LINN ASAK
伊藤さんが作ったからITTOK、のアームに、朝倉さんが作ったからASAK、のカートリッジを組み合わせてみました。
このコンビ、ある意味LINN Classicとも言える組み合わせで、LINNにとって初めての製品であるLP-12の発売が1972年、そしてその次の製品がこのASAKというカートリッジで1978年にリリース。その一年後の1979年にITTOK LVIIというアームが発売されて、ようやくLINNのアナログオーディオラインナップが完成します。
ちなみに、ITTOKの後に付くLVIIという文字は以前だと単なる型番かと勘違いしていて、ひょっとしてLVIなんて製品が存在したのか?なんて思っていましたが、こちらのページによると、「Las Vegas」で出会った「Itoh & Ivor」とのことで、本来のLVIIとは「エルブイ、ツー」ではなく「エルブイ・アイアイ」ということみたい。ちょっと面白いですね。
さてこのASAKですが、とあるオーディオ評論家の方が使っていたもので、色々あって私の所にやってきました。そのため状態は完全で、今でもいい音を奏でてくれます。
もっとも発売は40年前、一番新しい状態だとしても30年前に製造されたカートリッジなので、初期性能を維持しているのかはわかりません。早速家にあるLINN BASIKというターンテーブルで聴いてみました。
まず感じたのは、普段使っているIKEDA 9cに比べて優しい音だなと。
優しいというのは語弊があるかな?なんというか、IKEDAのカートリッジにある危なげな印象…刹那な感じがなく、極めて普通のカートリッジの音。この辺ちょっと説明しにくいんですが、IKEDAの音って音はいいんですが、なんだか聴いてて緊張感あるんですよね。そういう印象がありません。
音のレンジは、中低域重視かな。ベースやドラムに独特の張りがあります。もちろん高い音も綺麗に出ますが、上も下もレンジを欲張る音ではありませんが、必要な音はしっかりと出ていて更に中域付近に独特の濃さがある。言葉にすると「ナローな音なの?」と誤解されそうですが、全然そんな事はありません。この音の表現は、まさにClassic LINNのイメージそのものですね。とにかく、レコードをとっかえひっかえ演奏するのが楽しくなります。
カートリッジのトレース性もよく、レコード盤面の状態はあまりシビアにならなくても、ちゃんと音溝に沿ってレコードを演奏してくれます。この辺IKEDAは盤面の状態にシビアですからね。それだけでもなんだか優しい気持ちでレコード演奏できそう(笑)。
モノが古いので、いつまでこの調子を保ってくれるかわかりませんけど、それまではちょくちょくと引っ張り出してレコードを演奏させ、余生を全うさせようと思っています。ちなみにLINNのオールドカートリッジだと、KlydeとK5も持ってるんですよね。
↑表面?のLINN ASAKという文字が可愛いんだけど、アームに付けると見えません。