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▼2019年12月31日

BALMUDA The Gohan K03A

PC301355 おいしくごはんが炊ける高級炊飯器…なるキーワードが注目されるようになったのはいつ頃からなんでしょう?

 私が子供の頃だと、炊飯器というのは積極的に選んで買う家電製品ではなく、どちらかというと必要に迫られて買う類いの家電で、そのため購入に際しては性能差などほぼ比較されず(せいぜいサイズくらい?)、一流メーカー品の製品で一番安く買えるものを買う、程度の家電だった気がします。
 機能についても炊き上がる米のおいしさは、キャッチコピー程度で謳ってはありましたが、例えば「早炊き」とか「保温機能付き」とか「蓋が外せて丸洗いできる」的な部分の性能で競っていて、各社の製品で炊き上がるご飯の味が変わるなんて、まともに検証もされていなかったような…。

 ザッと調べると、日本で(というか日本以外ではないでしょうけど)高級炊飯器が注目されるようになったのは、西暦2000年代に入ってからのようで、2003年にはスチーム圧力機能付き炊飯器、2006年には内釜に炭素素材を使った炊飯器などが登場し、おそらく2010年以降ですかね、大手家電量販店では、それぞれの炊飯器で炊いたご飯の試食会イベントなども開催されるようになりました。炊飯器によって炊き上がったご飯の味が違う!という一般的な認識が広がったのもその辺りからだったような気がします。

 さて、個人的にもこの「おいしいご飯」というのは、割とプライオリティが高い項目であり、自宅の炊飯器はなんだかんだでここ10年位で2度ほど買い換えています。家電マニアならいざ知らず、普通壊れるまで買い換えない類いの家電の割に我が家では買い換えの頻度が多いような気もしますが、他の家庭ではどうなんでしょうね?結構買い換えてるのかな?

 まぁ…最近流行の10万円越え高級炊飯器をポンポン買い換える訳にはいきませんが、自宅の炊飯器は実売4〜5万程度の製品を選んでいます。そして買い換える度に確かにご飯の味が変わるのですが、最近の傾向として炊飯器で炊くお米がどんどん柔らかくなっていくのがイマイチな気がしていました。
 特に今自宅で使っている炊飯器は、確かに昔から比べるとおいしく炊き上がったご飯なんでしょうけど、私にとってはちょっとご飯粒が柔らかすぎ。10万円越えの高級炊飯器ならまた違うのかも知れませんけど、近年のトレンドは「ふっくらモチモチ」なご飯のようで「しっかりシャッキリ」なご飯が好きな自分にとって、ちょっとなぁ…と思ってはいたのです。ただ、家族は今のご飯が気に入っているようなので、どちらかというと自分の方が異質なのかな?

 なんて思っていた中、別荘用に小さいサイズの炊飯器買ってもいいかな?なんてぼんやり思い始めていたこともあり、ここの所炊飯器について少し調べていたのです。

 調べていくと、近年の炊飯器の基本はやはり「ふっくらモチモチ」系の炊飯器が多いようで、非圧力型で「しっかりシャッキリ」なご飯を追求しているメーカーは、三菱電機とバルミューダが主なメーカーみたい。そんな事をぼんやり思っていた昨今、このバルミューダの炊飯器が訳ありですごく安く売っているのを見つけてしまい、買いました。事前に下調べしてあったので、売値見て即決ですね。サイズ的にもこの大きさで非圧力型って珍しいし、それと見た目もカッコいい。毎朝日常で使う用途ではないので、見た目は大事w。

 このバルミューダ・ザ・ゴハン(こういう名前なのは買ってから知った)、買ってからネットで色々と評判を調べてみると、メディア系の媒体では絶賛が多いけど、ガジェット系や主婦系のブログを調べると、意外と賛否が多い。
 まずは「保温機能がない」ことと、お米を入れる部分以外、外釜に水を入れる必要があるので、毎日使うには洗い物が増えて面倒、そして炊き上がりのご飯に対する不満とか…まぁそんな感じ。
 保温機能と洗い物が増える点については、ある意味私の場合は日常使いではないので全然OK。問題は炊き上がりのご飯に対する不満なのですが、むしろこの点も自分にとっては利点です。最近のご飯は軟らかすぎる…ってのが自分の不満でもありましたので。

