に女じゃないですが、料理というのは綿密な計画性と大胆な実行力…が求められる行為だよなぁと思います。
確かにこれって、いわゆる世間で言われるステレオタイプとしての「女性的」な行いではないと思うんですよね。なので、女性に限らず男性でも、料理がうまい人が「聡明」ってのは、私も多いに賛成です。
女性の家事が大変なのは、実はそれぞれの作業そのものではなく、毎日決められた資源(冷蔵庫の食材・資金)などを頭に置きながら、料理、洗濯、掃除、買い物、そして時には育児といった多くのことを毎日自力で計画を立て、実行しなければならないことだとの意見もあります。
つまり、料理に限らず家事全般をちゃちゃっと片付けられる人は、自己計画能力と判断力に長けているわけで、そりゃ頭ちゃんと使う人じゃないと出来ないよね…と納得。
前半がエッセイ、後半は短い時間の中でちゃちゃっと作る事が出来る料理の実践レシピが載っていますので、ある意味おトクな本かもしれません。
あと「ツノっぽい」という表現は、なかなかイイな思いました。そそ、食欲だけでなく性欲も旺盛な人は魅力的だよね。