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ニコマート FTn(Nikomat FTn)

正面から

♯FT 4110852/手に持つと、ずっしりと重量感があります。

 

 

 ニコマートFTnとは、1967年に発売されたニコンの普及型35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフで、1965年に発売されていたニコマートFTに、解放F値自働補正機構を備え、更に内蔵TTL露出計の測光分布を中央部重点測光にした改良モデル。当時は同じニコンの上級機「F」が高評価を得ていた事もあり、このニコマートシリーズも随分人気があったらしい。確かにFよりも低価格で必要最小限の機能が備わり、レンズマウントもニコンFマウントが使えたわけだからね。これは現在 CANON EOS Kiss がバカ売れしているのと状況は似ているのかもしれない。

右前から 左前から

 まず左前写真。レンズ鏡胴部脇に見えるレバーはセルフタイマー。次右前写真は、レンズマウント部上に見えるスライドレバーがミラーアップレバー。その下丸いボタンはレンズ着脱ボタン。更に鏡胴部下に見えるレバーが、シャッター速度選択レバー。こんな所でシャッター速度を調整するとは、何やらレンズシャッター式のカメラみたいな感じだね。

上面から 下面から

 次が上面写真。左からフィルム巻き上げレバー。その脇に見える小窓は露出計窓。ファインダを覗かずに露出値が確認できるのは結構便利。その下にはシリアルナンバーが刻まれていて、この個体は#4110852だった。次右側ペンタ部にはアクセサリーシュー、接点は無いみたいです。ペンタ部を越えてすぐのボディ前方にある小さなボタンは絞り込みレバー(ボタン?)。これは大変押しやすい位置にあるため、FE で Auto レンズを使うことの多い私には大変羨ましい。そのボタン右下に見える小窓はフィルムカウンタ。右前のボタンはシャッターボタン。そして一番右がフィルム巻き上げレバーとなっている。
 次の写真、背面は至ってシンプル。ボディ左からフィルム巻き上げ解除ボタン、三脚穴、電池室。本カメラの使用電池は、既に製造が中止されてしまったMR-9というボタン電池。同様の形状をした電池は現在でも売っているのだが、電圧がやや違うため(MR-9の1.33vに対して、現在市販されている電池は1.5v)、使用した場合露出計の計測値がズレる可能性がある。正規の状態で使用するには内部にSR-44電池を入れるアダプタを用意すれば良いのだが、このアダプタ、電圧調整の機能も兼ね備えているため、お値段3,000円前後と案外高い。その次、レンズ鏡胴部にある黒い枠が付いている所が、フィルム感度調整ダイヤル。鏡胴右側に飛び出しているレバーが、先程も書いたとおりシャッター速度調整レバーだ。

左右から

 次の写真は、持った側から左側の写真。上部にはシンクロ接点のMとXが付いている。写真では見にくいが、黒のグッタペルカ(いや、材質は違うだろうけどね)下にある半円形の部分が裏蓋解放レバー。このレバーを下に押しやると裏蓋が開く。
 次の写真はもって右側。特に操作部はない。

ファインダ像 レンズには大きなカビが…

 次はファインダ像の写真。右側やや下に見えるのが露出計表示部。黒の枠内センターに針が来れば適正露出。目盛は上が−で下が+になっている。ファインダマット面に関しては、特にピント合わせがし易いとかし難いとかの感想はなく、至って普通の出来。

 次の写真はこのカメラに装着されていたレンズについて、このレンズは「NIKKOR-S Auto 50mm F1.4」で、実は私も持っている。ちなみにこのレンズに関しては、私のサイト内でCANONレンズとの比較記事を公開しているので、興味がある方は参照して欲しい。という事でこのレンズ、前玉は非常に奇麗なのだが、内部には大きなカビが発生してしまっている。多少のカビなら写りには影響しないが、これだけ大きくなるとちょっとね…。このカメラを持って来てくれた友人も「ボケ玉だ」と言っていた。このレンズ、今から10年以上前にはカビではなく虫(!)が内部に入っていたそうで、どうやらその虫の死骸がカビに変化したという事らしい。レンズは世界を切り取ると言うが、なんと、そのレンズの中にも新たな生命の終わりと始まりがある世界が存在しているとは…。なにやら、ちょっと感慨深いものがありますね(^^;;

 

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