最果てアーケード
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小川洋子さんの新刊ですね。ちょっと前の話なんですが、発売と同時に買って読みました。
というのも、その前にコミック版の「最果てアーケード」を読んでいたからです。
物語は…ネタバレしても構わないよね。小さなアーケードで暮らす女の子が主人公で、でも、その主人公は、かつて街で起きた大火事で死んでしまっていて、その死を理解できていない女の子が、自分の死についてすこしずつ実感してゆくという話。
登場するアーケードのお店も、なんとなく「死」をモチーフにしたお店が多くて、読者も何となく命について意識させられながらも、ラストはよくわからないというか、主人公が生きているのか死んでいるのか判らない不思議な雰囲気の中物語が終わります。
先にコミック版を読んだのですが、どちらもオススメです。また、小説版はそもそもコミック版の原作に使う事を前提に書かれた話で、こちらも文章が明快で理解しやすい気がします。そして、ラストの意味についても、小説版の方がわかりやすいかもしれません。
最近重版がかかったのか、大きな本屋さんでは、再びこの小説が積まれているのをよく見かけます。面白い本でしたので、興味がある方は是非手に取ってみて下さい。
OLYMPYS XZ-1