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▼2019年06月29日

1本5000円のレンコンが馬鹿売れする理由/野口憲一

https://live.staticflickr.com/65535/48147918226_768cc1271c_m.jpg 皆さんレンコンとはどのような環境で育っているかご存じでしょうか?つか、泥水の中で育つという漠然としたイメージの他は、意外と知らないんじゃないかなと思います。

 まぁ…自分もそんなに詳しいわけじゃないのですが、茨城県の土浦市レンコン畑付近は、別荘への行き帰りにクルマでも自転車でも良く通る場所で、友達と一緒にいるときは「きっとこの辺りにはレンコン栽培で財をなしたレンコン御殿があるよ」なんて冗談で話したりしているものです。

 秋のシーズンになると、たまにレンコン畑で収穫している人を見かけたりするのですが、その姿は見ているこっちが不安になるくらい深い泥の中を農家の人が歩いています。ただ、私にとってはある意味他人事なので「大変そーだなー」なんて思いながら通り過ぎるだけなのですが。

 で、この本。
 表題にある1本5000円が、自分でレンコンを買う経験がほぼない自分にはどれだけすごいのかよく判らないのですが、とにかくすごい付加価値を付けた製品だというのは理解できます。確かに今の日本の農業は合理化が求められるとはいえ「生産するほど儲からなくなるシステム」というのは理解できます。もっとも個人的には全ての農産物が「生産するほど儲からなくなる」ばかりではないとは思っていますが、確かに米などはその通りだと思います。良くも悪くも日本の農業はJAに首根っこ抑えられてますからね。

 内容には触れませんが、面白かったです。割と一気に読めましたが、本書の例はあくまでも成功体験です。日本の農業がこの事例を参考にすれば復活するという話ではないと思いますが、少なくとも農業に対する考え方は、この著者のようにもう少しラジカルであるべきかなと思いました。

PC010960

 ちょうど、去年この辺りを走った写真が残っていました。この本に登場する野口農園は、この写真のもう少し右側の方にあります。
 しかし…レンコン畑は元々米を栽培していた場所だということは知りませんでした。私はもともとこの辺は底が深い沼地で、田んぼには向かない土地なので、稲作ではなくレンコンを栽培することにしたのかなと思っていましたが、間違いのようです。昔はお米を作るよりレンコンを栽培した方が儲かったとのこと。

 ちなみに、この地区、霞ヶ浦に着き出した半島の東側では同じ低地でも稲作が主流みたいで、高浜側では何故レンコン栽培があまり盛んでないのか、何か理由があるのかな?
 その辺り一帯の米農家については、今井正監督の米という映画の舞台になっているので、興味がある方は是非ご覧下さい。

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