ホームカメラと写真>CANON F-1 + FD-50mm F1.4 S.S.C vs NIKKOR Auto-50mm F1.4
 

キャノン F−1(CANON F-1)
+ FD-50mm F1.4 vs NIKKOR-S Auto 50mm F1.4

CANON F-1

♯625805/堂々としたフルマニュアル一眼レフのスタンダードといった趣

 

 

 最近私の周辺で、にわかに中古カメラウイルスがが蔓延しつつあるようです。という事で、今日は私の友人が買った、CANON F-1(後期バージョン、ちなみにNEW-F1とは違います)を紹介してみようと思います。

 今回紹介するこのカメラ、私の所有しているカメラではないので、詳しい紹介も出来ませんし、記述にも誤りもあるかもしれません。もしお気づきの点がございましたら、遠慮なくメールか掲示板でお知らせ下さるようお願い致します。
 また、詳しく紹介できない代わりに、特別企画として「FD-50mm F1.4 vs NIKKOR-S Auto 50mm F1.4」という対決記事を用意しましたので、最後まで是非読んでみて下さいね。

 

 


 まず正面写真から。マニュアル一眼レフのスタンダードとも言える堂々としたスタイル。左肩の「F−1」という白文字が眩しいです。レンズ左側にあるレバーは「絞り込みレバー」。レンズ側に倒すとレンズが絞り込まれます。その下に小さなモードダイヤルが付いているのですが、向かって右側のポジションが通常位置、中央が絞り込み固定、左側がミラーアップとなっています。

 次は背面写真。左側フィルム巻き上げレバー下にあるダイヤルがメインスイッチ。下が電源オンで中央が電源オフ。その上はバッテリーチェックモードで、フィルム感度ISO-100/シャッター速度1/2000秒に合わせたとき、ファインダ内メーターリング(下の写真参照)中央に針が位置しているとOK。青いラインより下だと電圧不足という事になります。
 ボディ中央にはファインダ窓、その横にはシリアル番号が刻まれています。

 


 次は上面写真。まずレンズ鏡胴部分前からピントリングと絞りリング。二つのリングは、構えた側で左回し(反時計回り)方向が、無限遠:最小絞りになっていて、ニコンレンズとは全く逆…というか、ニコンだけが逆なんですけど、ちょっと私的には戸惑います。絞りリング右側にある緑色をした「A」の文字は、AE機構があるボディを使用する場合のモード。鏡胴にあるボタンでロックがかかっていますので、普段の動作時に「A」モードに入る事はありません。
 ペンタ部分に隠れていますが、更に内側の銀色をしたリングは、マウント固定リングです。CANON FDマウントレンズは、マウントリング部分のみ、ねじ込み式になっています。
 ボディ部分左側はフィルム巻き上げレバー。その上にある小さな銀色のボタンは、裏ブタロック解除。裏ブタを開ける際は、この銀色のボタンを押しながらフィルム巻き上げレバーを上に引っ張ります。
 ペンタ中央にはアクセサリーシューがありますが、このカメラのシューにはX接点も何も付いていません。カメラ屋のオヤジによると、どうも後付けしたシューではないかという事。ちなみにこの当時のアクセサリシューは、現在の形とちょっと違った形でフィルム巻き上げレバーの位置に装備されています。
 ペンタ部分を超えて右側のダイヤルがシャッター速度調整ダイヤル。最速は1/2000秒です。また、そのダイヤルの外周部を持ち上げながら回すと、フィルム感度を調整できます。設定範囲はISO-25〜3200しかありません。プロ用のカメラにしては調整範囲がすこし狭いような気もします。
 次はシャッターボタン。外側のリングを手前側に回すと、シャッターのレリーズロックがかかります。その次が巻き上げレバー。そういえば分割巻き上げが可能かどうか試すのを忘れました。

 底面は至ってシンプル。左から銀色をしたボタンが巻き上げロック解除ボタン。鏡胴後ろにある穴は三脚穴。右側にあるネジはバッテリーケースです。

 


 次の写真はファインダ内を撮影したもの。ちなみにF-1のファインダ視野率は100%ではないみたいです(96〜97%程度とのこと)
 右側がメーター部分。丸いリングが絞りと連動した露出計で、シャッターダイヤルを調整して針がリングの真ん中に位置するとOK。リングの上縁に針が来ると+1EV、下だと−1EV。本機はフルマニュアルカメラなので、露出補正ダイヤルは存在しません。(リングがシャッター速度で、針が露出計だったかも…。後日確認して、必要があれば記事を修正します)
 下に見える緑色の数字は、選択したシャッター速度を表示しています。

 


 ビックリしたのがバッテリ交換のやり方。背面ネジを回すと、バッテリ部分の蓋だけが外れるのではなく、底蓋全てが外れてしまいます。おそらくモータードライブを取り付けやすくするための配慮なんだと思いますが、蓋を外すと、内部の動作スプリングやピンの一部が露出してしまうため、野外でバッテリを交換する際は、ちょっと怖い気がします。

 

 

 カメラの紹介はこの位にして、これ以降は、今回の特別企画「FD 50mm F1.4 S.S.C vs NIKKOR-S Auto 50mm F1.4」をお送りします。

