銀座 五十音【ごじゅうおん】
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銀座に五十音という、ボールペンと鉛筆をセレクトしたショップがあり、そのオーナーが書いたという本を読んでみた。
内容は、文房具に関する直接的な記述は少なく、どちらかというと文房具に関する思い出とか小話とか、感じたこととか、そういった事をまとめたエッセイ。柔らかい感じの文章が心地よい本だった。
この銀座の五十音というお店には、かつて一度行ってみたことがある。狭い店内にはいると、何やら常連みたいな人数人がオーナー(?)を囲んで喋っていて、ただでさえ狭い店がそれらの人に占領されていて、ろくすっぽ店内を見回ることができなかった。故に、私自身としては、このショップの印象はあまり良くない。こういったショップではお客さんとのふれあいも大事だと思うが、過度のなれ合いは、普通のお客さんにとっては不愉快だということを認識してほしい。
なんて偉そうなことを書いたが、不特定多数のお客を相手にする量販店と違って、それなりに個性の強い個人店な訳で、そう考えると、多少自分にとって気に入らない事があったくらいで文句を付けても仕方ないのだろうとも思う。そもそも昔の街の商店というのはこういうものだった。
せっかくいい気持ちになれる本を読ませてもらったことだし、気を取り直してまたついでの時に行ってみて、何か珍しいボールペンでも買ってこようかと思っている。
ボールペンとえんぴつのこと―銀座の小さな文具店/宇井野京子