 前置きが長くなりましたが、早速お米を炊いてみました。
 まずは本体の時計を合わせてから、外釜と内釜そして蓋を水洗い。付属品である外釜に入れる水の計量カップと、お米の計量カップ(マスになっているのが渋い)も洗います。
 そして、外釜に水を200cc入れて、内釜に米1合とお水を入れて本体にセット。普通の炊飯モードを選んでスイッチオン。炊き上がりまでは60分かかります。そういえばネットでは「炊き上がりまで60分もかかる」的な記事もいくつか見ましたが、バルミューダの場合は米を水に寝かせる必要がありません。その工程も炊き上がりまでに含まれているそうで、お米を洗って内釜に入れて水を入れてすぐにスイッチオンして問題ないそうです。そう考えると実質炊き上がりまでの時間は30〜40分とも言えるのですが、最近だとお米を水に寝かせて炊く人も少ないのかな?

 スイッチを入れてしばらくは動きがありませんが、およそ30分を超えた辺りで本体上面後ろにある水蒸気排出口から結構な勢いで水蒸気が出ます。つか、一昔前の炊飯器だってこれくらいは水蒸気出た気もしますが…まぁ、設置場所は少し気を使った方がいいかも。棚に押し込んで使うと水蒸気で水浸しになると思います。

 60分経つと本体から電子音が鳴って炊き上がりを知らせてくれます。一応保温機能がないので、炊き上がり直後が食べ頃なんでしょうけど、いくら保温機能がないといってもしばらくはご飯も冷めません。ただ、炊き上がり後何分経ったかというタイマーが自動で作動するので、これは気が効いているなと思いました。
 そういえば自宅の炊飯器でも基本的に保温機能は使ってませんでした。つか、保温機能に頼って数時間保温できても、時間経つとご飯まずくなるんだよね…当然かも知れませんけど。なので元々私にとって保温機能はどうでもよかったのでした。

 で、炊き上がりのご飯は私的には絶品!
 「あっ!おいしい!何これおいしい!何これ新しい!すごくおいしい!!私超頑張ります!」なんて思わず某まぞくのマネとかしちゃうくらいおいしい。
 どうおいしいのかというと「しっかりシャッキリ」なんですよね。具体的に言えば土鍋で炊いたごはんに近い。それかキャンプでご飯炊いてすごく成功した!ときの味。これいいですよ。すごくおいしい。何これおいしい、何これ新しい…って、もういいか(笑)。炊飯器市場が活性化したお陰で、炊き上がりのご飯にも多様性が生まれてきたということでしょうか。

 なので、このバルミューダ・ザ・ゴハン。万人にお勧めできる炊飯器ではありません。でも、炊き上がりのご飯の種類を正しく理解できて、なおかつ小家族世帯な人にとっては、実に素晴らしい生活のお供として活躍してくれると思います。あとはトラブルの発生比率ですかね。残念ながら自分の中の評価では、バルミューダの家電は耐久性に難アリというか、意外と故障が多い印象。この先も故障せずにいてくれるといいのですが。

PC301378

 鮭飯も試してみました。つか、こんなのおいしくない訳がない!的うまさでした。土鍋炊きに近い炊飯器だからこその会心の出来です。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro



▼2019年12月26日

SONY TA-4650

PC261318 入手したのはもう1年以上前の話なんですけどね。
 確かドフのジャンク品で3,000円だったかな?動作確認して一応音が出たし、DC漏れもさほどなかったので確保してきました。

 ただ、さすがジャンク品だけあって、いくつかトラブルも。

 まずは、ボリウムの部分、このアンプのボリウムノブはちょっと面白くて、同軸でプリセット用のボリウムがあります。メインボリウム奥の部分をひねると、普段使うボリウム位置を設定できて、手前メインボリウムをひねるとその設定した部分でクリック感があり、いつも聴いているボリウム位置を記憶させられるという機能。面白いのですが、実際はクリック位置の前後のボリウム微調整がしにくい。ここが大幅にズレていたので修復しました。まぁ…こんなのは簡単。

 もう一つ問題だったのが、通電後に回路が温まってくると、スピーカーからバリバリとノイズが出る。これは…ヘタをすればスピーカー飛ばすので、ちょっと怖くて使用を中止。いずれジャンク品でオクにでも出すかと思って放置していたのですが、3ヶ月くらい前に何となく引っ張り出してきて、出品前に少しでも整備しとくかと、トランジスタの足を歯ブラシで磨いてワニスでコーティングしたら、ノイズの症状は治った模様。トラブルの原因はトランジスタのウイスカ現象だったのかな?

