江戸という幻景/渡辺京二
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「江戸時代、というよりその時代に生きた人々の話をしたい」
という言葉で始まる本書は、江戸という時代の歴史書ではなく、江戸時代に生きた人々の生き様を、色々な文献からひもといていく本。前作「逝きし世の面影」が、あくまでも外国人から見た江戸時代というものを記していたのと違い、こちらは主に、日本人から見た江戸時代というものが中心となっている。
乳離れしたばかりの子供に無理矢理「鰒」を食べさせようとして「当たって死ぬなら今のうち」と言ったエピソードには笑った。著者も思わず「当たって死ぬなら今のうちとは何事であろう」と驚嘆している。
確かに、江戸時代の人間にとっては、今私達が考えている様々な常識とは大分違った部分があるようだ。そして、どこか楽しげな彼等の生き様が、少しうらやましく思える。
「逝きし世の面影」を読んだ後、気楽に読んでみるのがお勧め。
江戸という幻景/渡辺京二