トップページへ

真鶴/川上弘美

flatearth.Blog* » 書籍と雑誌 » 真鶴/川上弘美

 「ものを食べると、手足の先から熱がうばわれる」

 本当にそうだよね。しみじみそう思った。

 この小説、ダメな人はとことんダメだと思う。冒頭10分読んで「入っていけない」と思ったら、素直に読むのを辞めた方がいい。人生、自分に合わない小説をいやいや読み続ける程、みんな時間は余っていないはずだ。
 でも、冒頭10分でスッと入っていけた人は、きっと、現実と幻想が繰り返し区別無く訪れるこの文体の虜になり、読後はしばらくふわふわとした気分になれるかもしれない。

 かといって、エピソード自体はふわふわとした心地よいものではない。

 改めて思ったのは、私自身の存在は、ちょっとでもいいから、誰かの記憶に残っている存在であるのか?という点。
 誰の記憶にも残る価値のない私自身を考えると、この「礼」という男の存在が、とてもうらやましく感じた。

 ここの写真系ブログで、タイムリーに「真鶴」のスナップ写真を何度かに渡り公開していて、現地のイメージをつかむ事ができたのもよかった。

真鶴/川上 弘美

|真鶴/川上弘美|


コメント(2)

はじめまして。
散歩日和のnobulinnと申します。
川上弘美さんは割と好きな作家ですが、「真鶴」は読んでいません。
せっかくなので、今度読んでみたいと思います。
ご紹介いただきまして、ありがとうございましたm(_ _)m

投稿者: nobulinn | 2009年01月13日 19:29



はじめまして。コメントありがとうございます。
nobulinnのブログは、散歩中の緩やかな雰囲気が好きで、RSSに入れて読ませて頂いています。

真鶴の写真、タイムリー(笑)で良かったです。
私ももう少し暖かくなったら、真鶴に出かけてみたくなりました。

投稿者: よっち | 2009年01月14日 08:37



« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