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Nait2に萌え萌えっ!

ちなちゃんと、ネイト2&PowerCD

シリアル46515番


 買ってしまいましたNait2(ネイト2)。その買い物の顛末は、こちらのページに詳しいのでここでは繰り返しませんが、とにかく長い間一度は聴いてみたいと思っていた、イギリス製の小粋なプリメインアンプです。発売されていたのは、今から10年位昔でしょうか?。
 現在では日本の輸入代理店が撤退してしまっているNaim Audio(ネイムオーディオ)ですが、本国イギリスでは、かなりのステイタスがあるメーカーと言われています。


ネイト2外見写真 ネイト2リアパネル

 まず外見写真から、あえて“引き”で外見を撮影したのですが、後ろにあるリモコンなどと比べてみれば、そのコンパクトなボディが分かると思います。私がメインに使っているLINN製コンポーネントの約半分程度の大きさしかありません。こんなサイズですが、当時の雑誌による試聴記では、スピーカーの駆動力はなかなかのものだったそうです。
 次の写真は、ネイト2のリアパネル。右手前からRCAフォノ端子、次はキャノン端子のようなものが3つ並んでいますが、これはネイムオーディオ独自の規格による外部接続用端子です(端子の形状は一般的なDIN規格です。ただ、だからといって他社のDINケーブルを確認もせずに挿さないで下さい。ものによっては危険です)。右からチューナー・AUX・テープと3つのコンポーネントが接続できるようになっています。その先に見える4つの穴は、スピーカー接続用のバナナ端子です。この端子はごく一般的な規格のものです。一番左側の上にある丸いフタはプリアウト端子、しかしオプションのモジュールを内蔵しなければ使えないみたいで、今の状態ではフタを開けても何もありません。その下は電源ケーブル。ボディから直接出ているので電源ケーブルの交換は出来ません。電源ケーブルの先は、輸入製品でお馴染みのアース付3ピン端子になっていますので、一般家庭では変換コネクタを使うことになります。


ネイト2正面 引き出しのようにして、内部パーツを出します3

 次は特徴のある本体を正面から見たところです。右側の大きなつまみがインプットセレクタ。右から「TAPE、AUX、TUNER、PHONO」の順で並んでいます。真ん中の小さなつまみ3つは、右から電源スイッチ、サウンドモード切替スイッチ、バランス調整つまみです。一番左側の大きなつまみがボリュームになります。上の緑色をした“まる二つ”は、ネイムオーディオのロゴです。電源を入れると緑色に光ります。このシンプルなパネルデザインは、実物を目の前にすると非常に洗練された印象を持ちます。
 次の写真は、ボディを開けたところ。このネイト2のボディは2分割構造になっています。アルミ製の外側ボディは筒のようになっていて、その中に基盤をマウントしてあるボディを引き出しのように入れる構造です。この筐体は非常に頑丈な造りになっており、おそらく外部の振動を基盤上のパーツに伝えない為に採用された設計なのだと思われます。また外部のアルミ製ボディは、内部の熱を逃がすためのラジエータの役割も果たしています。


ネイト2の基盤です これは組立責任者のサイン、外人って、こういうこと好きですよね

 基盤を引き出すとこんな感じです。大きなトランスが見えます。割合シンプルな造りです。日本仕様とのことで、トランス上にはマジックで100Vと走り書きがしてありました。念のためアースがきちんと落ちているか確認してみたのですが、とりあえずこの製品はアースが生きているみたいです。輸入製品の中では、日本仕様に直す際にアースをカットしてしまっている製品もあるそうなので、アースを落とせる環境で輸入オーディオ製品をお使いの方は、一度販売店に問い合わせてみることをお勧めします。
 次の写真は、組立担当者のサイン。日本でいうと、昔のプラモデルの箱に入っていた「検印」みたいなモノでしょう。ちなみに私が使っているLINN製品の基盤にも、組立担当者のサインが入っています。


ラック内、マジックの上に収まるネイト2 EXL-1後部接続端子

 早速システムにつないで試聴してみましょう。今回のシステムはSPがマーリンEXL-1。CDプレヤーがLINN MIMIKという構成です。EXL-1の入力端子はバイワイヤリング対応なのですが、ネイト2には一組分のスピーカー出力しかないので、急遽、手持ちのリード線とYラグを使いジャンパーピンの代わりになるものを作成しました。質的にはあまり良いものではないのですが、とりあえずは仕方ありません。入力は、ツィーター側をアンプに接続し、そこからウーハー側に向けてジャンパーを接続する方法をとりました。


 すべてのコンポーネントを接続してから、CDプレヤー、アンプの順で電源を入れます。この際、ネイムオーディオの製品には保護回路がついていないため、スピーカーから「プチッ」とノイズが出ます。繊細なツィーターを接続している方は、注意した方がいいかもしれません。
 入力セレクタをAUXに選択して、いよいよCD演奏開始です。