 それでもメインスピーカーにつなぐのは怖いので、それから3ヶ月くらいPC用スピーカーでPC音源用アンプとして使っていたのですが、その間トラブルはなかったのでいい加減大丈夫かな?と、現在のメインであるDitton66に接続してみました。

 このTA-4650は出力段にV-FETを使用したDC構成のアンプとして有名。SONY一連のV-FETシリーズとしては一番安価なモデルではあったのですが、1976年当時の定価は84,800円だそうでそれなりの高価格機種でした。今の価格だと15万〜20万円のアンプってイメージでしょうか。

 ステレオサウンドのNo.33を引っ張り出してみると、このTA-4650に関するテストリポートが掲載されています。

PC261319

 概ね好評な評価ではありますが、評論家の皆さんが少し戸惑い気味なのが面白い。
 音の特色は「声の上に何か付帯音が付く」という感じだそうで、中高域に独特のキャラクターを感じるとのこと。自分で聴いても確かにそのようなイメージは感じます。何というか、低域と中高域で別のアンプが鳴っているように聞こえなくもない。これがV-FETによるもなのか何なのか分かりませんけど、確かに個性的な音です。低域はやわらかく、高域は少し堅い。

 もっとも、こういう書き方をするとマイナスみたいな印象ではありますが、私個人としては面白い音だと思います。中高域の音は堅いけど何かとろん…とエッジが溶け落ちているというか、硬い石の上に薄く柔らかいものでコーティングしたような、そんな耳障り感があります。いずれにせよ他のアンプではあまり聴けないちょっと面白い音です。

PC261323

 同じ号のステレオサウンドには、TA-4650の見開き広告も掲載されています。「すきとおる秋の空ようなクリアな音を聴いたなら…もう、その魅力だけで15万円のアンプにも匹敵すると言えるでしょう。」と、自信たっぷりです。

 自宅のDitton66で鳴らすと、ちょっと低域のパワーが足りないかなあ…なんて思うのですが、この中高域の音は独特で結構クセになります。本機はプリとパワー段を切り離して使えるので、純粋にV-FETを堪能したいのなら、上質なプリアンプを奢ってあげると面白いのかもしれません。
 私としては、このV-FETは既に生産されていない貴重な石なので、あまり無理をさせずに、のんびりと使い切ってあげようかなと思っています。

 最後に簡単なバイヤーガイド的な情報を。
 このエントリ書いている時点でのTA-4650の価値ですが、中古価格はオクなどでは完動品で1万円前後?今だともう少し行くのかな…いずれにせよ終段が壊れると修理不能なのでこれは運ですね。中古販売店ではもう少し価値があって、きちんと音が出るなら概ね3〜4万円くらいで取引されているようです。人気という程でもないですが、V-FETマニアというのはそれなりにいるみたい。
 ジャンクだとそれこそ数千円ですが、当然ながら音が出ない状態のジャンクは終段が死んでいる可能性があるので、その場合は修理はできません。一時期は中国製らしいV-FET互換の石が出回ったらしいのですが、なんでもSONY製の石とはバイアス電流が違うらしいのでそのままでは使えないという話。まぁ…そこまで手間をかけて修理するモノかな?とは思いますが、確かに個性的なアンプではありますので、ハマると抜けられないのかな。
 ファンが多いせいか、このTA-4650に関してはWebで検索すると修理情報がそこそこ拾えますので、腕に自信がある方はジャンクを探してチャレンジしてみるのもいいのかも。

https://live.staticflickr.com/65535/49077691161_b525d3b28a.jpg

 こちらは自分で修理…といえるモノではないですが、基盤上にあるトランジスタの脚を磨いて、その上からワニスを塗っているところ。このクラスのアンプとしては珍しく、各セクションがドーターボード形式で取り外せますので、整備性はとても良いです。
 それらをつなぐ配線などは、紐でキッチリと縛ってあったりして、この価格帯のアンプでこういう手作り感あふれる構造は珍しいというか、当時のソニーの戦略価格機種だったんだろうなぁと感じます。

OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

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