日本映画が好調
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今日のNHK、クローズアップ現代で特集しています。確かに邦画界は好調ですよね。私も去年は久しぶりに何度か映画館に行きました。
ただ、このテレビで言うように「最近の映画の好調は優秀なプロデューサーが映画をコントロールして…」などと浮かれていていいのかな?なんて思います。
私が思うに、最近の邦画の好調は、まず間違いなく、郊外型のシネコンの存在と、テレビ局の映画進出、その二点に集約されると思います。
つまり、シネコンがこれだけアチコチにできる前は、私達が映画を見たいと思っても、わざわざ混んだ都会に出かける必要があった訳です。都心に住んでいる人にとってはまあ許容できる事かもしれませんが、地方に住んでいる人にとって、映画館がある街に出かけるということは、わざわざ車を乗り付けにくい大都市の駅前繁華街みたいな場所に出かけて、そこでまた混んでいる駐車場に行列して、高価な駐車料金を払った上に、高価な映画料金を払って映画を見なければいけなかったのです。こんな環境で映画なんて見る気になれますか?なれないとおもいます。
しかし、最近のシネコン進出により、映画は地方都市に住む人にとって、より身近なものになりました。車で乗り付けて、買い物をするついでに映画を見る、なんてスタイルが可能になった訳です。また、シネコンは最終上映時間も遅くなりましたので、夕飯を食べた後にフラッと車で映画を見に行く…なんて事もできるようになりました。
この環境の変化は、映画にとって非常に重要な点だと思います。
あとは、テレビ局の映画への本格進出でしょうか。去年は邦画が好調だといいつつも、背景にテレビの存在がない日本映画は殆どありません。大体はテレビドラマの映画化、あるいは制作段階からテレビ局が絡んでいるという映画ばかりです。そんな映画をテレビ局の自社広告扱いにして、スポットでCMをガンガン流す訳ですから、知名度が上がらない訳がありません。
そしてそこにシネコンという環境。週末に買い物に行くついでに、ちょっと早く家を出て、テレビで話題のあの映画でも見てみようか…そんな流れが殆どなのではないでしょうか?
もちろん、この流れが悪いとかいうつもりはありません。ただ、今日のクローズアップ現代の視点のように、映画を作る側が「最近のヒットは、映画業界に才能を持つプロデューサーが活躍したおかげで…」なんて自画自賛しているようなら、邦画界の好調はそう長い間続かないのではないかと思います。
忘れてはならないのは、映像メディアで好調なのは映画だけではないのです。例えばテレビアニメーションの世界でも、最近は一週間に制作される作品が60~70本ともいわれています。つまり映像の分野ではアニメーション業界も、空前絶後の好景気に湧いています。
そして、それに伴い、セールスDVDの出荷数もうなぎ登り…。現在好調な映像コンテンツは、何も邦画界だけではないのだ…ということを、きっちり認識しておく必要はあると思いますね。