 第一声から感じた印象は、たいへん明るい音を出すアンプだということ。私は同じくイギリス製のプリメインアンプ「AudioLab8000A(オーディオラブ8000A。ちなみにこのメーカーは現在マクラーレンオーディオに買収され、そちらの元で製品開発を行っています)」を所有しているのですが、そちらのアンプが奏でる明るい音とともまたちょっと違う、抑制の利いた明るい音。ちょっと訳の分からない日本語になってしまいましたが、私はそんな印象を持ちました。聴いていてたいへん気持の良い音です。

 ただ漠然と書いていても分かりにくいと思うので、ここから先は、私が普段使っているプリメインアンプ、リン・マジックとの比較ということで話を進めます。
 ただ、両アンプの発売年は全然違うものですし、日本国内における値段も、マジックの¥240,000と、ネイト2の¥120,000、という差があることを踏まえておいてください。(余談ですが、現地イギリスの値段が両者半額だと仮定すると、このネイト2は、国産59,800クラスにほぼ競合する製品ということになります。この値段の国産アンプとこのネイト2を比較すると…、ちょっと両国におけるモノの価値観の違いを感じてしまいますね

 まず、初めにちょっと語った音質についてですが、マジックはニュートラルな音を出すのに比べて、ネイト2は明るめな音を出します。ただ、その音は派手さを押さえた明るさなので、聴いてきて疲れるという印象はありません。非常に耳当たりの良い音です。
 音像表現については、私のシステムの中にあるマジックは、スピーカーを中心として前後左右に音像が広がるのに対し、ネイト2は、まるでスピーカーの後ろに透明な板を立てたかのように、後方の音像がバッサリと切られたような鳴り方をします。これは悪い意味で言っているのではなく、音像表現が全体的に前へ前へ前進しているような印象です。もしかすると、ネイト2の明るい音という印象は、この独特な音像表現のせいなのかも知れません。
 再生するソースは、やはりマジックと比べてしまうと、オールラウンダーとはいきません。クラシックなどのソースでは、ちょっと再生がきついような印象も持ちます。ただ、管楽器の音は非常にいいです。今日は聴いていませんが、フルート協奏曲などのジャンルは、かなり気持ちのいい鳴り方をするのではないでしょうか。それと男性ボーカルの声もなかなか魅力的です。マジックに比べると、もう少しワイルドで悪っぽい雰囲気が出てきます。

 しかしこのネイト2、私が普段使っているマーリンEXL-1には、音質面、機能面両方であまりマッチしないような印象も持ちました。
 実はこのネイト2、自宅に持ち込む前に、リンのスピーカーであるAV5140につないで試聴したのですが、そちらの方がもう少し柔らかな表現もあって、このアンプの特徴にマッチした鳴り方をしているような気がします。この点の疑問は、後日私の家に待機しているセレッションSL-6siか、Ditton66をつかって再チェックしてみたいと思います。
 もう一点の問題である機能面での話ですが、このEXL-1では、スピーカーの能率が良すぎるのか、アンプ側のボリュームを0に絞っても、音が完全に消えません。それとボリュームの調整もかなりクリティカルで、夜などに音楽を聴こうとすると、それこそこの組み合わせでは「髪の毛一本をひねる」ような微妙なボリュームコントロールが要求されます。もし、このアンプを手に入れる機会がある方は、組み合わせるスピーカーは、少し能率が低目のスピーカーを選ばれるのがよいと思います。

 それと、この手のイギリス製アンプには良くある話らしいのですが、小音量再生時に左右のバランスが崩れます。これは音の純度を上げるために、ボリュームに補正回路を内蔵していないせいで起こる症状らしいです。解決策は「あまり気にしない、もしくはバランスつまみがあるのだから、それで調整する」ということなのでしょう。ある程度音量を上げると、きちんとしたバランスで再生されます。
 ひょっとするとこのアンプの場合、中古なので故障しているという可能性もあります。この辺のネイムオーディオの精度については私も分かりませんので、どなたか詳しい方がいらっしゃれば、是非ご教授をお願い致します。
 ちなみに、前記でちらっと話が出たオーディオラブ8000Aも、左右のバランスには悩まされました。今は何故か直ってしまってますが…。


ネイト2とNAD513。このCDプレヤーも、手に入れておいて良かったです PowerCDとの組み合わせです。こうしてみると、なかなか絵になりますよね。ちなみにこのPowerCD,

 ここから先は個人的なお遊び…。
 上の写真二点は、自宅での「ネイト2活用法」の考察です。第一案はネイト2にNAD513、CDプレヤーを組み合わせたもの。まだこの組み合わせは聴いていないのですが、NADの音質を考えると、なかなか期待させてくれるものがあります。ひょっとしたら、お互いの個性が悪い方向に出てしまうという懸念もなきにしもあらずですが…。
 もう一つはネイト2とApple PowerCDとの組み合わせ。これに超小型スピーカーを組み合わせて、洒落たデスクサイドミュージックシステムを作るのも楽しそう。PowerCDには可変出力端子が付いているので、能率のいいスピーカーを使う場合でも、CD側の出力を調整することで使いやすいボリュームコントロールが実現できるかもしれません。

 いずれにせよ、「眺めて良し・聴いて良し」のネイムオーディオ:ネイト2。手にすることが出来て、本当に良かったです。


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