 


 まず対決に使用したカメラの比較。F-1の方はここで紹介したのでいいとして、NIKKORレンズに使ったボディはNIKON FEです。このFEとは、1982年に発売された絞り優先AEを搭載した小型軽量一眼レフ。当然F-1に比べると、ボディの作りは全く安っぽいです。

 


 次はレンズの比較。左がキャノン・FD 50mmで、右がニコン・NIKKOR 50mmです。FDに関しては手元の資料では判らないのですが、今回対決したNIKKOR 50mmは、発売が1965年といいますから、結構なクラシックレンズです。ちなみに私の所有しているレンズは、前玉に結構汚れが付いてしまっています。ただ、思った程実写には影響していないようです。
 レンズ裏側の写真を見ると、右のFDマウントレンズは、カメラ側のマウント爪が外側を向いているせいか、絞りレバーがニコンに比べるとやや内側に位置していて、ちょっと古くさい印象です。対するニコンFマウントは、ボディ側の爪が内側に位置している為、レンズ側の爪が外側に向いています。こちらは見た目マウント経が大きく見えて、現代的な感じがします。
 それとは別に、両レンズの前玉後玉を比較してみると、NIKKOR方が前後共、口径がやや大きいように見えました。

 という事で早速実写結果です。
 これ以降の比較写真は、左側(もしくは上)が、FD 50mm。右側(もしくは下)が、NIKKOR 50mmとなります。今回の対決に使用したフィルムは、コダックゴールド100です。現像は私の通っている写真屋さんの中で一番プリントが上手いと思われる所にお願いしたのですが、とはいっても、当然ネガフィルムなので厳密な比較にはなりません。あくまでも参考程度に考えて下さいね。

 

FD 50mmF1.4 S.S.C で撮影した写真 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 で撮影した写真

 まずは絞り解放で撮影した二枚、シャッター速度は1/1000秒。両レンズ共同じF値なのですが、左側のFDレンズの方が、やや被写界深度は深いみたいです。NIKKORでは、花の手前にある葉はボケてしまっています。色調はFDがやや青目で、NIKKORはやや黄色くなります。背景のボケ方はあまり変わらない気がしますが、プリントを見る限りだとややNIKKORの方がうるさい感じがします。

 

FD 50mmF1.4 S.S.C で撮影した写真 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 で撮影した写真

 次はお馴染み「まっかちん」の写真。絞りをF8に固定して、シャッター速度はカメラに任せました。この場合、CANONとNIKONではシャッター速度が大体1段ズレています。おおよそキャノンの方がシャッター速度が速いです。これはカメラのせいなのか、レンズのせいなのかよく判りません。
 写真についてですが、Fのサイドウインド部分を比較すると左側のFDの方が、より鮮やかな青で写っているのがわかります。また、モニタ上では変色してしまっているかもしれませんが、ボディの赤も、FDはややマゼンタ寄りの色調です。

 

FD 50mmF1.4 S.S.C で撮影した写真 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 で撮影した写真

 次は逆光状態での撮影。絞りは同じくF8固定、シャッター速度はカメラにお任せです。まずFDの写真では、真ん中に豪快なゴーストが出てしまっています。この写真だと、被写体によるせいなのか、両レンズとも色調の差は殆ど感じません。ただ、カメラが指示する露出値に差があるのか、FDの方が半段程度暗い写真になっています。画面左側の看板部分、NIKKORの方は大分ハイライト付近が飛んでしまってます。

 

FD 50mmF1.4 S.S.C で撮影した写真 NIKKOR-S Auto 50mm F1.4 で撮影した写真

 次は駅の渡り廊下を撮影した写真。確か絞りはF5.6だったと思います。やはり色調はともかく、明るさに差が出ました。ちなみにCANONはシャッター速度が1/1000秒、ニコンは1/500秒でした。プリントでは、ややNIKKORが明るいという程度でしかありませんが、ネガをみると確かにFDは1段程暗い写真になっているようです。もっとも、どちらが正しい露出値なのか、今回の撮影だけではわかりませんが…。

 

 


 という事で大分長くなりましたが、CANON F-1について、私が判る範囲で紹介してみました。
 そうそう、今回いじって始めて気が付いたのですが、CANON F-1のシャッター幕って、横走りなんですよね。ちょっとビックリです。それと、さすが当時のフラッグシップ機だけあって、各所の作りが頑丈でしっかり出来ていました。この頑丈感と精密感は、これらの機械が好きな人にとっては、たまらないモノだと思います。
 国産クラシック一眼レフというと、NIKONばかりが追いかけられている感もありますが、このF-1も、またNIKONの一桁シリーズとは違った魅力に溢れていて、結構いいカメラだと思いました。更に中古相場がNIKONに比べるとかなり安目というのも嬉しいトコロ。

 カメラの購入を検討されている方、新品ばかりに目を向けず、手頃な価格で往年の国産最高級一眼レフの中古を手にしてみるというのはどうですか?。少なくとも機械としての造りは、現代のカメラとは全く比較にならない位置にありますよ。

 

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