自分のアタマで考えよう/ちきりん
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聞けば彼女は有名ブロガーらしいです。私もひょんな事からちょっと前にこのブログのことを知り、丁度本が出版されると聞いていたので、本屋さんに並んでいた本を手に取ってみたら、意外と面白そうなので購入してみました。
この本に書かれていることは、タイトルの通り「自分で考えよう」という事。データだけを見て考えたフリをするのは止めようということです。よくこういう人いますよね。何となく情報通っぽいけど、実は全てメディアやネットのコピペ情報だったりするような。
かくいう私も、常日頃「考える」努力はしていますが、残念ながら世間から得られる情報の全てを「考え」ている暇はありません。ただ、データーから得られる結果を自分で考える…努力はしているつもりです。
例えば本書で語られる自殺率の話。最近自殺が増えています…大雑把に言えばそうなんですが、だからといって行政が「女性の生活相談」みたいな対策を行っても無意味なんです。何故なら女性の自殺はほぼ増えていません。増えているのは、1990年代終わりの経済危機で、経済的な理由で自殺する男性が増えているからです。でも、結果の数字しか見ない人は、こういう現実を知りませんし、また行政に対して無茶な要求もします。また、行政側も知ってか知らずか、本質的な対策を行う事は往々にして難しいので、表層データを鵜呑みにしたトンチンカンな対策を行ったりします。ま、これはある程度確信犯なんだろうな〜とは思いますが。
ということで、普段から考えること、あるいは考えたいと思っている人にとって、この本は割とサックリ読めてしまうと思います。あ〜そうだよね、と、共感を得られながら読めるからです。
つことで、折角なので、本書の内容について、私が考えた見解が違う所も書いておきましょう。まず、日本の不景気の所で語られる「日中韓の近代100年の歴史」について、前半50年を全て暗黒時代…とくくってしまっている点。本書は歴史書ではないので仕方ないかもしれませんが、「3国共暗黒時代」と言い切ってしまう所はもう少し考えた方が…と思いました。
あと、末の方で語られるNHKとCNN、BBCとの違い。違いの方は特に異論ないですが、NHKの報道が震災で変わった…というのはちょっと違うかなと。私が考えるに、あの震災時にNHKが人名つき安否情報を出さなかったのは、第1に被災者の名簿を収集する手段がなかったこと。第2に被災範囲と被災者があまりにも多くて、広域を対象とした放送という手段では全ての氏名を公開することが実質不可能だと判断したから…ではないかと。ただ、教育テレビでは限定的に被災者の安否情報を実名で流していたし、NHK総合とNHK教育の役割分担がよりキッチリしてきたのは、変化かもしれませんね。事象が進行中なので云々…という理由もあったかもしれませんが、チと違うかなと思いました。
ま、これは何が正しくて間違いか…という話でもないので、本書を読んだ皆さんも、色々な考え方があると思います。
思考のマトリクス化については、多いに参考になりました。私はこの部分がまるで駄目なんでね。次に企画書書く時には、彼女のやり方を多いに参考にしようと思いましたよ。
コメント(4)
たかが有名ブロガーごときに「自分のアタマで考えよう」とか言われたくないね。
投稿者: ハル | 2011年11月15日 04:52
まーまー。
所でハルさん、今年の忘年会は12月10日なんですが、如何ですか?
投稿者: よっち | 2011年11月16日 21:21
まーまー、と言われる程、怒ったりしてませんのでだいじょうびです。
12月10日。。微妙ですが、がんばってみます。
お誘いありがとう。
投稿者: ハル | 2011年11月16日 23:44
是非ご検討を!
投稿者: よっち | 2011年11月20日 09:53