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オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫

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 この本に書いてある事のほとんどは、私も共感できる。確かにヲタクのイメージはメディアに消費され死につつあると思う。いや…消費というか浸食か。
 私が若い頃憧れていたあの世界は、私が大人になるのと同時に消え失せてしまった。残っているのは萌だの何だの言いながら、メディアによって与えられたちょっと風変わりなモノを消費しているだけの、単なる消費者の集まりでしかない。
 私が以前から言い続けてきた「ヲタクにとってアニメは基礎教養」というような世界も笑い話になるだろう。残るのは単なるマニアだけだ。…ま、元の世界に戻るだけだと言えばその通りなのだが。
 特に本書の後半にある「SFは死んだ」という下りには、非常に共感できるものがあったな。

 ヲタクが死んでこの先どうなるか…。本書では注意深く肯定的に書いているように見えるが、私としては、この先の世界はみんなで引きこもりになるしかないんだろうな…という風にも読めた。だって、今引きこもりになっている人達って、そんな人達ばっかりでしょ。あれはヲタクが死んで、ただの消費者に成り下がった連中の姿そのものだよ。「私はヲタクじゃないから関係ないわ」という人もいるかもしれないが、そういう人は元から単なる消費者でしかないので、本当に関係ない。

 もっとも、そういった世界を否定するつもりはないし、消費という行為を否定する訳でもない。ただ、私にとっての憧れの世界は消えてしまった…という思いがあるだけだ。

オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫

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