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飛行機の機関銃

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 飛行機に機関銃が搭載されたのは、第一次世界大戦の頃。その後機関銃は大型化と発射速度が高速化して、第二次世界大戦では戦闘機の主力兵装になった。

 当時の戦闘機はプロペラで推進する時代。特にそのプロペラが機体の前にあった為、機関銃の搭載には苦労した。何故なら、コクピット付近に機関銃を設置して前に発射すると、自機のプロペラを破壊してしまう為だ。

 その為、例えばプロペラの羽が機関銃の前を通り過ぎる時は弾丸が発射されない同調装置や、中にはプロペラ自体に防弾処理をして、当たった弾丸を跳ね返す仕掛けを付けたりなど、色々と苦労している。特にプロペラとの同調装置は比較的簡単で完成度も高く、第二次世界大戦中様々な戦闘機で利用された。

 ただ、その同調装置にも限界はあり、まず機関銃の発射速度が限られる(あまりにも速い発射速度を持つ銃では、プロペラとの同調が発射速度を制限することになってしまう)、機械のトラブルで同調装置が壊れてしまう状況を考えると、プロペラ後にはあまり強力な銃を搭載できないなど。例えば零戦などは、機首プロペラ後ろの場所には7.7mmの小型機関銃を配置して、20mmの大型機関銃は、プロペラを避け左右の翼端に配置されている。

 ただ、翼端に搭載された機銃というのは、例えばロール中など射手以上に外側を回っている為、弾道自体が安定せず、射手にとっても弾道が予測しにくい。また、翼端機銃の特性として、両翼の弾道が数百メートル先でクロスするように配置される為、射撃手の視線と弾道が一致せず、狙いがつけにくなる。
 戦闘機にとって弾道が射手の視点と一致することは非常に大事で、零戦なども銃の性能自体の問題もあるが、やはりコクピット前に搭載された7.7mmの方が遙かに目標に当てやすかったみたいだ。

 そして、以前ちょっと話題にしたプッシャー式の戦闘機。この方式の戦闘機が考案された訳は、諸説色々あるが、どちらかというと空力特性よりも、機首方向に武装を集中配置できる為に研究されたという面も大きい。

 この方式だと、弾道と射手の視線が一致する為、狙いがつけやすい上に、戦闘機で一番動きが少ないエンジン軸上に機関銃を配置することにより、機関銃そのものの弾道も安定する。震電などは、プッシャー式による速度の増大というよりも、強力な武装を機首に集中配置してB29をやっつける…といった目的が主でああいう形が考案されたようだ。

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