オタクはすでに死んでいる…の続き
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ついでにヲタクはすでに…について、もうちょっと続きをちょっと書いてみる。本書で「オタクってバカもいるんだ…と思った」などと書いてあるが、これは私もこの通りの事を本当に思った事があるな。
私の若い頃にとって、いわゆるヲタク…と言われる人達というのは、関わるとちょっと鬱陶しい連中ではあるが、少なくとも頭が良くないとヲタクなんかにはなれないよな、と信じていた。実際まだ数が少なかったヲタの人達というのは、そういう人がほとんどであったろう。今と違って知識や情報を得るためには、それ相応のコストと知性と応用力が必要とされたからね。少なくともググって10秒で終わり…なんていう世界ではなかった。知識を得る課程にも…などというとちょっとジジ臭いが、結果としてそういう事だったのだろう。
近頃では思想家の間でもよく言われる言葉だが、今の世の中では知識と情報の区別がほとんどつかなくなってしまっている。そして昔と違って、知識はないのに情報だけは持っている暇人がネットの中を暴れ回り、人の足を引っ張って回っている世の中になってしまった。パソコン通信の時代は、ネットというのはヲタクにとっての救世主とも思えたものだが、改めて今振り返ってみると、あえて刺激的な言い回しをするが、ネットの世界とは、猿並みのバカでもググれば知識人の振りができてしまう場所だ。そしてヲタクにとって更に不幸な事は、従来の豊富な知識を持っていた人でも、こういう連中の相手をしなければならなくなってしまったという事だ。なんせモニタ越しでは、相手がどんなパーソナリティーを持った人なのか判らない訳だし。
また、ネットの世界では、いわゆる「入門」という言葉が死文化しているというのも、ヲタクが死に向かい始めた原因のひとつだろう。かつて、人はヲタクになるためには随分な勉強を強いられたものだ。
更に刺激的な言葉を繰り返すが、結局のところ「ヲタクはバカでもやれる」事になってしまったのが、ヲタクが死んだ原因なんだなという事。改めて思うと文章にするのも馬鹿馬鹿しい程当たり前の結論ではあるのだが。
ま、私だって結局ヲタクになりきれなかった訳だから、こうやって偉そうな事を書ける身分じゃないんだけどさ。正直ただの消費者でいる方が、ヲタなんかやるよりもはるかにラクチンだしね。