ツバキ文具店/小川 糸
長い間本を読んでいると、いわゆる「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」をする本があります。このツバキ文具店もその一冊で、小川糸という作家について、今まで読んだことがなかったのですが、何となくタイトルと表紙のイラストに惹かれて購入。どうでもいいけど、最近では新刊の本もビニールで覆われて中が読めなくなっているのね。購入したのはアキヨド7Fの有隣堂だったんだけど、なんだか世知辛い世の中です。
そういえば自分の場合、いわゆる小説というジャンルはあまり読まないのです。年間多くても10冊行くことがない。ついでにいうと、ここ2ヶ月位の間、まともに本を読んでいなくて、たまにこういう短期間の本離れの時期はよくあるので気にしていなかったのですが、何かの本がトリガになって、また読書量が一気に増えるという事が多い気がします。この本はまさに今回のプチ読書離れのトリガになった本でした。
内容は、鎌倉の文房具屋であり代書屋でもあるお店を継いだ女性のお話。夏・秋・冬・春といった章立てになっています。文房具好きな人にとっては、登場する文房具の描写がタマランそうですが、むしろ自分は作中に登場する食べものの方が気になりました。そういえば、最近の文芸小説ってみんな食べものについての描写が凝ってますよね。これもブームのひとつなんでしょうか。あと、作中に登場する代筆の手紙の実物(?)が掲載してあるのも面白い。手書きの文字ってのはいいですよねぇ。
他、実在する鎌倉のお店も多数登場して「あ…この店入ったことあるな…」なんて事を考えながら、1日一章というペースを守って読みました。小説の場合は一気に読んでしまうとなんだかもったいない気もしますからね。
ネタバレになるので書きませんけど、ラストは不意に涙ぐみそうになりました。
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