ちちぶでぶちち
アニメの影響ではありませんが、以前からブロンプトンで秩父には行ってみようと思っていまして、今シーズン花粉の飛散がひどくなる前に出かけるかなと考えていたのです。で、先日はお日柄もよくというか、もう少し寒くても良かった気がしたのですが、無事秩父方面ツーリングに出かけてきました。
家から秩父方面って実は結構出かけやすい。草加駅より東武伊勢崎線にのり羽生駅下車、そこから秩父鉄道に乗り換えます。羽生から終点の三峰口駅までは片道1,050円かかりますので、運賃節約のため1,440円の一日券を購入。一日券を使えば草加から秩父の三峰口まで片道1,300円くらいで行けてしまうので、ウチから秩父地方は距離の割に案外電車賃がリーズナブル。
日曜朝7:05分草加発の館林行き区間急行に乗り、羽生駅到着が8:00前くらい。駅で一日券と急行券を購入して、そこから8:18発の秩父鉄道の急行に乗車。秩父鉄道の急行列車は、ふかふかクッションの対面クロスシートで、三峰口までの1時間半以上の乗車時間を考えると充分元が取れるものです。急行という割にはあまり早くないですけど。
三峰口の駅に到着したのが9:54分。この列車だと登山用途には遅いのか、車内はあまり混んでいませんでしたね。
急行を下車して改札で一日券を見せて急行券もポケットから出そうとしたら、駅員から「200円払って」と言われ、なるほど…急行券のことを言っているのかなと思ってポケットから急行券を出したら改札を通れました。
しかし「急行券は?」と聞くならともかく、いきなり「200円払って」というのは実に感じ悪いですね。慣れていない人や外国人観光客などはよくわからないで200円払ってしまうケースもありそうですがそれを狙っているのかも。悪質な物言いだと思いますので、急行下車後の三峰口の駅員には充分注意して下さい。当然ながら事前に急行券を買っていれば駅員に200円を渡す必要はありません。
さて、駅を出ると駅前には桜沢みなのちゃんがお出迎え。それが冒頭の写真です。
空は雲ひとつない晴天でしたが、微妙に気温が高い。この時期なので気温はそれなりに低いのですが、上着を着るかどうか微妙なラインですね。このまま鉄道沿いを下って秩父方面に行ってもいいのですが、何となくですが小鹿野町方面へ抜けてみようかと思ったので、前半の登りに備えてシャツ1枚で走る事にしました。
県道37号線を登っていってしばらくすると見えてくるのが双神トンネル。なんでも埼玉県が管轄するトンネルでは一番古いモノらしく、竣工が昭和18年とのことです。そんなに長いトンネルではないのですが、古い時代に作られたせいかトンネル幅が狭いので、中で車同士のすれ違いができません、注意して下さい。
坂を登ってきて体温上昇中ではありましたが、このトンネルに入るとひんやりします。さて、ここからは下りです。
割と緩めの坂をダラダラと下っていくと、近藤銘醸のある市街地に入り、更に進むと道の駅両神温泉・薬師の湯という施設が見えてきます。とりあえず寄り道して、奥にある地域資源活用センターという場所で、ここの施設本来は蕎麦打ち体験施設として使われているようですが、1日限定で普通に蕎麦も食べられます。せっかくなので昼食にしました。
普通盛りだと少ないとの話だったので大盛を選択。そばは比較的香りが強め、極上とは言いませんけど、なかなかのものでした。しかし…この場所に蕎麦打ち体験に来るかと言われると、ちょっとね(笑)。
まぁ、施設内には温泉もあるし、1日使うつもりで楽しむならアリなのかな?両神山登山の帰り道などにはありがたい温泉とお蕎麦屋さんかもですが、そういう時間でまだ蕎麦が食べられるのかは疑問。以前両神山に登った時は気が付きませんでしたが、そもそもこのルートではなかった気もします。
その後は小鹿野町中心街へ、小鹿野町といえば通過したことは何度もありますが、こうやって市街地を散策したのは初めてです。
街並みは想像以上に趣があり、中心部には三階建てのちょっとしたデパート風ショッピングストアも見られ、昔は結構栄えていたのかもしれませんね。ウィキペディアによると、小鹿野地区は県内でもいち早く教育・交通・産業の振興など各分野で近代化が進められ、西秩父地域の中心地として発展してきた。とありますから、当時は秩父地区でも有数の栄えた街だったのかもしれません。
昨今のモータリゼーションの影響か、少子化の影響下はわかりませんが、メインストリート裏には廃屋や空き地も見受けられ、今では他の地方都市同様徐々に衰退に向かっているようです。
ただ、他人事だからいえるのかもしれませんが、こういう「人類は衰退しました」系というか「ヨコハマ買いだし紀行」系というか、こういう穏やかな文明の後退的風景は見ていて悪くないなとも思います。これは私がまだ移動の自由と生活できる仕事と経済力を備えているからの視点な訳で、ある意味無責任な感情ではあるんでしょうけどね。
もっとも町民のみなさんは当然ながらただ衰退を待っている訳にもいかず、最近の小鹿野町は町おこしの活路を二輪ライダーに見いだしています。
今ではウェルカムライダーズおがのというWebサイトを立ち上げて、ライダーに優しい街づくりを目指している模様。たしかに小鹿野町付近には走っていて気持ちよさそうな峠道が沢山ありますし、クルマも少ないのでバイクには乗りやすそうであります。
町内には至る所に「ウェルカムライダー」のロゴが貼られていて、更にバイク用の駐輪施設もきちんと備えられている場所が多いです。私も小鹿野町に行って「イヤにオートバイ多いな…」と思っていたら、市街地中心部に行って疑問が解けました。そういえばこの辺の場所ってマンガのばくおん!!でも取り上げられてた気もしますし、わらじカツ丼のお店も町内のあちこちにあったな。
