東栄変成器製昇圧トランスTS-10を導入
今自分が使っているメインアンプ(パワーアンプ)は、とても古いNaimAudioのNAP250なんですが、このアンプが250V仕様のトランスを積んでいまして、以前日本でそのまま使えないかと120Vにリワイヤしてみたんですが、動作しませんでした。
まぁ…250Vトランスを並列接続にしても125Vな訳で、だから日本の100V電圧では動作しないということなのかもしれません。
もっともNaimAudioで使われている通常のトランスは240Vのトロイダルトランスで、こちらも並列接続にすれば120V仕様となり、日本で使うにはまだ電圧が足りない気もするのですが、こちらはちゃんと動作します。
そしてNaimAudio本社に問い合わせても「北米向け120V仕様は日本の100V電源でも問題なく動作する」との解答を得ています。実際自分でイギリス仕様を買ってリワイヤしちゃってるしね。
それはそうと、そのため手持ちのNAP250を動作させるには、昇圧トランスが必要となり、今までは友達から借りたトランスをずっと使っていたのですが、困った事にその友人もオーディオ熱が再燃し(笑)、そろそろ手持ちの機器を使うとの話があったので、トランスを返却する前に代替品を探しに秋葉原へ出かけました。
秋葉原でトランス屋というとノグチトランスとか春日無線とか色々ありますが、今回は元々使っていたのと同じ東栄変成器の昇圧トランスを購入しました。
選んだモデルは100V→220〜240V/1.0KVAのTS-10というモデル。
ただ、ここで一つ問題があり、トランスの出力プラグが日本ではほぼ目にしないジャーマンプラグと呼ばれる形式になっていること。この点についてお店の人に聞くと、最近ではPSE法により、日本やアメリカで使われている3PINのコンセントで240V出力の製品は作れないらしく、「ホントは作っても罰則はないんだけど、事故が起きると製造者にも責任が問われるので…」という話でした。
なので、現在昇圧トランスの240V仕様でアースが落とせる製品はこのプラグを使ったモデルしかありません。今まで使っていた入力も出力も一般的な3PINプラグの240V昇圧トランスは、PSE法が本格施行される前の製品で今では存在しないモデルだそうです。
まぁ…プラグさえ手に入ればそれで問題はありませんし、そもそも今使っているNAP250は本体側のプラグもXLRに換装してあるので専用ケーブルになってますし、そのためケーブル交換もできないので問題ありません。一緒に黒のジャーマンプラグをひとつ買ってきて、片側のプラグを付け替えることにしました。
で、このトランスなんですが、重さが8kgありまして結構ヤバい。電車に乗って持って帰ってきたのですが、ちょっと後悔する重さでした。
家に帰って早速プラグ交換。とはいっても基本電源プラグははんだも使わない圧着式なので、3PIN側の純正ケーブルをちょん切って、そこにジャーマンプラグを付け替えるだけ。一応電圧が電圧なので、被覆にキズがつかないよう慎重に芯線を切り出します。
古いトランスを「うんしょ、うんしょ…」と出窓から下ろして、新しいトランスを「うんしょ、うんしょ…」と出窓に上げて早速試聴。う〜む、トランス変わると音も大分変わりますね。
従来のトランスに比べて少し音がハキハキと元気が良い感じなのですが、少し余韻みたいなモノが消えたかも…ま、これもエージングが進めば変わってくるでしょう。どちらの音が良い悪いではないのですが、これだけ音が変わったことには驚きました。
参考に出力電圧を計ってみると、従来の昇圧トランスが238V出力なのに対し、今回買ってきたTS-10は251V出力があります。一応仕様はどちらも1.0KVA容量なのですが大分出力電圧が違いますね。ちなみに筐体のサイズも今回のTS-10の方が一回り大きく、借りていたトランス(こちらも型番は TS-10なんだけど)は重さが約6kg程です。そうそう…うちは100V電源ですがコンセントの実測値は108〜110V程度あります。
音出しは大丈夫そうなので、トランスの脚の部分にNaim Audioの純正ゴム脚みたいなのを装着。滑り止めと一応振動防止になるかなと。もっとも、これだけの大きさなのでちょっと心配していたトランスからの唸り音は、直接耳を本体に付ければかすかにブィ〜ンと聞こえるかな?という程度で問題はありませんでした。
↑新旧トランスの大きさ比較