トップページへ

オペルが国内販売打ち切り

flatearth.Blog* » MGFとクルマ » オペルが国内販売打ち切り

 オペルが日本国内での販売を打ち切るそうだ。一応残念だとは言っておきます。

 オペルでは、確かにヴィータはいいなと思っていたけど、アストラ/ベクトラ/オメガなど、はっきり言わせてもらうと、わざわざ輸入車買うのに、なんであんな車を選ぶのか理解に苦しむ感じだった。正直この日本で、ベンツ・BMW・アウディ・VWなどの強豪と張り合うのは難しいだろう。オペルみたいな無個性をウリにした車に乗りたいのなら、それこそ日本にはトヨタやニッサンなど色々あるしね。
 繰り返しになるけど、いいなと思った車種はヴィータくらいだな。アレはちょっと欲しいと思った時期があった。他にはスピードスターもね。それ以外の車種は、どうでもいいというか、どんな車だか思い出せないくらい印象の薄い車だった。

 ちなみに、長くなるけど以前MIXIで書いていたベクトラ試乗記を再掲載。このときの印象も、大体上記と同じような感想だった。

 昨日(2006/02/14)はオペルのベクトラに一日中乗っていた。普段乗っているアウディと比べて、色々思うところがあったので、雑誌のインプレ風に印象をまとめておこうと思う。

 今回乗ったモデルは、現行1世代前のモデル。外見に関しては、好みの問題もあるので何とも言えないが、マッチョで漫画的なスタイルは、個人的にあまり格好いいとは思えない。初代プリメーラに似ていた頃のベクトラは端正でシンプルな形をしていたと思うが、このベクトラは、ボディについている各パーツのモチーフをエスカレートさせたようなスタイルで、やや子供っぽいと思う。もっとも、最近の欧州では、こういった「エスカレート風」デザインが流行だとのことなので、これもトレンドに乗ったスタイルということなのだろう。今回乗ったベクトラのカラーリングは紫。このテーマのスタイルには、それなりに似合っているとは思う。
 そんなこといいつつも、最新モデル(といっても3年前登場)のモデルは無国籍風のデザインになって登場したね。あんなんで売れるのかいな?なんて私は思うんだけど、実際はどうなんだろ。

 乗った車はもう10万キロを超えている大古車。その割にはボディはしっかりしている。まず乗り込んで思ったのは、シートがあまり良くない。ヘタっているとかそういう問題ではなく、妙に座面中央が高くてクッションが堅いものだから、あまり腰の据わりが良くない。これは本革シート仕様というのもあるのかもしれない。もっとも、本革とはいっても、実際肌に当たっている部分は革じゃないんだけどね。これはどんな車でも同じ。
 乗り出してみるとエンジン音はかなりガサつ。この評価は走行距離も加味する必要があるのかもしれないが、エンジン自体の調子は悪くないみたいなので、おそらく新車時からこんなものなのだろう。音はガサつでも、妙な振動はあまりないので調子はいいのだと思う。
 アクセルペダルとブレーキペダルの位置は、やや車体中央にオフセットした感じであまり良くない。一昔前の左ハンドル仕様を無理矢理右ハンドルに直していた時代の車みたい。乗った車は勿論ATなのだが、ATにしてはブレーキペダルが小さいのも気にくわない点。何故なら、私は左足ブレーキを多用するからだ。
 ハンドルは重目。タイヤの空気はきちんと入っていたが、この辺はタイヤの状態(溝ではなく経年劣化)にも左右されるので、新車時からこの状態なのかはわからない。個人的には重目の方が好きなので、好ましいと思った。ハンドル周りで細かいところだが、コラムについているウインカーレバーが短くて感触が良くない。もっとも、この短目のレバーは最近の自動車全体のトレンド。この車だけの問題ではない。
 がさつな音を出すエンジンだが、仕事はきちんとしている。特に低速トルクがきちんとでているのがいい。ただ、渋滞時などの低速時のスロットルコントロールがちょっと気むずかしかったので、アクセルペダル自体にチューニングが入っているのかもしれない。
 コーナリングに関しては、こんな状態の車なので参考にならないとは思うのだが、アンダーステアが強めに出る上に、そのまま速度を上げていくと、スリップするというより、ころんと外側に転がっていってしまうような感覚だった。ただ、この辺の感触についてはサススプリングの状態やダンパー、あるいは各部のゴムブッシュ、果てはボディ自身の劣化など、新車の状態とは全く違うファクターが多すぎて参考程度の評価にならないと思う。もっともこの個体、10万キロを超えているにしては挙動が安定していたので、ボディ自身の状態はいいのだと思う。
 他細かいところでは、空力に配慮したであろうドアミラーが見づらく、ルームミラーも小さくて見づらかった。これは新車だろうが大古車だろうが同じだね。

 室内は、なんというかちょっと「狭いな」という印象。実際の寸法に関しては、オペルの車は同クラスの車よりも室内が広かったりするのだが、どうも腰より下が窮屈な感じがする。これは私が歴代オペルで常に感じている点。スペック的に足元が狭いという事じゃないと思うんだけど、何故かそんな風に感じてしまうのが不思議。
 空調などの各種操作ボタンが妙に大きくて野暮ったいのもオペルの特徴。まあこの点に関しては、むしろ外車っぽくていいと感じる人も多いと思う。困ったのがパワーウインドウのスイッチ。まさかこのクラスの車でセンターコンソールに付いているとは思いもしなかった。またそのスイッチの位置も、センターコンソールの結構下の方にあるので、手探りでスイッチを探り当てるのに少し手間取った。慣れればどおってこと無いのかもしれないが、ユーザーに慣れを強要するデザインはあまり誉められるものではない。逆に、走行前に操作すれば基本的には使わないであろう電動ミラー調整スイッチが、ドアアシストグリップの目立つ位置に装着されていたりして、どうも操作系全体のデザインがこなれていない印象。

 まあ、ベクトラのライバルなのかという議論はさておき、単純に同じような排気量と同じようなボディ寸法、同国籍の車では、VWパサート、アウディA4、BMW3シリーズ、メルセデスベンツCクラスなどがあった。これらのライバルと比べると、オペルのベクトラはあまりにも普通の車でしかなくて、日本市場で戦うにはちょっと辛いんだろうな…と思った。クルマ自体は悪くなかったけど、あえてベクトラを選ぶ意味が希薄だ。

|オペルが国内販売打ち切り|


« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