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書籍としてのiPad

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100604-01.jpg さて、購入してから数日経ったiPadだが、少しずつ使い方が見えてきた気がする。

 まず良くいわれているけど、iPhoneと違い、ツイッター端末としての魅力はさほど無い。カメラが無いなどのスペック上の制約もあるが、なんというか…あの広い画面一杯にタイムラインを表示させてどうすんの…という感じで、なんだかiPhoneでツイッターをしている時のような気軽さに欠ける気がする。一応クライアントソフトは入れているが、今ではSafari経由でツィートすることの方が多い。あの大画面を生かし切るアプリが出ればまた変わるかも知れないが。

 では、iPadはどんな用途に適しているのか…というと、まだ模索中ではあるが、やはり「データ閲覧」に特化した端末なんだなぁと、少しずつ実感し始めてきた。で、私が今はまっている用途が「PDF閲覧」。これがまたいいのだ。

 実はPDF書籍…といって良いのかわからないが、以前くるまにあで連載されていた「TOKYOスーパーカー研究所」の記事を丸々PDFにして発売!というモノを買った。ただ、買ったはいいが、どうもあまり見る気がせずにそのまま放置していて、一応、iPhoneの「Good Reader」というアプリで、PDFデータを手持ちのiPhoneに入れて、少しずつ外出時に見ようとは思っていたのだが、やはりあの狭い画面で、雑誌サイズのデータを拡大縮小繰り返しながら閲覧するのは、結構苦労を強いられる。かといって、家にあるPCでわざわざPDF見るのもなぁ…という感じだった。

 iPadを買ったので、これらのPDFデータも見やすくなるかな…と思って、iPad版の「Good Reader」を入れてPDFを表示させてみたのだが、これがまた、レスポンスがイマイチで、やっぱりダメかな…と思っていた。そんな中、何処かのWebで「i文庫HD」が、PDF閲覧用として素晴らしいアプリだと聞き、丁度手元に1000円分のiTunesカードがあったので、試しに購入。ま、iPadなんだから、噂の電子書籍を堪能しないとね…なんて思いもあったんだけど。

 結果として、この「i文庫HD」が、非常に優れたPDFリーダであった。画像などが沢山含まれた、決して軽くないPDFデータを、割とさくさく表示できる。これはお勧め、大量のPDF文書を持っている人は、その閲覧目的だけにでもiPad買う価値があるのではないかと思った。

 こういう事を書くと「別にiPadで読まなくても構わないのでは?」と言われる人もいるかも知れないが、やはりその絶妙な画面サイズと、マウスやキーボードなどというかったるいデバイスを使わずともさくさくオペレーションできる快感は、実際試してもらわないとわかりにくい。
 そして、当然ながら、PDFデータにすれば、大量の書籍をいつでも持ち歩いて参照できる。ちなみにこの「TOKYOスーパーカー研究所」のデータは、ページ数にして合計1,600ページ位ある。こんなボリウムだと、持ち歩けない上に、保管場所にも困るレベルだ。

 現在、世界中の出版社が「電子書籍のフォーマット決定」について色々と動いているみたいだが、iPad用途に関していえば、もうPDF形式でいいから、じゃんじゃん出してほしい。特に、昔の雑誌で掲載されていた記事のデータ集なんて、どうせ死蔵させておいてもなんの利益ももたらさないんだから、積極的にこういう形式の出版をお願いしたいところ。

 このくるまにあのデータに関していえば、本当にただ雑誌をスキャンしただけのPDFをディスクに焼いて売っているだけで、たいした手間はかかっていない。閲覧用に最適化もされていないし、スキャンのホコリやよごれみたいなのもそのまま修正せず売っている。こんなレベルでもイイんですよ。ダウンロード販売とかすれば、コピー制限等の問題はあるにせよ、ただみたいなコストで過去の資産を商品化できる。更に、今は誌面なんてみんなデータ形式だから、スキャンせず、そのままオリジナルデータをPDFで保存し直すだけの筈。ま、出版社にとっても、色々と細かい事情はあるんでしょうけどね。

 逆に、i文庫HDでダウンロードできる小説データについては、むしろiPhoneで読んだ方が楽かも知れないと感じた。単なる活字をiPad大のスクリーンに映し出しても、私的にはあまり未来は感じない。むしろきちんとレイアウトされた雑誌を見る方が楽しいと思う。

 他にも出版物とは離れるが、iPadを使っていて思うのは、普通のWebサイトを普通にブラウザで閲覧するのが楽しいということ。iPhoneだと、そのサイズからウェブを最適化した「リーダー」のようなアプリで、さくさくとページ内のテキストと画像を閲覧していった方が便利だが、やはりキレイにレイアウトされたWebページというのは、キレイにレイアウトされた雑誌同様、見ているだけで楽しくなる。これはiPadを手に入れてから、あらためて実感できた。
 最近のWebは「RSSリーダーで大量のデータをすばやくチェキらるのが、出来るビジネスマン…」みたいな風潮が強いが、じっくりとページを眺めるのが楽しいiPadをきっかけに、ある種Webデザインの復権が起きるかも…なんて大げさなことすら考えている。

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