さて…小鹿野市街も堪能しましたし、次は秩父市へと向かいます。
小鹿野町から秩父市に抜けるルートはいくつかありますが、基本は長尾根丘陵を越える必要があるため、どうしても峠を越えなければいけません。その中でも自分は何を勘違いしたのか、一番キツいであろう長尾根峠ルートを選択。頑張ってブロンプトンで乗車して登ってきたのですが、峠ラスト直前のつづら折りで乗車を断念!ブロンプトンを押して歩くことにしました。
峠のちょっと手前には秩父ミューズパークなる謎の施設があります。パークのWebサイトから引用してみると…
この女神たちは、天地全能の神ゼウスと、記憶の女神ムネモニュネの娘であり、人々から苦しみや悩みを忘れさせ、喜びと楽しみを与え、明日の生活の糧を与える最高の女神であり、芸術、学問を司る女神でもあります。
彼女たちにはそれぞれ役割が与えられ、カリオペは叙事詩、クレイオは歴史、エウテルペは笛(音楽)、テルプシコレは舞楽、エラトは歌謡、メルポメネは悲劇、タレイアは喜劇、ポリュヒュムニアは賛歌、ウラニアは天文を司っています。
後のミュージック(音楽)、ミュージアム(博物館)、アミューズメント(娯楽)などの語もこのミューズを語源としています。
ミューズパークはそのような公園です。
とあって、なんで秩父でミューズなのかよくわからないところですが、この公園内を走れば長尾根丘陵の尾根を伝って秩父市街の方まで行けそうなので、そのまま公園内をブロンプトンで走って行くことにしました。
公園は南北(南西から東北)に伸びていて、想像以上に広く、人で賑わっていました。ここにいる人達全てが秩父市民って訳でもないんでしょうけど、秩父市って何故か埼玉県内でも結構活気がるんですよね。埼玉のチベット(失礼)とかいわれる割には、案外街中にも人が多いし、若い人の比率だって高い気もします。
それはともかくとして、園内にはこのようなレンタル自転車があって、それぞれ時間貸しされているのですが、家族連れでこういった自転車に乗っている姿を結構目にしました。尾根沿いとはいえそれなりにアップダウンもある中、こんな自転車で坂を登るのは地獄な気もするのですが、みんな大丈夫なのでしょうか?自分は絶対にやらんぞこれ。
園内は人も多いし子供連れが沢山いますので、ノンビリ時間をかけて南口から北口まで縦断。ここからいよいよ秩父市街へ降りることにします。
下りは秩父公園橋まで一気に下ります。しかし…スゴイ規模の吊り橋ですね。さらに珍しいと思うのですが、橋自体がかなりの急坂になっており、秩父側から自転車で渡るのは結構大変じゃないかな。当日もカップルがレンタサイクルみたいなので秩父側からこの橋を渡りに来ていましたが、ひぃひぃいいながら登ってきています。ただ、その後を自転車に乗った女子小学生(?)2人組が、割と涼しい顔で登ってきていましたので、これも慣れなのかな?
ちなみにアニメでお馴染みのあの花大橋は、旧秩父橋といい、ここから1Kmくらい北にあるようです。
さて、秩父市内に入ったら、とりあえず矢尾は外せないでしょう。とくにかも食品の焼きそばはおいしいんだよね!もちろん購入。ブロンプトンでなければ屋上とか登ってみたかったけど、ここはがまんして市内散策へ。
その後は西武秩父駅から秩父鉄道の秩父駅の間をブロンプトンで適当に徘徊しました。全て紹介するとキリがないので省きますが、こちらは秩父市内散策では必ずといっていいほど取り上げられる、角が丸い商店。昔はたばこ屋さんだったそうです。
このように市内にはモダンな雰囲気がある建物がいくつか点在しています。このメインストリートには観光客も大勢いました。これもブラタモ効果かな?秩父市は何度か来たことがあるのですが、ここまで人はいなかったような…。
さて、秩父市街も堪能しましたし、後は適当に好きなだけ走って秩父鉄道に乗って帰るだけ。時間もあったのでもう少し秩父盆地を下ってゆきます。
次に訪れたのは、皆野町の旧矢尾。みなののやおと言えば去年の夏に閉店してしまったんですよね。近年は家具専門店になってしまっていたので、地方百貨店ファンの自分もなかなか足が向かなかったのですが「いつまでもあると思うな親と地方の百貨店」ですかね。
ちなみに矢尾の家具売り場は、本店の矢尾横にあったカルチャー館がなくなって家具売り場が移転してきています。
矢尾の市街もかつては結構人通りが多かったんだろうなと言う雰囲気です。人通りはありませんが、道の作りや街の構造が、モータリゼーション前の濃密だった空間の面影が残っています。
せっかくなのでみなのやのの隣にあった味の店ヤマブというお店に寄って、秩父味噌を購入してきました。
さて、ここで時間は16:00を過ぎていますので、とりあえず長瀞まで走って終わりにしましょう。皆野駅から長瀞駅まではブロンプトンで10分程度。長瀞駅前はすっかり今風に開発されていて、ここは軽井沢か?ってなもんの賑わいでした。人も多いしオシャレな山ガール(古い)風な女性も沢山います。
ここから帰りも急行に乗って帰ろうかなと思ったのですが、登りの急行は熊谷駅までしか行かないようで、それに急行料金払うのもアホらしいので、その後の16:28分発各駅停車に乗って羽生駅まで戻ります。そこから東武伊勢崎線に乗り換えて草加駅まで。
BeeLine Naviで算出した当日の走行距離は、およそ70kmくらいとなりました。
↑秩父市内は今でも「あの花」圧がつよめ。
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