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国井的旅の力/国井律子

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 ああ…ハーレーに乗っている姉ちゃんね。というくらいの認識しかなかったのだが、本屋さんで平積みになっていたのを手に取ってみると、何となく先が気になってきたのでつい購入。
 本書の場合は、旅そのものというより、旅にまつわるモノや考え方など…そういう周辺エッセイみたいなモノが多く、逆にバイクの旅そのものにはあまり興味のない私でも比較的楽しく読む事ができた。

 そういえば、私の人生ではバイクに乗るチャンスがありそうでなかったな…というかこの先もないと思う。それとひとつ苦言を言わせてもらうと、バイク乗りってちょっと閉鎖的で人を見下すような印象ってない?ないすか?(笑)

 中型免許を持っている私がバイクに乗らなかった訳は、ひとつはバイクの免許を取ったときに何故か自転車が楽しくて仕方なくて、正直バイクを買う金があったら自転車を買う方がいいと思っていた事。もう一つは当時常連でも何でもない偶然入った世田谷の飲み屋のマスターに「バイクの免許持ってるのにバイク乗ってないの?そんな根性なしじゃだめだ!」などと訳の判らない因縁をつけられた事。
 確かそのときの私は思わず「いや…バイク何かより自転車の方がずっと爽快で自然と一体で楽しいですから」などと反論してしまった覚えがあるのだが、そのとき、身も知らない他人(しかも客)に、バイク乗りというだけで先輩ズラする人間模様を見て無性に腹が立ち「ああ…この先バイク乗りには近づかないようにしよう」と固く決意してしまったんだよね。当時身近な友人が熱心にバイクを勧めてくれていたのだが、そういう事もあってその友人には申し訳なかったけど、私はすっかりバイクに興味が失せてしまっていた。今思うとそんな事でバイクに乗らない事を決心するというのもアホな話なんだけど、当時はかなりムカムカきたな。
 あとまあ…風を感じる…という点からすると、ヘルメットなしで直に風を感じる事ができるオープンカーの方が、私としては「風を感じる事ができる」と考えているのもあるけど。

 そんな過去の恨み事(笑)もあり、何となく今までバイク乗りの書いた文章というのは敬遠していたんだけど、本書に限って言えばそれなりに面白かったかな。
 あまり他の著作を読んでみようとは思っていないけど、女性が書く旅についての話は、男性みたいに変にロマンチックにならないのがいい点かもしれない。

国井的旅の力―旅が教えてくれた本当に使える”モノの力” /国井律子

|国井的旅の力/国井律子|


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