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きみはウランガラスを知っているか?

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P1181012 現在では主にアンティークになりますが、ウランガラスというガラスがあります。

 その名の通り、このガラスの中にはウランが含まれていて、19世紀のボヘミア地方で、ガラスに黄色の発光剤を混ぜたモノがたまたまウラン化合物であり、紫外線(当時は早朝や夕焼けの日の光)に当てると、緑色に怪しく光るとのことで人々を魅了してきました。現在では俗に言うブラックライト(紫外線ライト)で、強制的に発光させることができますが、もちろん当時はそんなライトは存在しませんでしたので、更にミステリアスな趣だったのかと想像します。

 逆にそれがウランである事が判明した以降は、ウランは多くの国で国家による管理資源となり、製造もほぼストップ。現在では製造元のチェコや米国でごく僅かに製造されているだけのようです。

 また、戦前では日本でもウランガラスは製造されていましたが、戦後は全て終了。しかし、今世紀に入り岡山県の方でウラン鉱床が見つかり、そこで主に観光用として国産ウランガラスの製造がスタートしています。

 で、何故かそのウランガラスが妙に欲しくなってしまったんですよね。今回購入したウランガラスのティーカップセットは、米国ホッキング・グラス社製のアンティーク、およそ1935年〜39年の間に製造されたモノのようです。
 この会社はファイヤーキングを生み出したアンカーホッキングの前身となる会社で、故にこのティーカップセットは、米国製のウランガラスとなります。

 ガラス製品としては、さすがに年代モノのせいか、手作り感溢れる仕上がりで、よく見ると淵が綺麗な円形ではなく、何となく歪んでいるのもまたアンティークな食器の趣で味わいがあるところですが、この製品最大の特徴は、ウランガラスであるということ。なのでごく微量に放射線を出しているはずです。
 もっとも、このウランガラスで使われている程度のウランでは、当然ながら健康被害を起こすことはあり得ませんが、こういうの嫌いな人はダメな食器かもしれませんね。放射線嫌いって科学じゃなくて宗教なので。

 このカップで普段コーヒーを嗜んでいる私なのですが、コーヒーを入れると豆が放射線で更に熟成されて…なんてことは当然ありませんが、やはり薄緑の食器に注がれるコーヒーの色は、なんだか見た目も綺麗でコーヒーが美味しくなったように感じます。

 現在入手できるウランガラスは、ほとんどがアンティークになるため、価格の相場もあったりなかったりではありますが、このカップについては5,000円弱。高いか安いかの感じ方は人次第かと思いますが、約1世紀前で、更にウランガラスなんてキャラが立ってる製品としては安いかなと感じます。

 国産で新品のウランガラス製品は、岡山県の妖精の森ガラス美術館内のミュージアムショップで購入可能みたいですが、それなりにお値段するようです。

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 こちらは、ブラックライトを当てた写真。このように怪しく緑色に光るのが魅力ですね。

OLYMPUS E-M1 + Zuiko Digital 14-35mm F2.0 SWD


日本近世・近代のガラス論考/岡本文一

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