少女七竈と七人の可哀想な大人/桜庭一樹
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辻斬りのように男遊びをした…母親から生まれた“鉄”の美少女が、親の呪縛から抜け出して大人へと成長する小説…といってしまえばそれまでなのですが、一見時代がかった文章で表される不幸は、不思議とやや湿り気があるおかしさに溢れている…そんな感じでしょうか。面白かったですよ。
「おかあさん、もう、男の人のことばかり考えるのはよしてください。私を見て。私をかわいがってください。私はあなたの娘です。」というセリフはちょっと可笑しかったけど、女は娘を生んで娘に裁かれる…というのは、なんだか妙なリアルさで、女の人生も楽じゃないなと思いました。
少女七竈と七人の可愛そうな大人/桜庭一樹