のうりん/白鳥士郎
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銀の匙を読んだ勢いで、もう一つ、若人(わこうど)達の農業物語を読んでみるのじゃ!と思ってつい買ってしまった「のうりん」。読んでみたらこりゃひどい…という小説でした(笑)。
まず表紙の絵からちょっと恥ずかしいので、普段は本屋さんでもカバー断る私も、慣れた手つきで商品にカバーを装着する店員さんを静止できませんでした。
ま、表紙さえ見られなければ良いかと思って口絵のカラーイラストを飛ばして電車の中で読み始めると、数ページ後には、パイオツを手で隠した上半身裸の女の子イラストが出てきて、思わず本を閉じる羽目に。その後は警戒して電車内で読めませんでしたよ。
内容は、現在高齢化が進んでいる農業の実態を若者達の活動を通じて鋭くえぐる社会派小説ではなく、単なる萌え小説でした。でもまぁ…こういうのが人気出てナウなヤングに読まれるのは悪い事ではないのかと。
「確かに無精卵に比べて有精卵は手間がかかる。雄鳥を飼い、交尾させる必要があるからな。しかしそれと栄養価は全く別の話だ。両者の間に成分的な違いは存在しない」
あ、そうなんですね。高いし、何となく少し栄養価が違うとか思ってました。これは知らなかった。ちなみに、無精卵とは「ゴムをつけたときの卵だっ!」だそうです。
あまり内容には触れても仕方ないのですが、全体的にはヲタ向けに媚び媚びの小説で、ダメな人はとことんダメなんじゃないかと思いますので、買う前には触りだけでも立ち読みしてからの方がいいです。自分も最後まで読むのは結構しんどかったので(笑)。
正直、続刊を買うかどうかは立ち読みしてから決めることとするにして「農業すること自体が、土を傷つけることなんだよ」ってのは確かにそうかもしれませんね。
OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5
のうりん(GA文庫)/白鳥士郎