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「ヤマト2199」は、キレイな宇宙戦艦ヤマトだった

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 今、バンダイチャンネル1,000円見放題で配信されてますな。6月20日(水)までなので、興味がある方はお早めに…。

 つことで、自分も見てみました。今この作品を作る事への姿勢には否定的ではあるけど、やはりヤマトだから面白いんだろうしね。

 で、見終わった感想としては、やはり松本零士と西崎義展は偉大だったんだなぁ…と、改めて思いました。
 確かに映像はすごくキレイで、冥王星海戦のシーンとかすごくカッコいいんだけど、何かが足りないんだよね。
 例えば、沖田提督が「バカメだ」と返信させるときの乗務員の戸惑いとそれに対するガミラスの反応とか、明らかにオリジナルの方がテンポが良くて面白かった。今的な演出というか、リアルさを与えようとするとあの方が正しいんだろうけど、ちょっと肩すかし。
 それと、やはり気になったのは波動エンジンの始動時かなぁ…。島が波動エンジンを始動させるときのあの緊張感の演出がバッサリ抜かれていたのはちょっとナンだなと思った。
 その後の大型ミサイル撃墜シーンもイマイチ。確かオリジナルだと主砲発射時に船体が傾くんだよね。あのシーンは重量感があってカッコよかったんだけど、残念ながらそれもナシ。ま、理詰めで考えれば、主砲発射時に船体傾いちゃったら当たらないだろ…ってのはあるにしても、だったら…

 古代 「主砲、大型ミサイルへ照準セット!」
 島  「まだ船体が浮上したばかりで、スタビライザーがうまく効かないぞ」
 沖田 「照準への最終修正は、古代、お前の判断でやれ!」
 古代 「ぐぬぬ…主砲俯角、修正マイナス0.02度!」
 沖田 「よし、撃て〜!」

 とかいいながら、主砲を発射したら、その反動で船体が傾いて、見事目標に命中!古代の読みが無事当たり、後で沖田館長から「古代、よくやった!」と誉められる、みたいなドラマがほしかったよなぁ。
 あれじゃ、単に古代は主砲の発射スイッチ押しただけだよ。萌え…じゃない、燃えもしなかったし、ワクテカもあまり感じなかった。

 もちろん、科学の粋を集めて建造された船なんだから、エンジン始動や主砲照準に個人の「技」が入り込むのは、考証的には正しくないとは思うんだけど、そういう“人間が操ってる感”は、もう少し演出として出しても良かったのではないかと…。

 映像的にはとてもキレイだし、今の作画クオリティーであの「ヤマト」が蘇るというのは、ファンにしてみるとたまらないとは思うのだが、総じて「キレイなPV」化しちゃってるトコロが少し残念かな?と感じました。
 でも、まだ第1話だけですからね。こういう伏線も後に効いてくるのかもしれないし、まだ何ともいえませんけどね。

 噂によると、ガンダム・オリジンもアニメ化されるようだけど、このように、キレイなだけの仕上がりにはならないようにしてほしいなぁ〜と思います。

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|「ヤマト2199」は、キレイな宇宙戦艦ヤマトだった|


コメント(5)

だって「みたいなドラマが」旧ヤマトのテーマじゃないですか。
単に「お仕事」としてリメイクしただけだよね。
アナログからCDにコンバートする時に曲数を多くすれば売れるだろう、というファンの意向を無視してテキトーに途中で曲を切るのと同じだよね。
「スターシアを救うのだ!」
とたった一人の女性を救う為に帝国を壊滅させてしまうデスラーとか、が感動を呼ぶわけだからさ。

投稿者: ハル | 2012年06月18日 21:59



 「ヤマト2199」は旧作の矛盾点を独自解釈で修正し、ストーリーに上手く馴染ませているので、そこを見ると「ヤマト・オリジン」的な面白さは見受けられるよ。
 冥王星海戦ついては、旧作と2199では戦いの意味合いが違うので、当然描写が違うし。古代守と沖田十三との会話が旧作のほうがいいという声が多いみたいだけど、実はこれは「伏線」だから2199ではあのようになったんだけどね。
 2199での冥王星海戦は、「アマテラス(サーシャ)」を迎え入れるために「天岩戸(ガミラス艦隊)」を「タジカラオ(地球艦隊)」がこじ開け、「ウズメ(火星待機の古代と島)」が回収という作戦になっており、これは実は地球はすでにイスカンダルとの接触があって、イスカンダルまでコスモクリーナーを取りに行く「ヤマト計画」がすでにあるということで、冥王星海戦はサーシャが地球にとってのオーバーテクノロジーである「波動エンジンのコア」を地球に届けさせるための「陽動作戦」であり、古代守と沖田十三もまた「ヤマト計画」の一員なので、最後、古代艦と沖田艦だけになったときに古代守は「ヤマト計画」に必要な沖田十三を逃がすという形になったわけ。古代守と沖田十三の会話を良く聞いてみると、言葉の端々にそのあたりの含みがあるので、実は大事なシーンだったりする。
 旧作では冥王星海戦時にはまだイスカンダルとの接触は無く、冥王星海戦は事実上地球艦隊最後の戦いなので、最後に古代艦と沖田艦が残った時には「全く希望が無い状況」なので、古代守が「男なら最後まで戦って戦いぬいて、1つでも多くの敵をやっつけて死ぬべきじゃありませんか!」と言うのはアリなんだけど、2199では作戦の目的が違うので、このセリフでは意味を成さないんだよね。
 なぜ2199がこういう設定になったのかというと、旧作ではサーシャの通信カプセルから波動エンジンの存在を知り、実際にヤマトが飛び立つのが3日後なので、たった3日で波動エンジンを作ったことになるんだよね。地球脱出のための「イズモ計画」でヤマトの船体そのものは出来ていたとしても、さすがに3日で波動エンジンを作るのは無理だろうから。
 だから2199では、冥王星海戦の1年前にスターシャの末妹ユリーシャが地球に派遣されてヤマトに波動エンジンを搭載することになり、オーバーテクノロジーである波動エンジンのコアについてはサーシャが届けることになっていて、サーシャを迎え入れるためにガミラス艦隊を引き付けておくのが冥王星海戦(2199劇中ではメ号作戦と呼称)となっている。
 旧作の矛盾点を解消し、そのための設定がちゃんとヤマト的であり物語に広がりを生んでいるので、ストーリーを見ると旧作をベースにしてよく練られたものなっていると思う。

 キャラクターについては、キレイにしたというよりは裁判の結果で松本零士先生が制作に参加できず、松本キャラがそのまま使えないための処置だと思う。しかし松本零士カラーが無いとヤマトらしく見えないので、苦肉の策で妥協点を見出したデザインだと思う。
 今時の絵柄で抵抗感もあるけれど、松本零士カラーがまだあるので、まだちゃんと見られる。復活篇ではキャラデザが酷かったので、それにくらべれbさ2199はまだヤマトとして違和感無く観られる。
 でもキャラクターにアホ毛が多いのはナシだと思う(^^;)。

 2199のスタッフを見ると、旧作ヤマトに薫陶を受けた世代の人が入っているので、「お仕事的リメイク」には見えなかった。しかし今回のリメイクにあたり、旧作にある「良い意味での泥臭いケレン味」が減っているのがちょっと気になった。
 古代と島が朽ち果てた戦艦大和を発見した時に「ゴーン」という音が無かったし、ヤマト発進の際の島の焦りも無かったので、そのへんは旧作どおりでよかったんじゃないのかなと思う。
 ヤマト発進の際に、全世界がヤマトに希望を託してエネルギーを送るという描写は良かった。2199ではヤマトの乗艦パレードのシーンが無かったので、このシーンが無いと「運命背負い今飛び立つ」感が出ないところだった。パレードのシーンが無かったのは、劇中のテレビニュースでテロが多発してるとあったためだと思うけど、人々が「ヤマト計画」をどのように思っているのか具体的に示すシーンは絶対に必要だしね。だからこそそのプレッシャーを島は背負っているんだというようにするべきだったと思う。

 ストーリーについては「ヤマト・オリジン」として遜色のない出来だと思う。ただ現代的に洗練されるのもいいんだけど、良い意味での泥臭いケレン味は捨てないでほしいと思う。
 そういう意味でも次回の第2章は楽しみにしている。


追記

 2199でヤマトが超大型爆弾を主砲で撃破した時、船体が傾かなかったっけ?
 ニコニコ動画にあった予告編でしか確認できなかったんだけど、超大型爆弾が爆発した時に画面全体が激しく揺れたので、傾いたような傾いていないような微妙な感じになっていた。
 これはリアル描写とケレン味の妥協点・・・?(^^;)。

投稿者: たつや | 2012年06月19日 19:06



誰にでも作風?はある。
森村誠一は「あり得ない偶然」、内田康夫は「30年前の事件」
松本零士は「浪花節」ではないでしょうか。新ヤマトは、松本零士が参加していないという事なので、旧ヤマトとは別の作品として見るべきなのでしょう。
ところで、大好きな佐渡酒造先生は出演されているのでしょうか?
出演されているとすれば、自在な行動形態は不滅ですか?

投稿者: ハル | 2012年06月22日 23:17



>たつやさん
 どうも。長文レスありがとうございます!

 色々辛口なコメント書いてますが、つまらないかと言えば、そんな事もありませんでした。ただ、総じて感じているのが「演出の素っ気なさ」かなぁ…と。例の「ゴーン」の音も確かにありませんでしたね(キムタク版でさえあのシーンの演出は凝っていたのにw)。

 大型爆弾の傾き、よく見ると少し傾いているようですが、どちらかというと爆風で傾いたようにも見えます。いずれにせよ、その辺の描写を意識してなくしているのだとしたら、後半に従ってそれらの演出も生きてくるのかも知れませんね。

 さすがに映画館には見に行かないと思うけど、バンダイビジュアルのサイトなどで公開されたら、続編は見ようと思います。

投稿者: よっち | 2012年10月11日 15:04



>ところで、大好きな佐渡酒造先生は出演されているのでしょうか?

 なんだか今風の美少女看護師と共に出ています。今回のヤマトは女性乗員がかなり増えてますね。嬉しいような、ヤマトっぽくないような…。

 個人的には、デスラーがチャラ男にしか見えないのが違和感ありますw。

投稿者: よっち | 2012年10月11日 15:09



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